米IRS、仮想通貨の税務報告に関するガイダンスを優先へ

IRSが優先して取り組むガイダンスを発表

米内国歳入庁(IRS)は9日、2022年にかけて暗号資産(仮想通貨)の税務に関するガイダンスへの取り組みを優先する意向を改めて表明した。

IRSは、2021年7月1日から2022年6月30日までの会計年度について、優先するガイダンスの計画書を発表。米財務省(IRSの上位機関)のリソースを配分する上で優先順位の高い193のガイダンスプロジェクトを列挙している。

こうしたガイダンスを発行すべきプロジェクトの1つとして、「税務管理」の部門で「§6045に基づく仮想通貨の報告に関する規制案」も取り上げられた格好だ。計画書はガイダンス名を箇条書きで示すものであり、具体的に、規制案の内容がどのようなものになるのかは示されていなかった。

IRS(米内国歳入庁)とは

アメリカ合衆国の政府機関の一つ。米財務省に所属する組織で、連邦税に関する法的執行や徴収を行っている。日本では国税庁に相当する。

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IRSは、実際に個々のガイダンスを作成する時には、広く意見を募りたいとして次のように述べている。

ガイダンスは、その規則の対象となる納税者や実務家の見識や経験を反映してこそ、うまく機能するものにできる。このため、年度中にガイダンスを作成する際には、引き続き意見や提案を寄せてほしい。

なお、計画書に記載されたプロジェクトは、IRSが重点的に取り組むべきものだが、特にガイダンスを発行する期限は定められていない模様だ。

ブローカーの税務報告に関するガイダンスか

前年度にも「§6045に基づく仮想通貨の報告に関する規制案」は優先事項として挙げられていた。

合衆国法典の§6045は、様々な顧客資産の取引に関わるブローカー事業者の税務報告に関する規則である。この規則によると、従来型資産の取引所は、ユーザーとIRSにユーザーの年間取引活動を記載した様式を送付する必要がある。

仮想通貨取引所の中にも、可能な時には税務報告様式を提出しているところもある。ただ現時点では、仮想通貨の税務報告に関して、取引所に一貫して適用される規則は存在していない。

仮想通貨への課税能力を強化

なお、IRSは現在、仮想通貨に関するリソースを強化しているところだ。2022年会計年度の予算報告書では、仮想通貨・サイバー関連業務を強化するために3,200万ドル(約35億円)の追加予算を要求している。

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IRSのチャールズ・レティグ長官は、仮想通貨に関する税金の申告漏れをなくすことが、タックスギャップ(支払われるべき税金と、実際に支払われた税金の差。後者の方が少ないことが問題になっている)の解消に役立つと指摘した。

また、「ブローカー」に関しては、最近バイデン政権の「インフラ法案」で「仮想通貨ブローカー」に該当する事業者の定義が不明確なことが懸念されている。Bloombergは、米財務省が、「ブローカー」を仮想通貨取引所など税務報告に適した事業者にのみ適用するガイダンスを提供する見込みと報道したが、まだ状況は不透明だ。

この報道と、今回計画書に挙がった仮想通貨に関するガイダンスの関係性は不明確である。しかしどちらにせよ、IRSが「§6045に基づく仮想通貨の報告に関する規制案」に着手する際には、どのような事業者が「ブローカー」とみなされるのか定義する必要が生じそうだ。

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