はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

米IRS、仮想通貨の課税能力強化を目的に2022年度予算増額を求める

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨の課税強化に35億円

米内国歳入庁(IRS)が、煩雑化する暗号資産(仮想通貨)の課税プロセスを整備・強化するため、2022年の会計年度で約3,200万ドル(約35億円)を要求していることが分かった。

連邦税に関する執行・徴収を司るIRSは、仮想通貨とサイバー犯罪に特化した執行予算の拡大を求めており、特に外部の専門家からサポートを得ることに大きな重点を置いている。

IRSは、2022年会計年度に合計132億ドル(約1.4兆円)を要求しており、これは2021年会計年度と比較して12億ドル(約1,300億円)の増加。IRSの2022年度の予算計画書には、仮想通貨取締りを強化するための具体的な方法が記載されている。

予算の内訳

仮想通貨やサイバー捜査部門が求める約3,200万ドルの用途としては、IT専門家の報酬や、仮想通貨・ブロックチェーン分析などに使うハードウェアやソフトウェア、また請負業者への報酬を挙げた。特に請負業者への予算は2,300万ドル(約25億円)と大きな割合を占める。

予算は、仮想通貨の税務コンプライアンス強化のための「One-IRS アプローチ」を確立するためにも使用される予定だ。これは、担当部門が、IRSの他の部署と提携して、不正な金融活動パターンの識別や監視を行うことを可能にする。

さらにIRSは請負業者を雇用して、仮想通貨に関連する税金の不履行や違法行為に関する手がかりを積極的に収集。これらの業者は、IRS内に戦略的に配置され、トレーニングを受けたり専門知識を学ぶ機会が得られるという。

計画書によると、請負業者の業務範囲を拡大していき、毎年予算投資に対するパフォーマンスを評価して、契約を継続するかどうか決定する見込みだ。

その他に予算は「STRIKES」という名前の仮想通貨・ブロックチェーン分析システムを構築することにも使われる。これは既存製品の長所を組み合わせることで機能強化するシステムで、IRSの他の部署でも活用が期待されるものだ。

また分析業務、サイバー犯罪、捜査サポート、コンサルティングなどについて民間の専門家に支援を求める際にも予算が活用される。

バイデン政権の意向

IRSの仮想通貨関連の予算増額は、米国政府の全体的な意向にも沿うものだ。バイデン政権は、仮想通貨課税への取り組みを、タックスギャップ(政府に支払われるべき税金と実際に支払われた納税額の差。後者の方が少ないことが問題になっている)を埋めるという広い文脈に位置付けている。

4月にIRSのCharles Rettig長官は、仮想通貨の報告義務を強化することもタックスギャップ解消の大きな助けになると述べていた。

これに関しては、Rob Portman上院議員も「税務において仮想通貨を定義し、適切な報告ルールを提供するための法案」を構想中だと明らかにしている。この法案は4月時点でまだ構想の初期段階だった。現在もまだ具体的な動きは報告されていない。

関連米IRS長官が仮想通貨に言及、新法案で申告漏れ対策を模索

報告様式統一も検討

IRSは、仮想通貨仲介業者に対して、税務報告の統一された枠組みを設けることも考慮している。計画書は、金融機関の口座に対するものと同様の報告要件が仮想通貨取引所やカストディアンにも適用できると述べた。

仮想通貨の購入コストを記録して損益を算出する報告様式1099Bが採用されるものとして有力候補だという。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/02 水曜日
13:45
トランプ大統領、イーロン・マスクに対する批判を再び展開、 『大きく美しい法案』巡る対立が再燃
「大きく美しい法案」をめぐり、トランプ大統領とイーロン・マスク氏の対立が再燃している。マスク氏の痛烈な法案批判に対し、トランプ氏は、マスク氏が率いる企業の政府補助金受給について政府効率化局(DOGE)で調査すべきと発言し、かつて盟友だった両氏の関係は緊迫感を増している。
13:20
アリゾナ州知事、押収仮想通貨の準備基金法案『HB2324』を拒否権行使
アリゾナのホブズ知事が犯罪捜査で押収した仮想通貨管理法案を拒否。地方自治体の協力阻害を懸念と声明。
11:45
パクソス、ステーブルコインUSDGを欧州全域でローンチ サークルとの競争激化
パクソスが米ドル建てステーブルコインUSDGをEU全域で発行開始した。MiCA規制に準拠している。合計30か国に展開しており、ステーブルコイン時価総額ランキングでは15位だ。
11:10
ナスダック上場DeFi Development Corp、1億ドル転換社債発行 ソラナ蓄積戦略を拡大
米初のソラナ準備金戦略企業DeFi Development Corpが1億ドル転換社債の私募発行を発表。調達資金でSOL購入継続、バリデータ運営による複利成長を目指す。
10:50
上場企業のビットコイン購入量24万BTC超えも、価格には反映されず その理由は?
2025年上半期に世界の上場企業が仮想通貨ビットコインを24万5510BTC購入しETF保有数の2倍超。前年同期比約5倍増でマイクロストラテジー戦略が拡散、企業準備金としての位置づけが確立された。
10:30
米SEC、仮想通貨ETFの上場基準を策定か 審査迅速化に期待
米証券取引委員会が、ビットコインなど仮想通貨ETF向けの汎用上場基準策定を検討していると伝えられる。19b-4様式省略により審査迅速化が期待される。
10:20
ETH1万ドル到達は『義務』と表明、イーサリアムに新組織誕生
仮想通貨イーサリアムに、イーサリアムコミュニティ財団という新たな組織が誕生。公式サイトで、イーサリアムの価格に特化した組織であると説明している。
07:55
NYSE上場DDCが760億円調達完了、ビットコイン準備金戦略を本格始動
アジア食品ブランド運営のDDC EnterpriseがNYSE上場企業として最大規模の仮想通貨専用資金調達を実施。Anson Fundsらから総額5億2800万ドルでビットコイン準備金構築へ。
07:25
XRP戦略推進へ、ナスダック上場のWebusが1億ドル調達合意
ナスダック上場のWebusがリップル・ストラテジー・ホールディングスと1億ドルの資金調達契約を締結。仮想通貨XRPを活用した事業戦略推進により株価が日中130%上昇も最終的には8%反落。
07:15
「ビットコインが25年に20万ドルへ到達するとの予測は維持」Bitwise
仮想通貨運用企業Bitwiseは、2025年の10の予測に対する中間評価を公開。ビットコインが20万ドルに到達するとの予測は維持することなどを記載した。
06:50
ストラテジーのビットコイン循環戦略、NAV超プレミアムを正当化か=TD Cowen分析
ストラテジーの株価は純資産価値(NAV)を大きく上回って推移。継続的な株式発行が1株あたりのBTC保有を押し上げる構造が、投資家の注目を集めている。アナリストはその持続性とリスクに着目している。
06:12
ビットコイン利確が加速 第3四半期は過去最弱の季節性=アナリスト分析
仮想通貨ビットコインの利確が進む一方、市場は方向感に欠ける展開。第3四半期は過去最弱の季節性もあり、アナリストは地政学リスクや米金融政策の不透明感に警戒を示している。
05:50
トランプ大統領の「大きく美しい法案」上院可決も、仮想通貨少額免税案は見送り
トランプ政権が推進する大型予算法案に、仮想通貨の少額免税や報酬課税見直しの修正案は含まれず。ルミス上院議員は今後の再提出を示唆し、業界団体もロビー活動を継続する構え。
05:37
米SEC、ビットコインやXRPに投資するグレースケールの仮想通貨ファンドETF化を承認
米証券取引委員会(SEC)は、グレースケールのバスケット型ファンドのETF転換を加速承認。構成資産の約8割をビットコインが占めており、今後の仮想通貨ETF全体に追い風となる可能性も。
07/01 火曜日
18:07
仮想通貨ビットコインの長期投資【初心者向け】ドルコスト平均法でかんたん積立
「投資でどのタイミングで購入すれば良いか分からない」という疑問は多い。ビットコインなど仮想通貨投資初心者でも、リスク回避をしつつリターンを見込めるドルコスト平均法とは。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧