否定的な発言を繰り返す
イングランド銀行(英国の中央銀行)のアンドリュー・ベイリー総裁は13日、英国議会公会計委員会で証言する中、「暗号資産(仮想通貨)に本質的な価値はない」と述べ、仮想通貨を痛烈に批判した。
ベイリー氏は、仮想通貨懐疑論者の一人として知られており、これまでにも公共の場で同様の発言を幾度も繰り返してきた。金融行動監督機構(FCA)の長官を務めていた2017年には、「ビットコイン購入はギャンブル」と否定的な見方を示し、2020年の中銀総裁就任前後から、「仮想通貨投資では全資産を失う覚悟が必要」と発言してきた。
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何に価値を置くかは人それぞれなので、仮想通貨に投資するのは構わないが「お金を全て失う覚悟をした方がいい」と同氏は主張。「今朝も取引所で、また別の『爆発』を目にした」と述べた。英国に拠点を置くレンディング大手Celsiusの出金サービス停止を受けた発言と見られる。
レンディング
レンディングとは、保有している仮想通貨を一定期間貸し出すことで、利息を得る仕組みのこと。取引所が運営するものや、DeFi(分散型金融)プラットフォームで提供されているものなどがある。
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これまで仮想通貨投資に関しては、さまざまな警告を発してきたが、活発な投資活動が続いていると指摘。ベイリー氏は、中銀総裁として学校を訪問する機会も多々あるが、「いかに多くの生徒たちが仮想通貨に投資しているか、驚いている」と述べた。
仮想通貨市場における不正防止のための監視活動についてベイリー氏は、人工知能(AI)技術が、自動的に素早く「疑わしい行為」を判別する手段となる可能性に言及。即時決済の普及により、取引を人がコントロールできる機会は減少していく中、AIツールを活用することで、コントロールを取り戻せるかもしれないと、同氏は述べた。
ステーブルコインとCBDC
一方、ベイリー氏は仮想通貨の基盤技術であるブロックチェーンに対しては、一定の評価を下しているようだ。
同氏は先月、「Jobs of the Future」ポッドキャストで、今後デジタル通貨が幅広く受け入れられるのであれば、デジタル通貨の形態や受け入れ可能な利用方法について、何を標準とすべきかを、まず決定すべきだと述べた。
決済という面では、ビットコインのような意味での暗号通貨にはならないと考える。現実的な決済手段ではないからだ。
また別の会議では、「デジタルマネーは重要なイノベーションの源」と述べたこともある。ただし「公益に合致するかの評価が必要である」とのスタンスだ。
デジタルマネーの中で、ステーブルコインや中央銀行デジタル通貨(CBDC)については、金融システムの中で、重要な位置を占める可能性があるとの見解を示した。
ステーブルコインの場合、裏付けとなる資産があるため「本質的な価値を持つ可能性」があり、主に交換手段としての機能を持つが、価値保存の手段ともなり得ると述べた。
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