CoinPostで今最も読まれています

英財務省、ステーブルコインが機能不全になった場合の対応を協議

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ステーブルコインのリスク軽減方法を提案

英国財務省は5月31日、ステーブルコインを含めたデジタル資産が機能不全になった際の管理方法について協議書を発行した。

特に、広く決済手段として発展する可能性があるステーブルコインに焦点を当てており、破綻した場合に金融システムにリスクをもたらすような規模のトークンについて、金融安定性の問題を軽減することが必要だとしている。

英財務省は、協議書の中で、デジタル決済資産(DSA)がトラブルに見舞われた場合、イングランド銀行(中央銀行)に、指示権限を持たせることを提言。「既存の法的枠組みを、金融システムの一部となり得るDSA企業の破綻がもたらすリスクを管理するために効果的に適用できるようにすることが重要だ」と述べた。

ステーブルコインとは

ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値($1)を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、DAIやUSTといったアルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

▶️仮想通貨用語集

特別管理制度の適用を提案

具体的には、英財務省は「金融市場インフラストラクチャー特別管理制度(FMI SAR)」が、銀行以外のデジタル決済資産(DSA)企業の破綻リスクに対処するための最も適切な手段になると提案している。

協議書によると、特別管理制度(SAR)は、企業の倒産について、一般的な管理プロセスが公共の利益に適わないと考えられる場合に、特別な処理を行うことを可能にするものだ。

その中でもFMI SARは、金融システムの一部として役割を果たす決済システムの破綻可能性がもたらすリスクに対処するために設立された。

家計や企業のためにある程度の取引量を処理するシステムが破綻した場合、金融セクターや実体経済の機能に混乱が生じる可能性がある。そうした場合に、FMI SARは、イングランド銀行に監督権限を与え、当該システムの債権者利益よりも、サービスの継続を優先することを可能にするものだという。

また、英財務省は、こうした従来のFMI SARに、デジタル決済資産(DSA)にのみ適用される修正を加えることも提案している。

保管資産の返還や移転に関する項目を追加し、資産管理者が、顧客資金や秘密鍵の返還、サービスの継続などを視野に入れられるようにすることが目的だ。

協議書では、DSA企業に特別管理を発動するに際して、イングランド銀行が消費者への影響を考慮するためにFCA(金融行動監視機構)に相談することも提案された。

FCAとは

イギリスの金融を規制する機関。Financial Conduct Authority(金融行動監視機構)の略。金融サービス業に携わる企業の行動を規制している。

▶️仮想通貨用語集

以上のような協議書の内容について、英財務省は8月2日まで意見を募集。協議内容は、その後然るべき時に議会で審議される予定だ。

UST騒動を受けた当局の発言

米ドルとペッグされていたステーブルコインUSTが急落したことにより、各国の規制当局はステーブルコインをさらに注視している状況である。

FCAの市場担当責任者も18日、UST騒動を背景にして、今年後半に英国の規制当局と財務省が仮想通貨規制に取り組む際、「ステーブルコインの不安定性についても絶対に考慮する必要がある」と述べている。

仏中銀のガロー総裁、ECBのパネッタ専務理事もステーブルコインのリスクに言及。米証券取引委員会(SEC)のパース理事は、規制を巡る議論がさらに加速する可能性があると述べた。

関連USTのディペッグ騒動が規制に与える影響 米国や英国でも議論が加速化

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/27 土曜日
21:00
OKCoinJapan 5月にオプティミズム(OP)取扱い開始へ
OKCoinJapanが暗号資産(仮想通貨)オプティミズム(OP)の取扱いを開始へ。イーサリアムのレイヤー2ソリューションとして、その技術はCoinbaseが支援するBaseやバイナンスのopBNBの基盤に使用されている。OPのユースケースや今後の展望も言及。
17:20
機関投資家のDeFiリスク管理を強化、Fireblocksの新セキュリティ機能
FireblocksがDeFi製品にdApp ProtectionとTransaction Simulationを追加。リアルタイム脅威検知と安全なトランザクション実現で、機関投資家のオンチェーン活動をサポート。
13:00
BAYCで知られるYuga Labs、事業再編でチームメンバー削減 
Yuga Labsは、事業再編の一環としてチームメンバーの一部を削減した。「より小規模で機敏でクリプト・ネイティブなチーム」にする意向だ。
10:30
米国で仮想通貨発行の推奨事項5ヶ条、a16z明かす
大手ベンチャーキャピタルa16zは、米国で仮想通貨トークンを発行する際の推奨事項を挙げた。特に証券性など米SECをめぐる対処を中心としている。
09:30
ビットコインRunesデビュー1週間、200億円以上の手数料生み出す
手数料については、ミーム仮想通貨取引への高い需要が原因で、4月初めの5ドルから平均40ドルまで高騰している。ビットコインのマイニング報酬が半減し、収益が大幅に減少する見通しとなっていた採掘業者にとっては朗報だ。
08:00
半減期後のBTCのリターン、Nansen主席アナリストが分析
半減期後の仮想通貨ビットコインのリターンを、ブロックチェーン分析企業Nansenの主席リサーチアナリストが分析。半減期後250日までが最もリターンが高いという。
07:30
円安で1ドル158円台に、米ハイテク株高 来週FOMC金利発表|金融短観
本日の米国株指数は反発。エヌビディアやアルファベットなど大手IT株がけん引役となった。前日発表の米1-3月期GDPは予想を下回って悪材料となっていたが、昨夜発表の米3月PCEデフレーターはほぼ予想通りだった。
05:55
パンテラ、FTXの仮想通貨ソラナを追加取得
FTX破産財団はこれまですでにロックアップされた仮想通貨SOLの約3分の2を手放した。その多くは4年後に完全にアンロックされる見込みだ。
04/26 金曜日
14:22
「ミームコインは危険なカジノのよう」米アンドリーセン・ホロウィッツCTOが警鐘鳴らす
米大手VCアンドリーセン・ホロウィッツの エディ・ラザリン最高技術責任者は、ミームコインを「危険なカジノ」に例え、仮想通貨エコシステムから「本物の起業家」を遠ざける可能性があると主張した。
14:00
米FBI、マネロン防止ルール非遵守の仮想通貨サービスに注意喚起
米連邦捜査局は、マネーロンダリング防止基準を遵守していない仮想通貨送金サービスを利用しないよう、アメリカ国民に対して呼びかけた。
12:55
BTC半減期後に最初に採掘されたSatoshi、3億円超で落札
仮想通貨ビットコインの半減期後に最初に採掘されたSatoshiがオークションで3億円超で落札。Ordinalsの誕生によって、今はレア度の高いSatoshiに需要が生まれている。
12:32
ビットコインの反騰失速、ブラックロックのETF(IBIT)への資金流入が初めて途絶える
暗号資産(仮想通貨)市場では、自律反発のビットコインが日足50SMAを抜けられず再反落。ブラックロックのビットコインETF「IBIT」への資金流入は、ローンチ後71日間で初めて途絶えた。
10:15
著名な「Buy Bitcoin」のサイン、1.6億円で落札
「Buy Bitcoin」と書かれた著名な法律用箋が、オークションで1.6億円で落札された。仮想通貨ビットコインで入札され、正確な落札価格は16BTCである。
09:40
フランクリン・テンプルトンの600億円規模「BENJI」トークン、P2P送信可能に
米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンは、米国政府マネーのトークン化ファンドFOBXXで資産のピアツーピア送信を可能にしたと発表した。
08:30
強気相場継続の兆しか? パンテラが新たな仮想通貨ファンドで1500億円以上調達計画
2024年の仮想通貨相場感が2023年から好転しておりVCの調達案件も着実に増えている状況だ。昨日、野村グループのLaser Digitalが主導するラウンドで、zkSync Era基盤のWeb3ゲーム開発会社Tevaeraは500万ドルを調達した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア