はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

米内国歳入庁(IRS)が税の返還承認か、ステーキング報酬に対する課税タイミングが焦点に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ステーキング報酬への課税

暗号資産(仮想通貨)のステーキング報酬に対する課税をめぐり、米内国歳入庁(IRS)に訴状を提出したテネシー州の夫婦の主張が認められ、徴収された税金を返還する決定が下されたようだ。米メディア「Blockworks」が2日、情報筋の話として伝えた。

このケースは、ステーキング報酬の税務上の扱いに大きく影響を与える判断となるため、注目が集まっている。

なお、IRSは日本の国税庁に相当する米政府の機関。米財務省に所属する組織で、連邦税に関する法的執行や徴収を行っている。昨年9月に発表された、今年6月30日までの会計年度に優先すべきガイダンス計画には、仮想通貨の税務報告が含まれている。

ステーキング

ステーキングとは、一定量の仮想通貨を所定の期間、ネットワークに預け入れることで報酬が得られる仕組み。PoS(Proof of Stake)のコンセンサスアルゴリズムを採用している通貨で可能。

▶️仮想通貨用語集

関連:米IRS、仮想通貨の税務報告に関するガイダンスを優先へ

ステーキング報酬は所得にあらず

テネシー州在住のJoshua Jerrett夫妻は昨年5月、ステーキングで獲得した8,876Tezosに対する2019年課税年度分の所得税、3,293ドル(約37万7,000円)の返金を要求する訴状を、テネシー州中部地区連邦地方裁判所に提出した。

同夫妻は、所有トークンとコンピュータの計算能力を利用するステーキング活動を通して「新たな資産を創造した」だけであり、所得を得たわけではないと主張。ステーキングを作家の執筆活動やケーキ職人のケーキ作りに、ステーキング報酬であるTezosトークンを、活動の産物である小説やケーキに例えた。

作家が創作した小説を、また職人が焼いたケーキを売って対価を得て初めて、その所得に対し課税が発生するのと同様、連邦所得税法では、ステーキング活動を通して作成された新たな資産(トークン)を所得と見なして課税することは認められていないと訴えた。

ステーキング報酬である8,876Tezosはウォレットに保有されたままで、当該課税年度中に交換・売却された事実もないことも申し添えられている。

関連:仮想通貨ステーキングとは|初心者でもわかる「報酬」の仕組み

仮想通貨は資産

訴状では法的背景として次のような点が指摘された。

  • 連邦税法で仮想通貨は「資産」として扱われる
  • 仮想通貨の税務上の扱いを特別に定めた、内国歳入法または同法に基づく条項が存在しない
  • 連邦税法上、納税者自身が創造した新たな資産は所得と見なされない

Jerrett夫妻に所得税納入の義務が生じるのは、トークンを売却、または交換した時点だと訴状はまとめている。

英国の場合

一方、英国の歳入関税庁(HMRC)は昨年3月、新たな仮想通貨の課税ガイダンスで、初めてステーキングの扱いについても言及。活動の程度、関連組織、リスク、商業性等の要因を検討した上で、課税対象となる可能性が指摘された。

ステーキング報酬を仮想通貨として保有している場合は、売却時にキャピタルゲイン税や法人税が発生する場合も考えられるとのことだ。

関連:英国が仮想通貨の新課税ガイダンス発表、ステーキングの取扱も掲載

仮想通貨同士の交換は課税対象

米国では同種の資産を交換した場合、その資産の売却時まで課税対象とならないという制度がある。しかし、2017年の税制改革によって、2018年以降の仮想通貨の取引についてはこの「同種交換(Like-Kind exchange)」のルールが適用されないことになった。その後、2019年11月には、この方針が2018年以前にも適用されると発表された。

仮想通貨同士の交換、例えばビットコインとアルトコインの交換は課税対象として処理される。

関連:18年以前の「仮想通貨間取引」も免税措置受けれず 米IRSが規則を厳格化

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/18 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、企業のETH大量購入やアーサー・ヘイズのBTC100万ドル到達予測など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
12:49
UPCXが2025 Tokyo E-Prixスポンサーに 次世代決済とFanlinkの可能性を解説
UPCXが「2025 Tokyo E-Prix」のスポンサー契約を発表。世界標準決済を目指すブロックチェーンプラットフォーム「UPCX」と、ファン支援サービス「Fanlink」の特徴をCEO中野誠氏が解説した。秒間10万件の処理能力やグローバル展開の展望とは?
11:00
週刊仮想通貨ニュース|メタプラネット株価1340円到達の可能性に高い関心
今週は、仮想通貨ビットコインの専門家アダム・バック氏によるメタプラネットの株価試算、資産運用会社によるイーサリアム価格急騰の要因分析、空売り投資家ジム・チェイノス氏の投資戦略に関するニュースが最も関心を集めた。
05/17 土曜日
14:00
アブダビ政府系ファンド、ビットコインETF買い増しで保有額750億円突破
アブダビのムバダラ・インベストメントが第1四半期にブラックロックのビットコインETFを49万株追加購入。ゴールドマン・サックスは最大保有者として3000万株を保有。
13:05
ビットコインETFフェイクニュース事件、犯人に懲役14か月の判決
米SEC公式Xアカウントを乗っ取り、ビットコインETFについてのフェイクニュースを流した26歳の被告に懲役14か月の判決が下りた。偽情報で仮想通貨市場を混乱させたことが重大視された。
12:43
史上最高値を試すのは時間の問題か、米中貿易緩和も上値トライ失敗|bitbankアナリスト寄稿
米中関税115%引き下げ合意やインフレ指標下振れもビットコイン上値を抑える展開。アリゾナ州知事の暗号資産準備金法案への拒否権行使も影響。短期筋による損切り送金増加で売りをこなした可能性。史上最高値トライは時間の問題か。bitbank長谷川アナリストが週次相場分析を解説。
11:00
ビットコイン長期保有数1437万BTCに到達も、利確売り強まる=アナリスト分析
ビットコインの長期保有者が3月から5月にかけて利益確定を加速。支出利益率は71%増加し227%の平均リターンを記録。長期保有量は1437万BTCに達するも、市場サイクルの分配フェーズへの移行を示唆。
10:10
トランプ家のWLFI、民主党議員による調査要請を正式拒否
トランプ一族の金融企業WLFIが上院による調査を拒否した。政治的動機と批判し、同社は説明責任や米ドル優位性を指針としていると主張。倫理規定違反の疑惑なども否定している。
09:02
ETH・BTC比率が5年ぶり急騰、アルトシーズンの到来示唆か
イーサリアム/ビットコイン(ETH・BTC)価格比率が過去5年最低水準から38%急反発。ETFによる買い増し、取引所流入減少などの指標から需要増加・売却圧力低下が鮮明に。「極端な過小評価ゾーン」からの回復が示すアルトコインシーズン到来の可能性を分析。
07:50
ビットコインで利回り獲得、Solvがアバランチ基盤の新トークン発表
仮想通貨ビットコインの保有者にRWAの利回り獲得手段を提供するため、Solv Protocolはアバランチ上にSolvBTC.AVAXをローンチ。ローンチの目的や仕組みを説明した。
07:30
10億ドルのビットコイン投資を検討、米上場のシンガポール医療企業
シンガポールの医療企業バーゼル・メディカル・グループが10億ドル規模のビットコイン投資に関する交渉を開始。ストラテジー社に続く大規模企業BTC投資の新事例として注目される中、「革新的な株式交換契約」を通じてアジア医療企業最強の財務体質構築を目指す。
06:45
米裁判所、SECとリップルの和解案を「手続き上不適切」として却下 再申請へ
米連邦地裁がSECとリップルの和解申請を「手続き上不適切」として却下。民事訴訟規則違反が原因で、両者は適切な手続きでの再申請を迫られる状況に。
06:25
イーロン・マスクの『Kekius Maximus』切り替えでミームコインが2倍以上急騰
イーロン・マスク氏がツイッターのプロフィール画像とユーザー名をミームトークン「Kekius Maximus」に変更し、関連トークンが2倍以上急騰。昨年の900%上昇・急落事例に続くマスク氏のSNS活動による仮想通貨市場への影響力を示す展開に。
06:05
サウジ中央銀行、15億円相当のストラテジー株保有でビットコインに間接投資
サウジ中央銀行がセイラーのストラテジー社の株を25656株取得し仮想通貨ビットコインへの間接投資を開始したことが確認された。
05/16 金曜日
17:00
マスクネットワークとは?仮想通貨MASKの買い方・取引所まで徹底解説
Mask NetworkはSNS×Web3をシームレスに接続するSocial-Fiプラットフォーム。本記事では特徴とMASKトークンの買い方を初心者向けに解説します。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧