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「ブロックチェーンの大義を取り戻す」Mina財団CEOにインタビュー

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Mina Protocolインタビュー

Mina Protocol(ミナ・プロトコル)は、2017年に米サンフランシスコで設立されたO(1)Labs(オーワン・ラボ)が開発するブロックチェーンプロジェクトだ。

世界中のどこからでも、どんなデバイスでも利用できる軽量ブロックチェーンを基盤としたインフラを開発している。

今回、Mina Protocolのエヴァン・シャピロCEOに独占インタビューを実施。Mina Protocol創設までの経歴やMinaの描く将来像、またシャピロ氏の理念や日本市場などについて尋ねた。

関連:誰もがノードとして参加できる軽量型ブロックチェーン、Mina Protocolとは

目次
  1. 自己紹介
  2. Minaについて
  3. Minaの描く将来像とは
  4. 日本について

1)自己紹介

これまでの経歴を教えていただけますか?

私は(カーネギーメロン)大学を出てすぐさま、ブロックチェーン業界に飛び込みました。インターンシップや修士課程で勤務した研究室ででの経験を活かし、2017年にアイザック・メックラー(共同創設者)と2人で「O(1)Labs」を設立しました。

修士課程の在籍時は博士号の取得や研究者になる道なども考えましたが、最終的にはブロックチェーン業界で働き始めるという選択肢の方が、私にとっては理にかなっていました。

以来、2017年から2021年までの4年間、私はO(1)LabsのCEOとして、Mina Protocolを設計・構築し、そしてローンチすることに成功しました。現在は、O(1)LabsのCEOからMina財団のCEOに移り、MinaのエコシステムおよびWeb3とブロックチェーン一般に対するユーザー所有権を支援するために働いています。

関連:Mina財団、21年の年次レポートで保有資産など初公開

ブロックチェーン業界に興味を持った、または関わるようになった直接的なきっかけは何だったのでしょうか?

私がブロックチェーンに興味を持ち始めたのは高校生の時です。コンピュータやテクノロジー関連分野が好きで、当時はプログラミングに夢中でした。

授業中でもネットブック(覚えている方はいらっしゃるでしょうか?)を使ってコーディングに没頭していた程です。友人のアイザックとはいつも、暗号技術やテクノロジー業界について語り合ったり、その未来について予測したりしていました。そして数年前、私とアイザックが同じ地域に住み始めたのをきっかけに、再び暗号技術について真剣に語り合うようになり、何か共同でこの分野に貢献したいと思うようになりました。

2)Minaについて

Mina Protocol設立の経緯はどのようなものですか?

私がアイザックとMinaのインキュベーションチームであるO(1)Labsを作ったのは、私たちが若い頃に思い描いていたようなブロックチェーンの世界が、まだ実現されていないからです。

通常はブロックチェーンがある場合、それが正しいかどうかを検証するためにチェーン全体をダウンロードする必要があります。これは、ノードがコンセンサスを得るために必要なことです。チェーンのトランザクションが増えるとブロックチェーンが重くなり、ノードの検証のためのリソース要件が増えます。つまり、ブロックチェーン本来の大義は、非中央集権化をもたらして大衆に力を取り戻すことですが、ブロックチェーンが成熟し大きくなるにつれ、現実にはそうではなくなってきているのです。

私たちはブロックチェーンの大義を取り戻すために、一定サイズの極小ブロックチェーンを構築することに技術的な突破口を見出したのです。そしてそれこそが、ユーザーのために分散化を損なわずして最高レベルのフレキシビリティ、プライバシー、セキュリティを保持しながら拡張することのできるブロックチェーンであり、Minaの目標でもあるのです。

Minaの大きな特徴である、その「軽量ブロックチェーン」についてですが、ユーザーにとってのメリットは具体的にどのような部分にあるのでしょうか?

Minaは、22kbの「証明」をダウンロードするだけで、ブロックチェーン全体を信頼して検証し、フルノードとしてトランザクションを送信できる世界で唯一のブロックチェーンです。

Minaを支える基盤技術は、「再帰的zk-SNARKs」です。再帰的zk-SNARKsの大前提は、結果に入る機密情報(例えばパスワードなど)を共有せずに、「この結果は私が言う通りである」と担保する小さな証明を送るだけでいいというものです。再帰的zk-SNARKsによって、Minaのノードはネットワーク全体で正しいブロックチェーンの状態の証明を迅速に共有し、更新することができます。

Minaはこのように軽量な証明を提供できるため、どのデバイスからでも暗号技術によって保証された完全なセキュリティを利用することができるのです。Minaを通じてWeb3にアクセスすることで、そのセキュリティを確保でき、金融取引が暗号資産として行われることが多くなる中で、重要な意味を持つことになります。

ブロックチェーンがこれほど小さく保たれる仕組みを理解するためには、チェーンそのものではなく、ブロックチェーン全体の状態を軽量なスナップショットとしてとらえた証明のやりとりを想像してみてください。ネットワーク内に次のブロックが作成されると、ブロックチェーンの前の状態のスナップショットを背景にして、自分自身のスナップショットが作成されます。その新しいスナップショットは、今度は次のブロックの背景として使用され、それが繰り返されます。これが「再帰的」な部分の意味するところです。驚くべきことに、ブロックチェーンは履歴を証明する情報を際限なく含むことができますが、スナップショットは常に同じサイズが保たれるのです。

3)Minaの描く将来像とは

2022年はMinaにとって躍進の年になると思われます。これまでに軽量なフルノードをローンチし、 DeFiプロトコルの実装も開始されましたが、これから課題があるとすれば何でしょうか?

最大の挑戦であり、最も期待していることは、ZKP(ゼロ知識証明)のプログラマビリティを立ち上げることと、そしてプロトコルの民主的な参加方式を継続的に構築することです。

MinaのZKPプログラマビリティは、O(1)Labsが開発したSnarkyJSによって実現されています。プライバシーとZKPの機能を統合し、開発者が使いやすい形で利用できるようになったのは、これが初めてです。これは、通常のL1アプリに加え、オフチェーン情報の証明、スケーラブルなL2の容易な構築、プライベートな投票など、Mina上に構築するための多大な可能性を開くものです。しかし今は、開発者の手のなかで使いやすくなるまで試行錯誤を繰り返すことが、今年の重要な課題であり、チャンスでもあるとみています。

また2021年は、Minaに関する共同研究のためのフォーラム「MinaResearch」と、プロトコルに変更を加えるためのプロセス「MIPs」が立ち上げられました。民主的なプロトコルのあり方については、まだスタート地点に立ったばかりなので、これも今後、重要な取り組みになってくると思います。

ブロックチェーンの発展において、ZKP(ゼロ知識証明)技術は今後どのような位置づけになるとお考えでしょうか。また、ZKPはどのような点でブロックチェーン技術を変えると思いますか?ZKPは将来的に何を可能にするのでしょう?

今、ZKPがブロックチェーンに革命を起こし始めている点は、L2スケーリング、より優れたオラクルの約束、プライベートデータをパブリックブロックチェーンに安全に接続することなどです。

私たちは、まさにそのスタート地点にいるのだと思います。特にWeb3が注目されるようになると、ZKPのセキュリティとプライバシーはますます優位に立ち、ブロックチェーン技術の中でますます大きな位置を占めるようになるでしょう。

4)日本について

ブロックチェーン技術について学ぼうとしている人、ブロックチェーンを使ったビジネスを行おうとしている人へのアドバイスをお願いします

まずは、自分の顧客が誰なのか、そしてブロックチェーン技術がその顧客に適したソリューションなのかを理解することが大切だと考えています。そして、ブロックチェーン技術のアプリケーション(NFT、DAO、DeFiなど)がどのように成長しているのか、次に何が来るのかを知ることだと思うのです。

CoinPostの主な読者は仮想通貨の投資家となります。最後に、日本の読者に向けてメッセージをお願いします

日本のMinaコミュニティは大変素晴らしいです。イベントや記事の翻訳、日本専用のソーシャルメディアチャンネルを通じて、日本のMinaコミュニティをサポートし続けたいと考えています。また、日本の優秀な開発者コミュニティとコミュニケーションを取り、Mina Snappsを通じてSNARKsがdAppsにもたらすプライバシーとセキュリティに興味のある開発者たちと出会いたいとも思っています。

関連:プライバシー性の高い分散型アプリケーション「Snapps」とは

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