はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

自民党の藤末健三議員、財政金融委員会でNFTについて質疑 経産省から前向きな回答も

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「産業振興を進める議論を」

自民党の藤末健三議員は16日、参議院・財政金融委員会にて暗号資産(仮想通貨)やWeb3.0におけるNFT(非代替性トークン)の税制について質疑応答を行った。仮想通貨納税における分離課税の導入や、産業促進の観点から文化庁と経産省への協力を呼びかけた。

藤末健三議員(@fujisue)は、経済産業省や東京大学助教授を経て、2004年に政界進出した参議院議員。ハーバード在学中にはプロボクシングのライセンスも取得するなど独特な経歴を持つ。

また、暗号資産・ブロックチェーン業界に造詣の深い日本維新の会の政調会長である音喜多 駿議員(@otokita)とともにコミケで演説したり、クリエイター支援のための精力的な活動でも業界内外から高い支持を得ている。

関連:音喜多議員インタビュー「国会答弁の手応えと、日本を仮想通貨先進国にするため必要なこと」

先週11日には、自民党の塩崎彰久議員が衆議院の財務金融委員会にて、Web3.0に関する政府の対応について質疑応答を行なった経緯がある。

Web3.0とは

現状の中央集権体制のウェブをWeb2.0と定義し、ブロックチェーン等を用いて非中央集権型のネットワークを実現する試みを指す。代表的な特徴は、仮想通貨ウォレットを利用したdAppsへのアクセスなど、ブロックチェーンをはじめとする分散型ネットワークのユースケースがある。

▶️仮想通貨用語集

自民党では22年1月、党内の「デジタル社会推進本部」がNFT(非代替性トークン)政策検討プロジェクトチームを設立。これを皮切りに国会における仮想通貨・ブロックチェーン及びNFT(非代替性トークン)の将来性について言及するなど、国の成長戦略の一環として取り入れようとする動きが増加している。

関連:「NFTを国の成長戦略に」自民党デジタル社会推進本部・平将明議員インタビュー

財政金融委員会の質疑内容

本日開催された参議院・財政金融委員会では、藤末議員が暗号資産(仮想通貨)やNFTに関する質問を積極的に行なった。

NFT税制法整備について

藤末議員は、「ブロックチェーン技術により、GAFAなど米大手企業によるデータの独占が見られたWeb2.0から、情報の分散管理が可能なWeb3.0というシステムへの移行が可能になった」と評価。その反面、Web3.0領域の一部である「NFTの税制面が十分に追いついていない」と指摘した。

藤末議員は、「日本が、マンガやアニメ、ゲーム業界においてコンテンツ産業が世界に対して価値を提供している」と述べ、「日本のコミック(単行本など)の売り上げが海外市場で5,000億円を突破、アニメーションの売り上げは海外で1兆円規模を超えている」とコメント。

この点を踏まえ、NFTとしてイラストなどの絵をデジタルアートとして販売することで、イーサリアム(ETH)などの仮想通貨決済で世界中に販売することができると説明した。

しかし、NFTにおける煩雑な納税計算が、日本のクリエイターのボトルネックになっている点も指摘。税務署の職員ですら理解が追いついておらず混乱を招く事例もあるとして、税制の整備の必要性について財務省に見解を尋ねた。

これについて、財務省の住澤 整主税局長は、以下のように回答した。

議員がご指摘のNFTにつきましては、従来の暗号資産のように、取引業者が年間における「取引報告書」を納税者に提供して、それに基づいて納税者が申告するという仕組みが(現時点では)整備されていないのが現状でございます。

そのため、NFTを使っている納税者がご自身で納税金額を計算して納税するということで、この対応が難しいとのご指摘かと思います。こういった点については、暗号資産の例なども参考に、関係省庁において申告に関する情報の広報や周知を行なっていただき、納税者の方々が適正に申告できる環境を整備、というのが検討されることが必要と考えております。

国税庁におきましては、NFTの取引にかかる課税関係についてきちんとわかりやすく示そうと、丁寧にわかりやすく周知・広報を行なっていく方向で検討していることと承知いたしております。

仮想通貨の分離課税を提案

これについて藤末議員は、「制度そのものを変えるべき」と指摘。仮想通貨税制の「総合課税から分離課税」への変更と、米国の法案提出事例を参照した少額決済における仮想通貨決済の免税措置の導入を提案した。

住澤整 主税局長

まず、FT(ファンジブルトークン)の一種である暗号資産の取引に係る取引の取得につきましては、外国通貨の為替差益と同様、原則的に雑所得として総合課税の対象になるのが現在の扱いとなります。

上場株式等につきましては、税制の中立性や簡素性、そして執行の適正な確保や貯蓄から投資への政策的要請や機関投資家の投資しやすい税制の構築などの観点から、20%の分離課税が採用されています。

一方、暗号資産の取引による所得に20%の分離課税を採用することにつきましては、給与所得や事業所得などの他の所得とのバランスについて、ご理解を得られるかといったことや、株式のように家計が暗号資産を購入することについて、国として政策的にどういう風に考えていくかといった点について、所管省庁に考えていただいた上での検討が必要であると考えております。

また、米国で暗号資産の少額決済を免税する法案が提出された点についても、非課税措置を講じる必要性について、まず関係省庁においてご検討をいただいた上で、暗号資産から生じた所得と他の所得のバランスなど、課税の公平性との観点を踏まえた検討が必要であると考えております。

関連: 自民党・政策懇談会にJCBA廣末会長らが出席、「仮想通貨の税制要望書」を説明

関連: 国税庁、仮想通貨税制のFAQを改訂

経産省にも呼びかけ

この回答に応じる形で藤末議員は、「経済産業省でWeb3.0に関する議論を進めるべき」と発言。「財務省や財務省、金融庁では(規制官庁であるため)前向きな議論は難しい」と理解を示した上、産業振興の観点から、経済産業省内での検討を求めた。

経済産業省 龍崎孝嗣 大臣官房審議官

ブロックチェーン技術の進展により、暗号資産やNFTを活用した”トークンエコノミー”と称される新たな経済活動が生まれてきておりまして、その結果として、商取引や資金調達の在り方、それから企業組織、強いては産業構造自体が大きく変わり得るという見方もあります。

実際に、インターネット上で提供されるサービス分野では、分散型金融サービスを提供する韓国のスタートアップなど、GAFAMなどの既存プラットフォームを介さずに付加価値を生み出す様々な事業・スタートアップが生まれつつございます。

また、トークンの一部であるNFTは、アートやデジタルコンテンツの市場層図だけではなく、ファッションやスポーツ、地域の観光資源など、リアル資産の価値の顕在化、そして新たな収益分配実現の観点から実用が期待されております。代替性のあるトークンにつきましても、決済手段としてだけではなく、海外のスタートアップでは株式に変わる新たな資金調達手段としても利用され始めております。

一方で、これらの領域は世界的に見ても、非常に新しいものでございまして、その発展に向けて障害となり得る課題が様々あれば、経済産業省としてもしっかり対応する必要があると思ってます。

例えば、ファッションやスポーツの分野では、現在、実証事業を行っておりまして、正当的な課題を含め、整理をしているところでございます。今後とも、こうした新しい動きを”経済成長のチャンス”と捉えまして、民間からの様々な創意工夫を促進していけるよう、関係省庁と連携して取り組んで参りたいと思います。

コンテンツ領域におけるNFT活用

最後に、藤末議員は、コンテンツ分野において搾取されやすいクリエイターが、自身の創造物を直接世界に提供する機会を可能にする”NFT”などWeb3.0領域は「個人をGAFAの楔から解放」するとコメント。優秀な人材や企業の海外流出事例が危惧される中、クリエイター個人への支援の観点から文化庁の見解を伺った。

文化庁 中原裕彦 審議官

ご指摘の通り、近年我が国のコンテンツ分野において、NFTを活用した取り組みが増えており、デジタルアートの署名書を付して流通させ、高付加価値化する取り組みが展開されていると承知しております。

ブロックチェーンを活用することで、デジタルコンテンツの講評や取引機会の拡大などで意義があると考えられる一方で、権利関係が明らかでないコンテンツの流通など、「信頼性」における課題も認識されています。

文化庁としてはこのような課題を認識しつつ、NFTを活用したクリエイターへの収益還元や文化財を活用した地域活性策を含め、文化技術振興の観点から有効な活用策の促進について前向きに検討して参りたいと考えております。

マンガ、アニメ、ゲームは世界に誇る日本文化であるとともに、我が国のコンテンツ産業においても、重要な位置を占めております。

これを支えるクリエイターの支援はご指摘の通り、重要な課題だと認識しております。

なお、藤末議員は上述の平将明議員を座長とするNFT政策検討プロジェクトチームがレポートを策定中であると説明。完成した際には、経産省にも提出すると述べた。

また、経産省はアート・ブロックチェーン企業のスタートバーン株式会社に委託する形で目下NFTを利用した実証実験(ファッション展示会)「SIZELESS TWIN」を実施中。ファッション領域におけるNFT利用を販売する形で、メタバース内でも利用可能な「ユニークピース」を提供する。

関連:バーチャル試着「ALT SKIN」を発表 スタートバーン社主催の展示会に出展

関連:次世代の仮想空間サービス「メタバース」とは|ブロックチェーンとの関係も解説

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
04/22 水曜日
18:19
バイビットが仮想通貨ウォレット狙うmacOSマルウェア攻撃を公表 Claude Code検索が標的
バイビットのSOCが、Claude Code検索ユーザーを狙うmacOS向け多段階マルウェアキャンペーンを公表。SEOポイズニングで偽サイトに誘導し、仮想通貨ウォレット情報などを窃取する手口が判明した。
17:19
申告分離課税の対象銘柄は「限定的になる可能性」 税理士・国会議員が語る制度の課題とステーブルコイン課税の論点|BCCC Collaborative Day
21日開催の第9回 BCCC Collaborative Dayより、暗号資産(仮想通貨)の申告分離課税をめぐる議論をレポート。税理士・国会議員の発言からは、対象となる「特定暗号資産」の定義は未確定で、過去の含み益への適用も確定していないことが指摘された。制度の現状と課題を整理する。
13:45
新作ドキュメンタリー映画「サトシを探して」、21世紀最大の金融ミステリーの真相は?
4月22日公開のドキュメンタリー映画「Finding Satoshi」は、ビットコイン創設者サトシ・ナカモトの正体を特定したと主張する。4年間の調査と法医学的分析、20人以上へのインタビューを経て独自の結論に至った。一方、業界では匿名性の意義を主張する動きもある。
11:30
コア・サイエンティフィック、社債発行で5300億円調達計画 ビットコイン依存脱却へ
仮想通貨採掘企業コア・サイエンティフィックが33億ドルの社債発行を計画。調達資金をAIデータセンター開発資金返済に充当する予定だ。HPCでF1チームとも提携している。
10:40
量子コンピュータ、ビットコインよりPoS銘柄に「追加リスク」か コインベースが提言
コインベース諮問委員会が量子コンピュータリスクの提言書を公開。BTCコアインフラは安全と評価する一方、PoSチェーンのバリデータ署名に追加の脆弱性があると指摘した。
09:50
Kelp DAOハッキングで揺れるDeFi業界、責任の所在から国家レベルの脅威まで議論噴出
Kelp DAOが攻撃を受け446億円相当が不正流出、他のDeFiプロトコルにも問題が波及した。北朝鮮グループの関与が疑われる中、業界でセキュリティをめぐり議論が巻き起こっている。
09:40
米出前大手ドアダッシュ、ステーブルコイン決済を導入 テンポと連携
ドアダッシュがストライプ・パラダイム支援のテンポを通じてステーブルコイン決済を導入。ビザなど大手もバリデーターとして参加し、実需向けステーブルコイン決済の普及が加速している。
09:05
参議院で予測市場が議題に、DEX規制では片山大臣も答弁
参議院の財政金融委員会でブロックチェーン基盤の予測市場が議題に上がった。国民民主党の原田議員が質疑を行っており、他にもDEX規制については片山大臣も答弁している。
08:20
イーサリアム関連団体エーテリアライズ、ETH長期価格目標を25万ドルと設定 大幅下方修正に
イーサリアムの機関投資家向け普及組織エーテリアライズが、ETHの長期価格目標を25万ドルに設定したが、従来の74万ドル予測からは大幅に引き下げられた。金とビットコインの合計時価総額31兆ドルをETHが同等に取り込んだ場合の理論値になる。
07:25
米NY州司法長官、コインベースとジェミニを提訴 予測市場は「違法賭博」と主張
ニューヨーク州司法長官は21日、コインベースとジェミニの「予測市場」が州法に抵触する違法ギャンブルだとして提訴した。総額34億ドルの賠償請求が行われており、連邦規制と州規制の管轄権を巡る対立が深まっている。
06:55
予測市場大手ポリマーケットが仮想通貨永久先物市場に参入予告、カルシも追随
ポリマーケットがビットコインや株式に対して最大10倍レバレッジの無期限先物取引を提供すると発表した。ライバルのカルシも同様の参入を計画しており、予測市場と仮想通貨取引所の競争が新局面に入った。
06:25
次期米FRB議長候補ウォーシュ氏、「仮想通貨は金融界の一部」と発言
米国の次期FRB議長候補のケビン・ウォーシュ氏は上院公聴会で、仮想通貨が金融業界に浸透しているとの認識を示した。利下げを巡る独立性の維持や、承認を阻む共和党内の動向が焦点となった。
05:50
ストラテジー、ビットコインETF『IBIT』を抜きBTC保有首位に返り咲き
ストラテジーが先週34164BTCを新たに取得し、累計815,061BTCでブラックロックのIBITを約1.2万枚上回った。2024年第2四半期以来初の首位奪還となり、STRC優先株式を活用した資本戦略が最近の大量購入を支えている。
05:00
ホルムズ海峡の仮想通貨通航料請求は詐欺か、ギリシャ海事会社が警告=報道
ギリシャの海事リスク管理会社マリスクスが、ホルムズ海峡通航と引き換えにビットコインやテザーの支払いを求める詐欺メッセージが船会社に届いていると警告した。
04/21 火曜日
17:33
スターテイル、デジタル資産分野でアブダビのHub71に採択
スターテイル・グループがアブダビのスタートアップ支援組織Hub71のデジタルアセット部門に採択。ADGMを拠点に中東での事業展開を強化し、規制当局・機関投資家との連携を深める。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧