欧州委員会、対ロシア制裁で仮想通貨を証券に分類

制裁の上で仮想通貨を「証券」に分類

欧州委員会(EC)は9日、ロシアのウクライナ侵攻に関してロシアとベラルーシに対する制裁の拡大を発表。その上で、暗号資産(仮想通貨)については「証券」という分類に当てはめて措置の対象にするとしている。

ECは、公式声明で次のように述べた。

欧州連合(EU)は、仮想通貨を含むあらゆる手段で融資や信用供与が可能であるという共通認識を確認。仮想通貨を明確に含むように「譲渡可能証券」の定義をさらに明確化した。これにより、すでに実施中の制裁が、より適切に施行されることを確実にする。

ECは今回、ウクライナ侵攻に関与しているとして、ベラルーシへもロシアと同様の制裁措置を行い、ベラルーシを経由したロシアの制裁回避を防止することを掲げた。また、新たにオリガルヒ(新興財閥)など160人の個人を、制裁リストに追加している。

EUの財務大臣会合は2日、経済制裁を逃れようとするロシアの動きを警戒して、仮想通貨を利用する動きに対策を講じる計画を明らかにしていた。

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今回ECは、明確に制裁対象とするため仮想通貨が「譲渡可能証券」に含まれると分類した格好だ。一方で現在、EUの仮想通貨規制案「MiCA」の中では、こうした分類はされていない。

MiCAとは

Market in Crypto Assets(仮想通貨市場規制案)の略。EUが2020年9月に発表した包括的な仮想通貨規制案である。

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EUの仮想通貨規制案は来週投票へ

MiCAについての投票は2月末を予定していたが延期されている。8日、欧州議会のStefan Berger氏は、経済通貨委員会が3月14日に法案の最終版を採決すると発表した。

経緯としては、当初の草案に「環境的に持続不可能なコンセンサスメカニズム」を基盤とする仮想通貨サービスの提供を禁止することが盛り込まれていたことがある。

このため、電力消費の多いPoW(プルーフオブワーク)アルゴリズムに基づくビットコイン(BTC)などの仮想通貨が、EU加盟国で禁止になるのではと懸念が広がった。

その後、こうした懸念を受けて投票は延期され、投票実施前に、草案から該当箇所が削除された格好だ。この際、Berger氏は「MiCAがビットコインの事実上の禁止だと誤解されないことが肝要だ」と述べていた。

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Berger氏は新たな投票日の発表にあたり、MiCAによって「EUが仮想通貨の分野で、イノベーション、消費者保護、法的確実性、信頼性の高い監督システムの構築をリードしていける規制が誕生する」と語った。

環境への配慮については、「仮想通貨も他の金融商品と同様にタクソノミーの分野に含める」ことを提案している。

EUは、企業の経済活動が地球環境に関して持続可能なものであるかを判断し、グリーンな投資を促す「EUタクソノミー」という仕組みを有している。企業などに、この基準に適合する事業の公開を求め、環境負荷の少ない方向性に向かいやすくするものだ。

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