XP、米ナスダックと技術提携してXTAGE構築
ブラジルの大手オンライン証券会社XPは12日、米大手証券取引所ナスダックの技術を用いて、暗号資産(仮想通貨)などデジタル資産の新しい取引プラットフォーム「XTAGE」を構築すると発表した。
ナスダックは、規制に適合したプラットフォームインフラを提供する予定だ。ナスダックのインフラテクノロジー責任者ローランド・チャイ氏は、次のように説明している。
ナスダックの堅牢で柔軟なインフラ技術は、市場の期待や現在および将来の規制枠組みに沿うように設計されている。これにより、XPの成長と進化に合わせてプラットフォームの規模を拡大し、新しい資産クラスを導入することを可能にする。
公式発表によると、この新たなプラットフォーム「XTAGE」は、2022年第2四半期末(6月末)までに運用を開始する見込みである。
リリース時には、XPのエコシステムに完全に統合される。XPの350万人の顧客が、既存のアプリで直接この取引プラットフォームにアクセスできるようになるという。
XPの調査によると、XPユーザーのうち60%以上が仮想通貨の購入に興味を持っており、すでに仮想通貨に投資しているユーザーの80%以上が、XPの新たなプラットフォームでの取引を希望していた。
「長期的にポテンシャルのあるプロジェクト」
「XTAGE」は、まずビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の取引を提供し、中期的には、市場動向や投資家からの要望に応じて、さらに複数の種類のデジタル資産を取り扱うようにする方針だ。
XPのブルーノ・コンスタンティノ最高財務責任者は、最近の仮想通貨市場の下落については次のように話している。
市場が(価格面で)どこにあるかは、取引所の開設とは無関係だ。「XTAGE」は長期的なプロジェクトであり、そのポテンシャルは非常に大きい。
また、XPのルーカス・ラベチーニ金融商品部長も、長期的なプロジェクトとしてナスダックとも提携して展開していくと話す。「過去3ヶ月の変動は見ていない。5年後、10年後、この市場がどれだけ大きくなるかを考えている」と述べた。
ブラジルでは、仮想通貨市場の環境整備が進められているところだ。同国ではすでに、ビットコインやイーサリアム、DeFi関連のETFが承認され、上場している。
ETFとは
Exchange Traded Fund (上場投資信託)の略でインデックスファンドの一種。日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)等に連動する運用成果を目指し、東証などの金融商品取引所に上場している投資信託のこと。ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨を投資対象に含むETFも存在する。
▶️仮想通貨用語集
また、仮想通貨規制法案も議会で審議されているところだ。仮想通貨サービス事業者のライセンス制度や、仮想通貨関連詐欺などに対する刑事罰を規定している。