はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

カナダ中銀、米MIT大とCBDC共同研究で合意

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

カナダ銀行がMITと共同研究

カナダの中央銀行にあたるカナダ銀行は16日、米マサチューセッツ工科大学(MIT)と中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関する共同研究を行うと発表した。

カナダ銀行は今後12カ月間にわたり、MITメディアラボのデジタル通貨イニシアチブ(MIT DCI)と協力し、先端技術がCBDCの設計に及ぼす影響について探っていくという。

MITとの共同プロジェクトは、CBDCがどのように機能するのかを技術的な側面から判断するためのものであり、カナダがCBDC導入に踏み切るかは決定されていないと、カナダ銀行は強調。プロジェクト終了後に、研究の知見とその成果を発表すると述べた。

CBDC

CBDCとは、各国・地域の中央銀行が発行するデジタル化された通貨を指す。
仮想通貨との大きな違いは、CBDCは法定通貨であること。通貨の管理や決済等においてコスト削減や効率性向上が期待できる一方で、個人情報やプライバシーの保護、セキュリティ対策、金融システムへの影響など考慮すべき課題は多い。

▶️仮想通貨用語集

カナダ銀行とCBDC

カナダ銀行は2020年2月、「CBDCに関する危機管理計画」を発表。当時、CBDCを立ち上げる予定はないが、貨幣価値の維持と国民への貨幣供給の責任を担う立場から、不測の事態に備えるイニシアチブの一つとして、一般向けにCBDCを発行可能な体制を整えることが重要だと主張した。

カナダ銀行は以下のような場合に、CBDCが有益、もしくは必要になる可能性が高いとしている。ただしCBDCの発行は、経済と金融システム、中央銀行の業務に広範な影響を及ぼすと考えられることから、CBDCを導入するか否かの決定は、代替政策を検討したのちに行われると強調した。

  • カナダ銀行が発行する現金(銀行券)の使用が減少し続け、幅広い決済に利用することが難しくなった場合
  • 民間発行のデジタル通貨がカナダドルの代替手段として、決済、価値の保存、勘定単位として、広く使われるようになった場合

さらに、CBDCの発行体制を整備するための重要なステップとして、決済領域の発展状況の監視や評価に加え、政策目標の明確化、国民や利害関係者とのコミュニケーション、民間および公共機関と協力した技術研究の促進を取り上げている。

カナダ銀行は2020年、技術研究の一環として国内大学の三つの独立したプロジェクトチームに、CBDC設計の設計に関するアイディア提供を委託。そして昨年2月には、カルガリー大学などのプロジェクトチームがそれぞれの研究報告を公開した。

今回のMITとの共同プロジェクトは、技術面におけるCBDC発行に向けての布石の一つと考えられる。

ボストン連銀とのプロジェクト

MITメディアラボは、日本銀行を含む数カ国の中央銀行と協力して学術研究を行なっている。その際には、それぞれの国の経済事情や金融状況を理解することに努め、研究に取り入れているという。

MITメディアラボが公開した中央銀行は以下の通り:

  • カナダ銀行
  • 欧州中央銀行
  • 米連邦準備銀行
  • 日本銀行
  • オランダ中央銀行
  • シンガポール金融管理局

MIT DCIは米ボストン連邦準備銀行と、2020年からCBDCの共同研究を進めてきた経緯がある。この共同研究は「プロジェクト・ハミルトン」と呼ばれ、先月最初の研究結果が発表された。研究チームは、プロジェクトで使用されたソフトウェアのコード「OpenCBDC」をgithubで公開し、一般からの貢献を呼びかけている。

カナダ銀行との共同研究は、プロジェクト・ハミルトンをはじめ、MITがこれまでに得た知見を基盤に進められるという。

関連:米ボストン連銀とMIT、CBDC構築のソフトウェアを一般公開

日本におけるCBDC

日銀は昨年1月にCBDCの取り組み方針を発表。同年4月から実証実験を開始した。

日本銀行の黒田東彦総裁は1月28日に開催された衆議院予算委員会において、CBDCの発行の可否についての質問に対し、「個人的には2026年までに判断できると思う」と回答している。

関連:日銀総裁「デジタル円の発行可否は2026年までに判断可能」

先月、財務省は国内版のCBDCとなるデジタル円導入に向け、今年7月にも貨幣発行担当専門職員の人員強化を行うことが報じられた。法改正を念頭に、金融庁と日銀との緊密な連携を図ることになるという。

関連:財務省、中央銀行デジタル通貨(CBDC)対応の人員強化へ 

関連自民党の藤末健三議員、財政金融委員会でNFTについて質疑 経産省から前向きな回答も

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
14:23
ビットコインは持続的上昇局面に?4年サイクル論争と機関投資家の影響力
Bitwise CIOマット・ホーガン氏が「ビットコインの4年サイクルは終焉し、持続的上昇局面に入った」と主張した。ハーバード大学など大手機関がBTCを保有し、個人投資家から機関への資産移転が進行。ボラティリティ低下の理由と、「階段を上りエレベーターで降りる」値動きパターンを専門家2人が詳しく解説。
13:35
AIや仮想通貨のショッピング活用進む Z世代が牽引か=Visaレポート
決済大手ビザの調査で、ショッピングにAIツールや仮想通貨を利用する消費者が増加していることが判明。特にZ世代が牽引していた。ステーブルコイン送金への関心も高まっている。
09:44
スベルバンク銀、ロシア初の仮想通貨担保ローン発行
ロシア最大の銀行スベルバンクが同国初の仮想通貨担保ローンを発行した。ビットコインマイニング企業に融資し、デジタル資産担保の仕組みを検証している。
12/28 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、MTGOXハッキング容疑者関連のBTC送金やearnXRPローンチなど
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン年末相場、値頃感から買い戻し期待も|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコインは方向感に欠け1400万円周辺で推移。26日のオプションカット通過後の動向が注目される。底入れには12月高値9.4万ドルの回復が条件だが、割安感から買い戻されやすいとbitbankアナリストが分析。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|Bybitの日本居住者向けサービス終了発表に高い関心
今週は、大手仮想通貨取引所Bybitの日本居住者向けサービス終了の発表、仮想通貨市場の調整局面、日銀の植田和男総裁の講演に関する記事が関心を集めた。
12/27 土曜日
14:00
ジーキャッシュのシールドプール供給シェアが23%で安定、プライバシー採用が定着
仮想通貨ジーキャッシュのシールドプール供給の市場シェアが2025年初頭の約8%から23%前後で安定している。プライバシー採用指標は依然として安定しておりプライバシー保護取引への持続的な関心を示している。
13:25
金融庁、仮想通貨ETFの導入に向けた税制改正──暗号資産取引の課税見直しと新たな可能性
金融庁が2026年度税制改正の資料を公開した。暗号資産取引を総合課税55%から申告分離課税20%へ変更することに加えて、ETF解禁や繰越控除などについても挙げられた。
11:10
KLab、ビットコインとゴールドを購入開始 「岐路に立つBTC」と分析
東証プライム上場のKLabが25日にビットコインとゴールドの購入を開始。AIを活用した市場分析レポートの不定期発刊も開始した。
10:05
ミームコイン市場は2025年に60%下落、「TRUMP」発行から始まった一年を振り返る
ミームコイン市場は2025年に60%下落した。トランプ氏による独自仮想通貨「TRUMP」発行や、ドージコインETF誕生など変化の激しかった一年を解説する。
09:10
イーサリアム、2026年の主要アップグレードで並列処理とプライバシー機能強化へ
仮想通貨イーサリアムが2026年に2つの大型アップグレードを計画している。Glamsterdamは並列処理とガスリミット拡大で性能向上を、Hegotaはプライバシー保護と検閲耐性の強化を目指す。
07:45
BNBチェーン、Fermiハードフォークを1月14日実施へ 
BNBチェーンが2026年1月14日にFermiハードフォークを実施する。ブロック間隔を750ミリ秒から450ミリ秒に短縮し、時間依存型アプリケーションへの対応を強化する予定だ。
07:00
プーチン大統領「米政府はザポリージャ原発でのマイニングに関心」
プーチン大統領は、ウクライナにあるザポリージャ原子力発電所で仮想通貨のマイニングを行うことに米政府が関心を持っていると述べたことがわかった。今後の和平交渉に注目が集まる。
06:35
米政府、1月末に再び閉鎖の可能性浮上 仮想通貨市場構造法案の審議に影響も
米政府が1月末に再び閉鎖される可能性が浮上した。再び発生すれば1月に審議入りが予定されている最重要な仮想通貨市場構造法案の議決がさらに延期されてしまう。
06:05
アーサー・ヘイズ氏がDeFiトークン買い増し、3億円以上のLDOとPENDLE
著名投資家アーサー・ヘイズ氏が185万ドルのLDOトークンと97.3万ドル相当PENDLEトークンを追加購入した。イーサリアムを売却して割安なDeFiトークンへの買い増しを加速。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧