CoinPostで今最も読まれています

Dfinity財団、ICP初の分散型取引所「Sonic」を発表

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

手数料無料の分散型取引所

分散型のクラウドコンピュータ・プラットフォーム「インターネットコンピュータ」を開発するDfinity財団は23日、ネットワーク初の分散型取引所(DEX)「Sonic」をローンチしたと発表した。

Sonicは自動マーケットメーカー(AMM)を採用したDEXで、パーミッションレスのトークンスワップ(交換)と流動性マイニングを提供。Dfinityは「ガス代(ネットワーク手数料)無料と1秒で取引確定」をアピールしている。

自動マーケットメーカー

自動マーケットメーカー(AMM:Automated Market Maker)とは、予めプログラムされたアルゴリズムにより、注文の約定が自動化されたマーケットメーカー。イーサリアム基盤の分散型取引所Uniswapなどが、AMMという概念の先駆けとして知られる。AMMではKYCが不要で、任意の2つのトークンを交換できるほか、トークンの流動性を提供することで報酬を得ることが可能。

▶️仮想通貨用語集

Sonicは差し当たって、DfinityのネイティブトークンICPとWrapped ICP(WICP)、スマートコントラクトのトランザクションに利用されるCycles Token(XTC)をサポート。トークンスワップはICP/WICP、ICP/XTC、WICP/XTCのペアで行われ、ユーザーは取引時、流動性プロバイダーにスワップ手数料(0.3%)を支払う。流動性プロバイダー報酬はWICP/XTCのプールで利用可能だ。

ただし上記の取引ペアは「一時的な措置」であり、今後、コミュニティの要望により新たなトークンペア(DIP20規格サポートが条件)も追加される予定だという。

関連:初心者でもわかるDfinity(ICP)とは|仕組みや特徴を解説

Sonicのオープンソース化

Dfinity財団は、インターネットコンピュータの分散型金融(DeFi)エコシステムを拡大することを目指している。そのため、SonicプロトコルのAPIを開発者コミュニティに公開することで、相互運用可能なdApps(分散型アプリ)の構築を促進する。今後数週間で、手続きに関しては全てをオープンソース化する予定だという。

また、次の段階となるSonic v2では、トークンのローンチパッド、DAO(分散型自律組織)ツールとネイティブガバナンストークンSONICを提供する計画があるとのことだ。

同財団によると、Sonicはローンチ後3日間で、1万1,000件の取引を処理し、ICPトークンのバーン(焼却)率は64%以上上昇したとのことだ。(トランザクションに利用されたXTCはバーンされるが、XTCはICPからの変換で生成される)

Dfinity・インターネットコンピューター(Internet Computer Protocol:ICP)とは

AWSやGoogle Cloudのような、特定企業によるクラウドコンピューティングサービスの(依存している状況から分散型で安定化へ)脱却を目指すプロジェクト。世界中の独立したデータセンターから提供される計算リソースをICP(Internet Computer Protocol)でまとめることで、アプリケーションサービス等を実装できる分散型のネットワーク(インターネットコンピューター)の構築を行う。

▶️仮想通貨用語集

主要ブロックチェーンとの互換性

Dfinity財団によると、インターネットコンピュータはビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの主要ブロックチェーンに直接統合されているため、Sonicでは複数のチェーンへのサービスの提供が可能だという。コミュニティによってイーサリアム・ブリッジ「Terabethia bridge」も構築されている。つまり、インターネットコンピュータのエコシステムに他チェーンのトークンを取り込み、インターネットコンピュータのトークンと相互運用が可能になるという強みがある。

インターネットコンピュータを開発するDfinity財団は2015年に設立された非営利団体。2018年にICOでa16zやPolychain、Multicoin Capitalなどから100億円以上調達した経緯がある。

ガバナンストークンであるICPは昨年5月、米大手仮想通貨取引所コインベースに新規上場を果たし、今月4日には大手取引所バイナンスが新たにイーサリアム(ETH)との通貨ペアとして追加した。

関連:バイナンス、ETH建てのATOMやICPなど9つの取引ペア追加

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。
10:00
ソラナ初事例、パラオ共和国がデジタルID発行
主権国家が仮想通貨・ブロックチェーンであるソラナ上で、法的アイデンティティを発行する初めての事例となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア