TOP 新着一覧 チャート 資産運用
CoinPostで今最も読まれています

正念場迎える仮想通貨市場、FOMC発表目前にリスク回避姿勢目立つ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市況

米株式市場では、ダウが151ドル安と5日連続で続落。年初来安値を再び更新した。

今週末の金曜日には米国のメジャーSQを、日本時間16日3時には米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策金利発表とパウエル議長の記者会見を控える。10日に発表された5月のCPI(米消費者物価指数)が市場を予想を超えて高止まりしたことを受け、FOMCでは従来の3倍となる0.75%の利上げに踏み切るのではとの観測が強まっている。

米長期金利の指標となる「10年債利回り」は、3.4%台を超えるなど上昇に歯止め掛からず。米株式市場を中心にFRB(米連邦準備制度)の金融引き締め強化を警戒した売り注文が膨らんでいる。

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインが前日比2.6%高の297万円(21,815ドル)と売り過熱の反動高となるも、上値は重い。

BTC/USD週足

関連:ビットコイン暴落止まらず、一時20000ドル台に

BTC価格はこれまでの大幅下落に伴い、歴史上3回しか例のない「200週間移動平均線(200W SMA)」に到達した。

200W MA

大勢を占める悲観シナリオ

このような金融相場状況において、楽観シナリオは困難を極める。

SwanBitcoinアナリストのSam Callahan氏は、前回の仮想通貨バブル崩壊後(18年12月)の底値圏のように、BTC価格が最高値から80%下落することを想定した場合、今回のサイクルに当てはめると下値目処は1BTC=13,800ドルになると指摘。

一方、「4年前の相場とは市場の成熟度が大きく異なる」と言及。2万ドル水準の節目を下回った場合、割安感から押し目買いが強まることも想定されると捕捉した。

海外の著名アナリストRager(@Rager)氏は、Sam Callahan氏と同じ理屈で2019年の高値と重なる14,000ドル付近のサポートラインが下値目処になると指摘。「このまま200週SMAを明確に下回った場合、次の買い場として意識され得る」との見解を示した。

ただし、「金融引き締めの影響で株式市場のリスク回避姿勢が加速し、暗号資産が連れ安で大幅下落し続けている限り、ビットコイン相場単体で強気になることは難しい」と指摘。まずは、FOMC発表による市場の反応を待ってから考えるべきと慎重なスタンスを貫く。

今年の悲観予想を示してきたピーター・ブラント氏は、このままだとETH価格は今後数週間でさらに落ち込み、650ドル水準もあり得ると下方修正した。

ビットコイン(BTC)の底値予想については、2017年12月の最高値19,798ドルと、2019年6月の高値13,970ドルを挙げた。

BitMEXの共同創設者で元CEOのアーサー・ヘイズ氏は、オプションのフローを確認するとBTC2万ドル、ETH1000ドル付近に多くのOI(未決済建玉)が留まっていると指摘。

「これらのサポートライン(下値支持線)が破られた場合、一部のOTCディーラーがデルタヘッジのために行う大規模な現物売りに直面する可能性がある」との認識を示した。

連鎖リスクへの懸念広がる

暗号資産(仮想通貨)の大手レンディングサービス「セルシウス」の出金停止騒動で混乱が広がったほか、担保として預ける資産に関するロスカットの連鎖発生リスクが懸念されている。

関連:セルシウスの出金停止、競合他社の反応は?

関連:セルシウス、財務再編巡り弁護士事務所と協議か

また相場の大幅急落の影響で、多額の資金を暗号資産業界に投じてきたThree Arrows Capital(3AC)など大手ベンチャーキャピタルについても、財政状態に関する疑義が浮上している。

Three Arrows CapitalのZhu Su CEOは15日午前10時、問題解決に向け、関係者と全力で取り組んでいることを報告。困難な状況に陥っていることを示唆した。

テラ(LUNA)の非営利組織である「Luna Foundation Guard(LFG)」は今年2月、Terraブロックチェーンのネイティブトークンである「LUNA」のプライベートセールを通じて10億ドル(約1,150億円)を資金調達しており、同ラウンドはThreeArrows CapitalとJumpCryptoがリード投資家として主導した。

当時販売されたLUNAトークンにロックアップ適用されるVesting期間は、4年だったとみられる。

関連:テラの非営利組織、1,100億円を資金調達 UST準備金にビットコイン活用へ

TerraUSD(UST)は、米ドルと1:1の割合でペッグした法定通貨や仮想通貨の担保を持たない無担保型・アルゴリズム型のステーブルコインだ。

ビットコインによる準備金は、マーケットの急変などに備え、USTの価格維持をサポートするために使用するためのものであったが、その後USTのディペッグ騒動を発端にテラ(LUNA)価格は、ほぼ無価値まで暴落。

下支えも機能不全に陥ったことで、DeFi市場における高利回りプロトコルの信用失墜と資金流出をもたらしたとされる。

関連:テラUSD(UST)のディペッグ騒動 Terraform Labs社や取引所の対応まとめ

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
11/21 木曜日
17:00
BitwiseがソラナETF準備開始 デラウェアで信託登録完了
暗号資産運用大手Bitwiseが、ソラナ(SOL)ETF組成に向けデラウェア州で信託登録を完了した。VanEck、21Sharesに続く参入となる。
16:59
バイナンス、5種類の仮想通貨取引ペアを11月22日に取扱い中止
大手取引所バイナンスが、THETA/ETHやRARE/BRLなど5種類の仮想通貨取引ペアの取扱い中止を発表。11月22日12時より取引停止へ。各トークンは他の取引ペアで継続取引可能で、価格への影響も限定的。スポット取引ボットサービスも同時終了。
15:27
ビットコイン1500万円突破 ETFオプション解禁で資金流入加速
ビットコインが史上初めて1500万円を突破した。米国でETFオプション取引が解禁され、機関投資家の参入が加速。IBITへの1日1000億円規模の資金流入が継続する中、トランプ政権への期待も相場を押し上げる。バーンスタインは3100万円到達の強気予想を見立てている。
13:10
ソラナPhantomウォレット、米AppStoreの無料ユーティリティアプリ部門でトップに
ソラナ基盤のPhantomウォレットが米AppStoreで無料ユーティリティアプリ部門1位を獲得。無料アプリの総合部門でも5位に躍進した。
11:25
半導体大手エヌビディア決算報告 過去最高の売上高
エヌビディアが8~10月期決算を発表。売上高は再び過去最高を記録した。AI需要拡大で業績好調も、成長率の鈍化予想で株価は下落している。
11:05
米SEC、仮想通貨指数ETFの上場判断を延期
ゲンスラー率いる米国証券取引委員会は、米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンの仮想通貨指数ETF「EZPZ」の承認判断を延期した。
09:40
「仮想通貨は申告分離課税で20%に」国民民主党の玉木代表が与党に要望
国民民主党の玉木代表が仮想通貨税制改正を与党に要望した。雑所得から申告分離課税にすることを提案している。
07:50
テザーUSDTが3000億円分新規発行、市場に流動性注入
今週仮想通貨ビットコインの上昇に際し、ステーブルコインのテザー(USDT)が大量に発行されたことが明らかになった。
06:50
米上場のバイオ企業、ビットコイン財務戦略を採用
米上場のバイオ医薬品企業のHoth Therapeuticsは、最大100万ドル相当の仮想通貨ビットコイン購入を取締役会で承認した。
06:40
トランプ次期政権、史上初の仮想通貨特命官ポストを検討
トランプ次期大統領の移行チームは仮想通貨政策に特化した史上初の常勤のホワイトハウスポジションの設置を積極的に検討しているようだ。
06:20
マイクロストラテジー時価総額が米国トップ100に、ビットコイン史上最高値更新受け
仮想通貨ビットコイン続伸を受け、BTCを大量に保有する米マイクロストラテジー社の株価も続伸し、史上最高値となる504.7ドルに到達し米国で時価総額トップ100にランクインした。
11/20 水曜日
17:03
韓国の仮想通貨課税、2025年1月から導入見込み
韓国政府が2025年初頭から実施予定の仮想通貨課税について解説。免税限度額を250万ウォンから5000万ウォンへ大幅引き上げで、年間利益560万円未満は非課税に。取得価格不明時の代替計算方法導入など、投資家に配慮した新制度の詳細を紹介。11月下旬の法案可決を目指す。
14:00
BONK急騰、アップビットでウォンペア提供開始
韓国最大の仮想通貨取引所Upbitは20日にソラナ基盤の犬系ミームコイン「BONK」の新規上場を実施し、韓国ウォンの通貨ペアを新たに提供し始めた。
13:57
Ledger Stax・Flex完全ガイド|仮想通貨の高性能ハードウェアウォレットを徹底比較
10周年を迎えたLedgerの次世代ハードウェアウォレット「Stax」と「Flex」を詳しく解説。大画面タッチパネル搭載の最新モデルの特徴から、定番のNanoシリーズとの違いまで完全網羅。セキュリティと使いやすさを兼ね備えたウォレットの全貌を紹介しています。
13:20
マイクロストラテジー会長、マイクロソフト株主総会でビットコイン投資を提案へ
米マイクロストラテジー社のマイケル・セイラー会長が、マイクロソフト株主総会で3分間のビットコイン投資プレゼンを実施すると発表。ビットコイン投資は株主にとっても、株価を左右する重要な議題であり、総会で議論されるべきだと述べた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧