はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米国初、ビットコイン利用の制裁回避で刑事告訴

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨による制裁回避を告訴

米国の連邦判事は先週、経済制裁を回避するために暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)を使った被告に対する刑事告訴を承認した。仮想通貨を用いた制裁回避について、米国で刑事告訴が行われたのは今回が初となる。

起訴内容

告訴を承認したワシントンのZia M. Faruqui連邦判事の意見書によると、米捜査当局は、匿名の被告が制裁対象国に存在するオンライン決済プラットフォームの運営を米国から助けていたとしている。

この決済プラットフォームは、仮想通貨などを使用して米国の制裁を回避するためのサービスを提供していると宣伝していたという。訴状自体はまだ公開されていないため、被告やプラットフォーム、制裁対象国の名前は現時点で明かされていない。

被告は、米国拠点の金融機関口座を持っており、たびたび顧客のために数十万円(数千ドル)を受け取って、制裁対象国に送金していた。また、米国を拠点とする仮想通貨取引所にも口座を開設。ビットコインを売買し、その口座から米国外の仮想通貨取引所にある2つの口座に数千ドルを送金していたという。

被告がこれらの海外仮想通貨口座に資金を送った直後、時には数分以内に、制裁対象国に関連するIPアドレスが、これらの口座にアクセスしていた。

被告は、この2つの口座を使用して、制裁対象国のプラットフォームのために、約13億円(1,000万ドル)以上のビットコインを送信していたとみられる。

Faruqui判事は、こうした内容を引用して告訴を承認し、「仮想通貨は追跡不可能」という考えや、「仮想通貨には制裁措置が適用されない」という考えは間違っていると述べた。

また、「司法省は、仮想通貨を含め外国資産管理局(OFAC)の規制を遵守しない個人および団体を刑事訴追する能力があり、今後も訴追を行っていく」としている。

外国資産管理局(OFAC)とは

英語でThe Office of Foreign Assets Controlで略称はOFAC。米財務省の所属機関。米国の対外・安全保障政策に基づいて、経済制裁の実施を司っている。

▶️仮想通貨用語集

OFACは取引監視ツールを推奨

Faruqui判事は、OFACが、「制裁を受けた区域から仮想通貨取引所にアクセスしようとするユーザーは、仮想通貨企業にとって特にリスクとなる」と強調していると説明した。

OFACは、仮想通貨企業などに、制裁対象となる取引を識別する「取引監視・調査ソフトウェア」を推奨している。

3月には、人気NFTゲームAxie Infinity(アクシーインフィニティ)から約760億円の仮想通貨が不正流出。北朝鮮のハッカーグループ「ラザルス」がこの背後にあったとされる。

この事件で資金洗浄に使われたイーサリアムのミキシングサービス「Tornado Cash」は、ブロックチェーン分析企業チェイナリシスが提供する、制裁対象アドレスからのアクセスをブロックするツールを導入することを決めていた。

関連ハッカーにも使用される大手ミキサー「Tornado.Cash」、制裁回避を防ぐツールを導入

仮想通貨関連の制裁事例

制裁関係では、OFACは7日、初めて仮想通貨ミキサーに措置を発動している。対象となったのは「Blender.io」というミキサーで、2017年以来、北朝鮮やロシア関連のハッカーグループが使用してきたとされる。

関連米財務省、初めて仮想通貨ミキサーを制裁対象に指定

OFACは、21年9月に初めて、仮想通貨取引所を制裁対象に指定。先月にも、世界最大規模のダークネット市場「Hydra Market(Hydra)」と仮想通貨取引所「Garantex」を制裁対象に加えている。

関連米財務省、仮想通貨取引所「Garantex」を制裁対象へ ダークネット「Hydra」の取引に関与

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/19 金曜日
14:15
2025年の仮想通貨盗難被害額5300億円突破、北朝鮮関連グループの犯行目立つ=チェイナリシス
チェイナリシスが2025年の仮想通貨盗難事件についてレポートを発表。総額5300億円規模であり、Bybitハッキングなど北朝鮮関連グループによる犯行が目立っている。
12:10
米上院、トランプ氏の仮想通貨推進派2名を承認 CFTC・FDIC新委員長が就任へ
米上院は12月18日、トランプ大統領が指名したマイケル・セリグ氏をCFTC委員長に、トラビス・ヒル氏をFDIC委員長に承認した。両氏は仮想通貨推進派として知られ、デジタル資産に対するより友好的な規制環境の実現が期待されている。
11:28
米仮想通貨市場構造法案、1月に上院審議へ ホワイトハウス当局者が確認
米ホワイトハウスの仮想通貨担当官が、仮想通貨市場構造法案(クラリティ法案)の1月上院審議入りを確認。業界と伝統的金融機関が最終協議を実施、超党派の協力が成立の鍵に。
11:09
「10月の歴史的暴落の後遺症続く」ラウル・パル、仮想通貨の下落圧力は市場操作ではないと分析
グローバルマクロ投資家のラウル・パルが、10月10日に発生した仮想通貨市場の歴史的暴落について詳細を分析。市場操作の指摘は的外れであり、トランプ関税ショックとバイナンスの深刻な技術障害が重なり、数兆円規模の強制決済をもたらした大規模ロスカットに繋がったという。
10:35
SOL保有企業フォワード・インダストリーズ、株式をトークン化
仮想通貨ソラナの財務企業フォワード・インダストリーズは、自社の株式がソラナブロックチェーン上でトークン化されたことを発表。トークン化株式はDeFiで利用できるとした。
10:05
仮想通貨保有企業株、MSCI除外で約2兆円売却圧力 来年1月に判断
MSCIが仮想通貨保有企業を指数から除外する提案を検討。実施されれば39社で最大150億ドル(約2.2兆円)の強制売却が発生する可能性。業界は1,268の署名を集め強く反発。2026年1月15日に最終判断。
10:02
イーサリアム財団、「ステート肥大化」のリスクを指摘 3つの対応策提案
イーサリアム財団が、ネットワークのステート増大が続くことによる中央集権化リスクなどを警告した。この課題に対する3つの対策を提案している。
09:35
NYSEの運営会社ICEが仮想通貨企業ムーンペイに出資交渉、評価額50億ドル目指す
ニューヨーク証券取引所を運営するICEが仮想通貨決済企業ムーンペイへの出資交渉を進めていることがブルームバーグの報道で明らかになった。
08:35
JPモルガン、ステーブルコイン市場の成長予測を維持も1兆ドル規模には否定的
JPモルガンのアナリストがステーブルコイン市場は2028年までに5000億ドルから6000億ドルに達すると予測し、1兆ドル規模の予測を否定的に評価した。成長は仮想通貨市場全体と連動すると見ている。
07:55
トークン化株式xStocks、TON Walletに対応
株式のトークン化プラットフォームxStocksは、TONブロックチェーンのTON Walletに対応したことを発表。ユーザーはテレグラムからトークン化した株式やETFにアクセスできる。
07:44
JPモルガンのJPMコイン、コインベースのベースチェーンに移行
JPモルガン・チェースがデジタル預金トークンJPMコインを独自の内部ブロックチェーンからコインベースの「ベース」に移行した。機関投資家の需要に応え、24時間365日のほぼ即時決済を可能にする。
06:40
ビボパワー、韓国ファンドに4.5億XRP相当のリップル株式を調達へ
ナスダック上場のビボパワーがデジタル資産部門を通じて韓国の資産運用会社リーン・ベンチャーズ向けに3億ドル相当のリップル・ラボ株式を調達する。
06:12
台湾政府が210BTCの押収ビットコインを保有、世界10位の政府保有者に
台湾の法務部が犯罪捜査で押収した210枚以上のビットコインを保有していることを明らかにした。戦略的備蓄の検討も進んでいる。
05:55
2026年までに米国で100超の仮想通貨ETF上場を予測、ビットワイズ
米資産運用会社ビットワイズが2026年までに100本以上の仮想通貨ETFが米国で上場すると予測した。SECの一般的な上場基準公表により規制が明確化され、発行障壁が低下したことが背景にある。
05:40
ビットワイズ、スイ現物ETFをSECに申請
仮想通貨運用会社ビットワイズがスイトークンを追跡する現物ETFの登録を米SECに申請した。コインベース・カストディが保管を担当し、キャナリー・キャピタルや21シェアーズも同様のETFを申請している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧