ソフトバンクに新たな出資事例
プライバシーを重視したブロックチェーンプロジェクト「Aleo」は7日、2億ドル(約230億円)の資金を調達したことを発表した。
今回の資金調達はシリーズBで、ソフトバンクグループの「SoftBank Vision Fund 2」とKora Managementが主導。他にはAndreessen Horowitz(a16z)、Samsung Next、Tiger Globalらも出資に参加した。新たに調達した資金を活用し、プロダクトやサービスの開発を進め、今年に予定するメインネットのローンチにつなげる狙いだ。
Aleoは、プライバシーを重視したアプリケーションを構築するための開発者向けプラットフォームを提供。ゼロ知識証明の技術を活用し、レイヤー1のブロックチェーンを開発している。
ゼロ知識証明とは
証明プロトコルの一種。「自身の主張が真実であること以外の情報を検証者に開示することなく(=ゼロ知識)、その主張が真実であると証明できる」という特性を持つ。ブロックチェーン業界では最近、処理能力を高める技術に応用されているが、それよりも前からプライバシーを高める技術として活用されていた。
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同社のHoward Wu最高経営責任者(CEO)によれば、Aleoの目的は、次世代の分散型ウェブアプリのための基盤を構築すること。ウェブユーザーの可能性を高める開発者のエコシステムを作ろうとしている。
SoftBank Investment Advisersの投資家Aaron Wong氏は今回の発表に際し、以下のようにコメントを寄せた。
ブロックチェーンは発展を続け、アクセスのしやすさ、効率性や相互運用性の高さといった特徴を持つデタジルエコシステムを支える可能性があることを証明している。
Aleoは、安全でスケーラビリティが高いWeb3.0(分散型ウェブ)の未来を実現する基盤を構築すると我々は信じている。ゲームや金融などの多様なアプリケーションを誕生させてくれるだろう。
プライバシーを重視するAleoは、トランザクションの処理をオフチェーンで行うことで、個人情報管理を犠牲にすることなく、処理能力も高いアプリケーションを開発できるように取り組んでいるという。
ソフトバンクの動向
ソフトバンクは最近、暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン業界への出資を頻繁に行っている。
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3日には、米サンフランシスコ発の決済関連企業Tribal Creditが、ソフトバンクの「Latin America Fund」が主導するシリーズBで、約70億円を調達したことを発表。
関連:ソフトバンク主導、USDC利用のTribal Creditが約70億円調達
昨日には、イーサリアム(ETH)のスケーリングソリューションを提供する「ポリゴン(MATIC)」も、SoftBank Vision Fund 2やTiger Globalらから約520億円を調達したことを発表した。