仮想通貨融資企業セルシウスの現状
暗号資産(仮想通貨)融資企業Celsius Network(セルシウスネットワーク)の弁護士は同社に対し、米連邦破産法11条(チャプターイレブン)に基づいた破産手続きを推奨していることが分かった。複数の情報筋の話として、CoinPostの提携メディア「The Block」が報じた。
一方で、セルシウスの幹部は弁護士の申し出に反対している。顧客の多くは長期に渡る破産手続きを望んでいないはずだと主張しており、現在も内部で議論が続いている模様だ。
セルシウスは13日、「極端な市況」を理由に顧客資金の引き出し、仮想通貨のスワップや口座間の送付を停止。オンチェーン分析から同社は流動性危機に直面しているとの憶測も広まっており、現在もサービスは再開されていない。
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チャプターイレブンは、日本の民事再生法に類似しており、事業を終了するのではなく、経営を継続しながら負債の削減などを実施し、企業再建を行うことが可能。一方で、The Blockは「チャプターイレブンが申請されれば、その時点の価格で顧客のポジションが米ドルに換えられ、顧客は債権者(貸主)リストに加わることになる」と説明した。
セルシウスがチャプターイレブンを申請した場合、債権者の弁済などにどのくらいの期間がかかるかは不明確である。参考事例として、2014年2月に経営破綻した仮想通貨取引所マウントゴックスは、2021年11月に債権者への補償を目的とした再生計画が確定したことを発表。この再生計画に従い、債権者に対して弁済を実施するとした。
一方セルシウス側は、ユーザーが外部との取引を一時停止する「HODL Mode機能」を利用することで、同社が問題を解決するサポートをして欲しいと望んでいるようだ。また今月には、解決策を探るために大手金融シティグループからアドバイザーを雇用したり、ゴールドマン・サックスが機関投資家を集めて、セルシウスの資産を購入することを検討したりしている可能性も報じられている。