WebX完全ガイド
TOP 新着一覧 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

2016年THE DAO事件のハッカー判明か、仮想通貨記者が特定

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

イーサリアムの歴史的事件が解明か

仮想通貨ジャーナリストLaura Shin氏は22日、2016年に暗号資産(仮想通貨)イーサリアムの歴史を変えた「THE DAO事件」の黒幕の正体が判明したと発表した。

同日発売となったShin氏の新著「The Cryptopians: Idealism, Greed, Lies, and the Making of the First Big Cryptocurrency Craze」(クリプトピアン達:理想主義、欲、嘘と最初の大仮想通貨ブームの形成)の執筆にあたり、取材した数々の情報源とトランザクションの痕跡を辿る最新のブロックチェーン分析調査などから、ハッカーと思われる人物を特定したという。

Shin氏は米フォーブズ誌で詳細を紹介。中欧オーストリアのプログラマーで、シンガポールの仮想通貨スタートアップ「TenX」の共同設立者兼CEOとして知られるToby Hoenisch氏がハッカーであると主張した。

一方、Hoenisch氏はShin氏が提示した証拠文書に対し、「結論は事実上正確ではない」として容疑を否定している。

DAO

DAOとは、「Decentralized Autonomous Organization」の略で、自律的に機能する分散型組織を指す。一般的な企業などとは違い、経営者のような中央管理者が存在しない。参加メンバーやアルゴリズムによって運営管理が行われる。

▶️仮想通貨用語集

THE DAO事件とは

THE DAO事件とは、2016年に行われたICOで大量のETHが不正流出したことに端を発する。イーサリアム上の分散型投資ファンド「THE DAO」で、資金移動システムの脆弱性をついたハッキングが発生し、集められた資金の3分の1にあたる364万ETHが流出。これは当時の全ETH発行量のおよそ5%を占めたことから、イーサリアムコミュニティのみならず、仮想通貨業界に大きな波紋を投げかけた。

一方、ホワイトハッカーチームの尽力により、短期間で資金凍結に成功。その間、ハードフォークを行うことで、時計の針を巻き戻し、不正送金前の状態に還すことで事態は収束に向かった。

こうしてイーサリアムブロックチェーンは、イーサリアム(ETH)とオリジナルのチェーンを継承するイーサリアムクラシック(ETC)に分岐する結果となった。

チェイナリシスの分析

Shin氏は調査の過程で、ブロックチェーン分析企業チェイナリシス(Chainalysis)の協力により、最新の法科学的調査手法を用いて、THE DAOのハッキングの糸口を掴み、ハッカーの正体を突き止めたとの確信に至ったと述べている。

チェイナリシスの調査によると、ハッカーは「Wasabi Wallet」に50BTCを送り、それをミックスして取引履歴を隠そうとしたことがわかったという。またその後の追跡で、4つの取引所に送られた後、一つの取引所で、匿名コインであるGrinに交換されたことが突き止められた。

 

交換されたGrinの送付先は「grin.toby.ai」というGrinノードだと、同取引所の従業員が証言。そのノードのIPアドレスは、ビットコインライトニングのノードもホスティングしており、その名称が「TenX」であることがわかったという。

TenXの共同設立者の一人Julian Hosp氏は、Hoenisch氏のメールアドレスの末尾が「@toby.ai」であると証言している。

Shin氏の見解

同氏はハッキングに至ったHoenisch氏の動機を次のように推定している。

2016年、彼はDAOの技術的脆弱性を早期に発見したものの、自身が発した警告がDAOの作成者によって十分に真剣に受け止められていないとの結論に至り、ストライキを決行したのかもしれない。

ハッキング前の2016年5月、Hoenisch氏がTHE DAOを創設したスタートアップ「Slock.it」の最高技術責任者やエンジニア、コミュニティマネージャーに、DAOのコードで気がかりな点を知らせるなどの行動をとっていたことが判明している。また電子出版プラットフォーム「Medium」にも、The DAOの問題点について複数の投稿をしていた。

その中には、Hoenisch氏が「大きなセキュリティ欠陥」を明らかにしたにもかかわらず、「Slock.itは攻撃ベクトルの重要性を軽視した」という内容の投稿もある。また6月3日の投稿では、複数のブロックチェーンに対するハッキングによる挑戦を宣言していたようだ。

その2週間後にTHE DAOのハッキングが起きている。

Shin氏の取材を受けた関係者の一人は、Hoenisch氏がTHE DAOの資金が凍結されている間に、資金を返還していれば、イーサリアムコミュニティから「脆弱性を発見した」として、「大きな賞賛」を受けることになっただろうと述べている。

別の関係者は、THE DAOハッカーは「ヒーローになるチャンスを逃した」と述べ、次のようなコメントを残している。

高い評価というものは、お金よりずっと価値があるんだ。

関連:Bitfinexの暗号資産ハッキング事件、容疑者夫妻の保釈判断分かれる

Google Newsでフォロー
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/05 木曜日
21:35
バイナンス、シグナルプラス連携のAPIキー全削除 利用者への影響なし
Binanceは5日、シグナルプラスに紐づくAPIキーをすべて削除したと発表した。自社システムへの影響はなく資産は安全としており、仮想通貨デリバティブ大手Deribitも同様の対応を取った。
18:00
バイデン前米大統領の次男に聞くミームコイン「LAPTOP」 透明性の設計と民主党への提言
日本語:バイデン前米大統領の次男ハンター・バイデン氏がCoinPostの単独取材に応じた。ミームコイン「LAPTOP」の透明性設計や予測市場、ローンチ直後の価格急落、民主党への提言、米国の暗号資産規制、日本市場への期待を語った。
17:30
バイナンス、流出資産の約98%補填 準備金証明は44銘柄に拡大
仮想通貨取引所バイナンスは4日、約63億ドル相当が流出した事件で影響額の約98%を補填したと発表した。準備金証明の対象は10銘柄から44銘柄に拡大。凍結額の幅や流出資金の動き、3日公表の初期報告の要点をまとめる。
17:00
米ビットコインマイニング大手2社、計2.3万BTC売却 AIデータセンター投資と自社株買いに活用
米マイニング大手のライオット・プラットフォームズとHut 8が、Q3決算で大量のビットコイン売却を公表した。ライオットはAIデータセンター建設と債務返済に、Hut 8は自社株買いに充当した。
16:18
三菱UFJ銀行やHSBC、JPモルガンなど5社、トークン化金融の標準化団体を設立
三菱UFJ銀行やHSBC、JPモルガンのキネクシスなど5社が4日、シンガポールで非営利団体GL1 Orgを設立した。MAS主導の取り組みを業界主導に移し、ブロックチェーン上のトークン化資産を各基盤で扱うための共通標準の策定と普及を支える。
16:00
バイナンスのハッキング被害、ビットコインへの影響は限定的=米Bitwise投資責任者
米ビットワイズのマット・ホーガン投資責任者は4日付のメモで、バイナンスのハッキングがビットコイン相場に影響しないとの見方を示した。過去最大級10件のハッキング後、ビットコインは上昇と下落が5件ずつだった。
15:45
Coincheckチャットとは?使い方と注意点【2026年】
Coincheck(コインチェック)が2026年11月に始めた「Coincheckチャット」の使い方を解説。できること、投稿のルール、利用するときの注意点まで、国内最大の暗号資産メディアCoinPostがまとめました。
15:30
バイナンス60億ドル流出、韓国政府は対北制裁の議論に至らず
韓国統一省の当局者は5日、北朝鮮の関与が指摘される大手仮想通貨取引所バイナンスの60億ドル超の不正流出をめぐり、政府内で対北制裁の議論はまだ始まっていないと明らかにした。FBIの断定や金与正氏の否定談話とあわせて経緯を整理する。
15:00
ヘイズ氏、AI大型IPOの希薄化に警鐘 ビットコインなどへの波及を予想
BitMEX共同創業者のアーサー・ヘイズ氏が、SpaceXやアンソロピックなどAI大型IPOのロック解除による希薄化を警告。株価低迷がAI関連債の利回り上昇と米銀行の信用縮小を招き、ドル流動性の低下を通じて仮想通貨市場に波及すると分析した。
14:10
英資産運用大手シュローダー、新興国債券ファンドをソラナでトークン化
英資産運用大手シュローダーは4日、新興国債券ファンドのトークン化持分をソラナ上で提供開始した。RWA基盤のセントリフュージと連携し、同社初のソラナ展開となる。現金や短期国債が中心だったトークン化がアクティブ運用の債券戦略へ広がる。
13:35
仏銀行アルケア、ハッキング被害で自社口座から不正送金と発表、仮想通貨に換金の可能性
仏銀行グループのクレディ・ミュチュエル・アルケアは、ハッキングで攻撃者が自社口座から他行へ送金し、仮想通貨に換金した可能性があると説明した。顧客資産への影響はないとしている。
13:05
米SECイノベーション免除制度下で初のトークン化米国株取引、TSV LLC上で実施
ナスダック上場のカントン・ストラテジックは、SECのイノベーション免除の下でトークン化株式の初取引が成立したと発表した。取引はTSV LLC上で実施された。
12:08
イーサリアム耐量子化、EF研究者が2028年完了を目標に
イーサリアム財団の研究者ドレイク氏がDevcon 8で、耐量子・ポストAI移行を2028年12月までに完了させたいとの目標を示した。EF公式期限より1年早い。Glamsterdam後の24カ月で3回のハードフォークを想定する。
11:30
ソニー銀行、デジタル証券の委託先に不正アクセス 顧客621人分の情報漏洩
ソニー銀行は、セキュリティトークン(ST)事業の委託先セキュリタイズ・ジャパンへの不正アクセスで、顧客621人分の情報が漏洩したと発表した。デジタル証券の取引は停止中。同じ委託先を使う丸井グループやNTTデータも漏洩を公表している。
11:30
バイナンス流出被害後のセキュリティ需要高まる、Blockaidに63億円投資確約
メタディスクリプション(120文字以内):セキュリティ企業のブロックエイドが4000万ドルの投資確約を取り付けた。バイナンスで63億ドル規模のハッキングが起きたことで、クリプトセキュリティへの投資需要が高まっている。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
重要指標
一覧
新着指標
一覧