CoinPostで今最も読まれています

米司法省、テゾスのステーキング報酬課税に関する訴えを差止請求か=報道

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ステーキング課税が焦点

米国司法省は、暗号資産(仮想通貨)テゾス(XTZ)のステーキング報酬に関する訴訟を差し止めるよう裁判所に通達した。海外メディアBlockworksが報じた。

この訴えは、テネシー州に在住するJoshua Jarrett氏とJessica Jarrett氏の夫婦が、米国内国歳入庁(IRS)対して行っているもの。「未売却(利確前)前のステーキング報酬に対し、所得税を課すのは不当」というのが夫婦の主張だ。

IRSは、日本の国税庁に相当する機関で、連邦税に関する法的執行や徴収が業務。Blockworksは今年2月、IRSが徴収した税金を返還する決定を下したと報じた。同メディアは今回、Jarrett夫婦はこの提案を拒否し、裁判の準備を進めることを決断したと説明している。

関連:NFT電子市場「Rarible」、テゾスのブロックチェーンに対応

Jarrett夫婦は2019年、テゾスのステーキング報酬(8,876XTZ)が課税対象であると通達され、その分の所得税を支払った。この際、報酬分のトークンは売却されていない(夫婦が所有している)状態だった。

そのためJarrett夫婦は、「トークンは販売、あるいは交換されるまで課税されるべきではなかった」と主張。連邦所得税法はステーキング報酬への課税を認めていないとして、所得税(3,293ドル/約37万7,000円)の返還と500ドルの税額控除を求めて、21年5月にテネシー州中部地区連邦地方裁判所訴状を提出した。

ステーキングとは

ステーキングとは、一定量の仮想通貨を所定の期間、ネットワークに預け入れることで報酬が得られる仕組み。PoS(Proof of Stake)のコンセンサスアルゴリズムを採用している通貨で可能

▶️仮想通貨用語集

Blockworksは、IRSは21年12月、Jarrett夫婦に対して所得税の3,793ドルと利息分208.03ドルを返還することを提案したと説明。だが夫婦はこの案を拒否し、裁判を行うことを望んだ。

裁判が開廷された場合、テネシー州中部地区連邦裁判所で行われる見込み。

本件の時系列

  1. 2019年:Jarrett夫婦、XTZステーキング報酬に課税された所得税を支払う
  2. 21年5月:同夫婦が、未売却(所有状態)のトークンに対する所得税の課税は不当だとして、IRSを提訴。
  3. 21年12月:IRS、所得税と利息の返還を提案。夫婦は提案拒否して提訴へ
  4. 22年2月2日:IRSが所得税返還の提案を行う
  5. 22年3月2日:米国司法省が、本件を退けるよう裁判所に通達

PoS関連団体もコメント

Jarrett夫婦の訴えは、ステーキング報酬の税務上の扱いに大きく影響を与えるとして、各方面から注目を集めている。

プルーフ・オブ・ステーク(PoS)の普及を推進する団体で、今回の裁判の支援も行っている「プルーフオブステーク同盟(POSA)」は、2月に以下のようなコメントを公開している。

POSAとその連合は、訴訟を継続するというJarrettの決断を称賛する。

IRSからの還付の申し出を拒否し、同じ立場の何百万人もの納税者が、自信を持って将来を計画できるようになる判決が下される可能性を切り開いた。

米国では、同種の資産を交換した場合、その資産の売却時まで課税対象とならないという制度が採用されている。仮想通貨については、2017年の税制改革によって、この「同種交換(Like-Kind exchange)」のルールが適用されないことが決定された。

関連:米内国歳入庁(IRS)が税の返還承認か、ステーキング報酬に対する課税タイミングが焦点に

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
11/06 水曜日
12:24
米大統領選の影響でビットコイン高騰、過去最高値更新で75000ドル(約1200万円)に
仮想通貨ビットコインは、米大統領選の開票速報でドナルド・トランプ優勢が伝わると過去最高値を更新するなど高騰。75,000ドル(約1200万円)に達した。
12:00
マイクロストラテジーのビットコイン戦略、成功の条件は? CoinShares分析
仮想通貨投資企業CoinSharesのアナリストが、マイクロストラテジーのビットコイン購入計画の成功条件を分析した。3つの面から課題を指摘している。
11:15
メルカリ、仮想通貨取引収益が9倍増に 2024年7~9月期決算
メルカリの2024年7~9月期決算で仮想通貨取引収益が前年比9倍に。ビットコイン取引サービスは開始1年で利用者200万人を突破している。
10:10
マウントゴックス、ビットコイン3500億円相当を移動
Arkhamは、2014年に経営破綻した仮想通貨取引所マウントゴックスが3,500億円相当のビットコインを移動したと報告。新たに弁済を実施する可能性がある。
08:15
初の仮想通貨PYTH投資商品、欧州15ヶ国で利用可能に
米大手資産管理会社VanEckは11月5日、Pyth NetworkのネイティブトークンであるPYTHのパフォーマンスを追跡する上場投資証券(ETN)を欧州で上場した。
07:10
米大統領選後のビットコイン、値動きは2016年に類似か
CryptoQuantは、仮想通貨ビットコインのファンダメンタルズは過去の米大統領選と同水準の強さであるとの見方を示した。今年のこれまでの値動きは2016年に類似しているとも述べている。
06:35
金融庁法改正検討、海外仮想通貨取引所の資産流出リスクに対応=報道
金融庁は、外国に本社を置く仮想通貨交換業者の破綻時に国内資産が海外へ流出するリスクを抑制するため、資金決済法の改正を検討中。
06:20
ポリマーケットの支払いに保留の可能性、AP通信やNBCが米大統領選の勝者で合意しない場合
仮想通貨利用の予測市場ポリマーケットの支払いルールによると、AP通信、フォックスニュース、NBCの3社が同一候補者の勝利を宣言しない限り、結果確定とはならない。
05:55
ビットコインのマイニング難易度、初の100兆突破
仮想通貨ビットコインのマイニング難易度が11月5日、初めて100兆を突破し、新たな記録を達成した。
11/05 火曜日
14:46
米上場企業セムラーサイエンティフィックのビットコイン買い増しが判明、 保有量1058BTCに
米医療機器メーカーのセムラーサイエンティフィック社がビットコイン 47BTCを追加購入。総保有数1,058枚に到達した。
14:28
XRP ETF申請などの影響で機関投資家の関心が継続=米リップル社Q3レポート
米リップル社は、仮想通貨XRPに関する2024年第3四半期の市場レポートを公開。法的にはXRPの非証券性が確立していると強調し、新たなXRP投資商品の提供は、機関投資家の関心と需要の高まりを表していると指摘した。
14:15
ビットコイン投資100億円のメタプラネット、グローバル指数『BLOCK』に採用
東証スタンダード上場のメタプラネットが、運用資産7330億円のBLOCK指数に新規採用。1000BTC超を保有する国内最大級のビットコイントレジャリー企業として国際的評価を獲得。マイクロストラテジー、TSMCに並ぶブロックチェーン関連銘柄の仲間入りを果たす。
10:48
英企業カートライト、年金基金のポートフォリオにビットコイン導入へ
英国の年金サービス企業カートライトが、年金基金に仮想通貨ビットコイン投資を導入した。ポートフォリオ分散化などを期待している。
10:27
ドイツテレコム、BTC採掘の実験プロジェクト実施へ
ドイツテレコム子会社Telekom MMSは、余剰エネルギーを活用して仮想通貨ビットコインのマイニングのインフラを運営する試験的なプロジェクトの実施を発表。今後のエネルギープロジェクトのためにデータや情報を提供する。
11/04 月曜日
15:30
ビットコインマイニングで生産コスト高騰が深刻化=CoinSharesレポート
CoinSharesは最新レポートで、ビットコインマイニングの収益が下落する中、難易度が上昇し、生産コストの高騰が深刻化していると指摘した。減価償却や株式ベースの報酬を含めると、1BTCあたりの平均生産コストは96,100ドル(約1,460万円)に達する可能性がある。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧