はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米FRB、中央銀行デジタル通貨についての協議書を発行

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

CBDCの長所と課題についての協議書

米連邦準備制度理事会(FRB)は20日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)についての協議書を発表した。米国がデジタルドルを発行する場合の恩恵とリスク・課題について議論し、その内容について、一般から広く意見を募集するものだ。

FRBは、「CBDCが安全で効果的な国内決済システムを促進できるかどうか、またどのように促進できるかを議論するための最初のステップだ。この協議書自体は、特定の政策を支持するものではない」と説明している。実際のデジタルドルに向けた動きはすべて米国議会に委ねられているという。

FRBは、協議書について次のように述べた。

CBDCは、決済システムが進化し続ける中で、家庭や企業に安全なデジタル決済の選択肢を提供し、国家間の決済の高速化をもたらす可能性がある一方、課題も存在し得る。

通貨と金融の安定性をどのように維持するか、国民のプライバシーをどのように保護するか、違法な金融行為に対抗する能力をどのように保つかなど、政策上考慮すべき重要な点がある。

この協議書では、こうした要素やその他の事柄について、詳細に論じた。

CBDCとは

各国・地域の中央銀行が発行するデジタル化された通貨を指す。「Central Bank Digital Currency」の略である。仮想通貨との大きな違いは、CBDCは法定通貨であること。通貨の管理や決済等においてコスト削減や効率性向上が期待できる一方で、個人情報やプライバシーの保護、セキュリティ対策、金融システムへの影響など考慮すべき課題は多い。

▶️仮想通貨用語集

CBDCのもたらす恩恵とリスク

FRBは協議書で、CBDCの長所として、「国際決済の効率化」や「金融包摂」などを挙げた。また、他の国がCBDCを発行した場合に、米国もデジタルドルを発行することで、国際的な基軸通貨としての米ドルの地位を保つ効果もあるとしている。

一方で、潜在的なリスクや政策課題についても論じた。

まず、CBDCが銀行預金を置き換えてしまうことにより、企業や政府の信用力を低下させたり、信用コストを上昇させたりする可能性があると指摘。特に、利子付きのCBDCの場合、他の低リスク資産(投資信託、財務省証券、その他の短期金融商品)からの資産流入をもたらしかねないとした。

また、CBDCは金融政策の効率性についても、影響を与える可能性があると続けている。FRBは長期的に、CBDCの増加に対応するため、バランスシートを拡大する必要があるかもしれないという。ただ、現物の法定通貨などへ対する需要が、CBDCにシフトしていく場合、そうした必要性は緩和されるとした。

その他、消費者のプライバシー保護、マネーロンダリングやテロ資金調達の防止、サイバーセキュリティの確保などを課題として挙げている。

FRBの問いかけ

FRBは、想定されるCBDCの恩恵やリスク・政策課題を説明した上で、協議書の最後で、いくつもの問いを投げかけ、意見募集した。例えば、以下のような質問である。

  • CBDCは金融セクターに悪影響を及ぼし得るか? ステーブルコインや他の民間マネーが金融部門に与える影響とはどのように異なるか?
  • 米国がデジタルドルを発行しない場合、米国内および国際的なデジタル決済はどのように発展するか?
  • CBDCは、完全な匿名性を提供せず、不正な金融活動を誘発せずに、どのように消費者にプライバシーを提供することができるか?
  • CBDCは有利子とすべきか、また、その理由と方法は?
  • どのような企業がCBDCを仲介すべきか? こうした仲介企業の役割と規制構造はどうあるべきか?
  • 将来の技術革新は、CBDCの設計や政策にどのような影響を与えるだろうか?

FRBのジェローム・パウエル議長は、協議書のリリースに際して「国民、議員、幅広い関係者と一緒にCBDCの長所や短所を探っていきたい」と述べた。FRBは、2022年5月20日まで、オンラインで意見を受け付けている。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
19:30
ビットコインで利回りを狙う|Lombard(ロンバード)・LBTCの始め方
Lombardを通じてビットコインを利回り資産として活用する方法を解説。LBTCの仕組みや始め方に加え、注意点やリスクも整理しました。
19:11
USDHがハイパーリキッドの成長を加速させる理由
USDHはなぜハイパーリキッドを強化するのか?仕組みから収益循環、HYPEへの影響までわかりやすく解説します。
17:14
ハイパーリキッド「Hypurr NFT」エアドロに高い関心、初動のフロアプライス1000万円弱に
暗号資産(仮想通貨)HYPEを発行する分散型取引所ハイパーリキッドのNFTコレクション「Hypurr」が配布され、フロア価格800万円、24時間取引高105億円を記録した。特に希少NFTは最高7000万円で落札するなど反響を呼んだ
16:34
マーチャント・バンカーズ、ビットコイン購入 不動産の暗号資産決済に本格参入
マーチャント・バンカーズが3億円分のビットコインを購入し、FINX JCryptoと協業。不動産決済サービスや暗号資産事業強化へ動き出す。
16:25
ネイルサロン運営コンヴァノ、ビットコイン取得額が累計104億円に
東証グロース上場のコンヴァノが約15億円相当のビットコインを追加購入し、累計取得額が104億円に到達。同社は2027年3月末までに21,000BTC保有を目指している。
15:08
金融審議会が「第3回暗号資産WG会合」開催、上場審査プロセスにも言及
金融審議会が暗号資産の金商法一本化を検討。インサイダー取引規制と情報開示義務を導入し、投資家保護を強化する方針。JVCEAの審査実績や委員からの懸念も明らかに。
13:40
NYDIG、仮想通貨トレジャリー企業の評価指標「mNAV」を批判 ”不正確で誤解招く”
NYDIGは最新レポートで、仮想通貨トレジャリー企業の評価に使われるmNAV指標を強く批判した。不正確で投資家を誤解させる可能性があると指摘し、「業界から削除すべき」と主張した。
13:15
仮想通貨ファンドから1200億円流出 FRB利下げ観測後退受け=CoinShares
CoinSharesが先週、仮想通貨投資商品から約8億ドルが流出したと報告した。ビットコインとイーサリアムから流出し、ソラナとXRPでは流入が続いた。
11:51
米政府閉鎖危機に警戒感募る中ビットコイン反発、SECの新基準はアルトコインETFに追い風
仮想通貨市況 暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比+2.56%の1BTC=114,666ドルと反発した。 デリバティブ市場では、3億3000万ドル以上の…
11:30
バイナンス、企業向けインフラソリューションをローンチへ
仮想通貨取引所バイナンスは、従来の金融企業向けにインフラソリューション「Crypto-as-a-Service(CaaS)」をローンチすると発表。ローンチの背景や内容を説明した。
11:05
仮想通貨購入発表で株価22倍暴騰のQMMM、米SECが株取引を停止
米SECがデジタル広告企業QMMMホールディングスの株式取引を強制停止した。仮想通貨購入計画発表後に株価が暴騰し、SNSを通じた価格操作の疑いが指摘されている。
10:50
急成長の分散型取引所Aster、トークンの分割エアドロップを検討 CZとの関係性も明らかに
分散型デリバティブ取引所Asterが独自仮想通貨ASTERのベスティング方式エアドロップを検討している。Asterは前バイナンスCEOであるCZ氏の支持も背景に躍進している。
10:15
ビットコイン急騰、米政府閉鎖リスクで「無国籍資産」への逃避資金流入|仮想NISHI
仮想通貨ビットコイン市場は28日から30日朝にかけて急騰した。BTCは法定通貨や国家に依存しない無国籍資産であり、政府機能や金融システムが不安定化する局面において上昇する傾向を持つ。
09:55
ブルームバーグETF専門家予測、SEC包括基準でアルトコインETF承認確率「ほぼ100%」に
米SECが仮想通貨ETFの包括的上場基準を承認し、原則上個別審査が不要となった。ブルームバーグのETFアナリストは承認確率が事実上100%と予測している。
08:30
12年間休眠のビットコインウォレットが活動再開、65億円相当BTCを移動
12年間休眠していたビットコインウォレットが29日に400BTCを移動したとアーカム・インテリジェンスが報告した。2013年11月以来初めての取引で、当時の取得価格から約16000%上昇している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧