CoinPostで今最も読まれています

FRB、米議会にCBDCについての勧告を行う計画

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

CBDCについての推奨事項を提示予定

米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は23日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)は「非常に重要な金融技術イノベーションだ」と述べ、FRBは今後ある時点で、CBDCの導入方法について議会に推奨事項を提示するだろうと述べた。

パウエル氏は、米下院金融委員会で行ったスピーチの中で、この発言を行った。CBDCは「国として探求しなければならないこと」で、「党派的なものであってはならない」とも話している。

パウエル氏によると、FRBは今後数年間で、政策面と技術面の両方からCBDCについて検討し、その上で議会に推奨事項を提示する計画だという。

また、「FRBガイダンスが完成した後は、米国の金融システムにCBDCを導入することを認める法案を起草するのは議会の責任である」と続けた。

CBDCとは

各国・地域の中央銀行が発行するデジタル化された通貨を指す。「Central Bank Digital Currency」の略である。仮想通貨との大きな違いは、CBDCは法定通貨であること。通貨の管理や決済等においてコスト削減や効率性向上が期待できる一方で、個人情報やプライバシーの保護、セキュリティ対策、金融システムへの影響など考慮すべき課題は多い。

▶️仮想通貨用語集

パウエル氏は、もし米国がデジタルドルを展開する場合は「民間のステーブルコインではなく、政府が保証するお金がデジタルドルになるべき」とも発言している。

「米ドルの国際的地位の維持に役立つ可能性」

パウエル氏は17日にも、FRB主催の「米ドルの国際的役割」と題したカンファレンスでCBDCについて触れていた。

その際、パウエル氏は将来を展望し、「世界の通貨システムには急速な変化が起きており、ドルの国際的な役割に影響を与える可能性がある。ほとんどの主要経済国がすでに、年中無休で取引できる即時決済を開発済または開発中である」と述べた。これについてFRBの動きとしてはFedNowサービスを2023年にオンラインにしたいという。

FedNowは、連邦準備銀行が開発する即時決済サービスで、企業や個人は銀行などを利用して24時間決済が可能、取引時間も数秒に短縮される見込みだ。

さらにパウエル氏は、CBDCについて次のように語った。

米国の国内決済システムはすでに安全で効率的であるが、暗号資産(仮想通貨)やステーブルコインの驚異的な成長を踏まえ、FRBは、米国のCBDCが、決済システムをさらに改善するかどうかを調査している。

FRBの協議書が指摘しているように、米国のCBDC(デジタルドル)は、米ドルの国際的地位の維持にも役立つ可能性がある。

この協議書に寄せられた意見を検討する際には、現在の状況だけではなく、今後5年から10年の間に世界の金融システムがどのように進化していく可能性があるかも念頭に置きたい。

協議書発行

FRBは1月、CBDCについての協議書を発表していた。米国がデジタルドルを発行する場合の恩恵とリスク・課題について論じており、その内容について5月20日まで、一般から広く意見を受け付けていた。

協議書は、CBDCは「国際決済の効率化」や「金融包摂」などの恩恵をもたらす可能性があると指摘。また、パウエル氏が言及したように、他国がCBDCを発行した場合に、米国もデジタルドルを発行することで、国際的な基軸通貨としての米ドルの地位を保つ効果もあるとしている。

一方でCBDCのリスクも挙げていた。CBDCが銀行預金を置き換えてしまうことにより、企業や政府の信用力を低下させたり、他の低リスク資産(投資信託、財務省証券、その他の短期金融商品)からの資産流入をもたらしかねないとした。

また、金融政策の効果への影響を与える可能性や、消費者のプライバシー保護、マネーロンダリングやテロ資金調達の防止、サイバーセキュリティの確保なども課題として論じている。

関連米FRB、中央銀行デジタル通貨についての協議書を発行

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。
10:00
ソラナ初事例、パラオ共和国がデジタルID発行
主権国家が仮想通貨・ブロックチェーンであるソラナ上で、法的アイデンティティを発行する初めての事例となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア