デロイト調査「小売業界は仮想通貨決済の導入に意欲的」

仮想通貨決済導入に関する意識調査

世界4大会計事務所の一つであるデロイトは8日、全米の小売企業を対象に行った、暗号資産(仮想通貨)決済の導入に関する意識調査の結果を発表。回答した企業の85%が、5年以内に小売業界における仮想通貨決済が「ユビキタス」(当たり前の状態)となると予想した。

調査は大手決済企業Paypalと協力の下、昨年12月3日から12月16日にかけて実施された。調査対象は、消費財・サービス業界の企業で、仮想通貨決済導入の意思決定を行うポジションにある上級管理職2,000人。企業規模は年間売上高が約13.5億円(1,000万ドル)以下から、約675億円(5億ドル)以上とさまざまだが、主な事業形態は75%がB2C(企業と一般消費者)、15%がB2B(企業と企業)、10%がD2C(企業の消費者直販)だった。

なお、回答者は仮想通貨とステーブルコインについて、「少なくとも一般的な知識がある」と報告した。

消費者のニーズに応える

仮想通貨決済に対する消費者の関心度について、回答者の約3分の2に当たる64%が「非常に高い」と答え、32%は「適度な関心がある」と答えた。また、83%の企業が、今後12ヶ月間に仮想通貨を用いた決済に対する消費者の関心が高まると予想している。

また、87%の回答者が、現在仮想通貨を導入した組織が市場で優位になると考えており、85%は、今後数年で仮想通貨による日常的な支払いが飛躍的に増加すると答えた。さらに今後10年で、仮想通貨が法定通貨となるだろうと予想している管理職は83%に上った。

このような認識に基づいて、85%以上の企業が仮想通貨決済の導入を重視していると回答。また、前述したように、回答者の85%が、小売業界で仮想通貨決済が普及すると考えていることがわかった。

決済業者との提携

仮想通貨決済を実現する方法としては、55%が仮想通貨の決済代行会社と提携。残りの企業では、23%が社内で決済システムの構築を行い、22%が従来の決済会社との提携を通して行うようだ。

一方、小売企業による仮想通貨決済の導入は、必ずしも仮想通貨の保有に結びつくものではない。半数以上(52%)の企業が、仮想通貨から法定通貨へ換金を決済代行企業に委ねるよう計画している。中でも、サードパーティの仮想通貨決済代行会社と提携している組織は、特にその傾向が強いようだ(61%)。

社内インフラを構築している中堅・中小企業では、39%は仮想通貨から法定通貨への換金をサポートする決済業者を求めていることがわかった。仮想通貨へ対応するための複雑さを軽減しつつ、メリットを享受できるようなアプローチをとっていることが示唆される。

仮想通貨の価格変動、サードパーティの製品設計、取引業者による仮想通貨の受け入れ体制、税金の複雑さなどが、その理由として挙げられている。

仮想通貨決済企業と提携することが、より迅速にかつ簡単に仮想通貨決済の導入が実現でき、リスクも軽減できるアプローチであると、企業規模を問わず考えられていることがわかった。

仮想通貨決済導入への課題

一方、導入に関しては多くの課題もある。中でも、既存の金融インフラとの統合(45%)や、さまざまな通貨間の統合(44%)が複雑であるという認識が広がっている。

主な障害として、決済プラットフォームにおける顧客のセキュリティ(43%)、規制環境の変化(37%)、仮想通貨市場の不安定さ(36%)が挙げられた。また、79%の企業が仮想通貨市場に対しての懸念も表明している。

しかし、このような高い懸念にもかかわらず、企業の見方は楽観的で仮想通貨の導入を最優先事項と考えていることも興味深いと、レポートは指摘。規制機関や業界で信頼の高い企業との提携などにより、仮想通貨の利便性やサポートなどのメリットを享受しつつ、信頼の基盤を構築していくことができるだろうと総括した。

そして、デロイトは現在の米国政府の仮想通貨に対するさまざまな取り組みに「勇気づけられている」と付け加えた。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します