Mt.Gox、再生計画が確定
2014年2月に経営破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所マウントゴックスの管財人は16日、債権者への補償を目的とした再生計画が同日付で確定したことを発表した。
同再生計画に従い、債権者に対して弁済を実施する。弁済の具体的な時期や金額などの詳細については、追って債権者に知らせるとした。債権者が弁済を受領するためには、今後オンラインの再生債権届出システムを利用して口座登録の手続きをすることになるという。
管財人の小林信明氏は今年2月に、東京地方裁判所に再生計画案を提出しており、大多数の債権者からの承認を受け10月20日付で可決されていた。
経緯
マウントゴックスは、2014年にサイバー攻撃を受け、ユーザーから預かっていた75万BTCと自社で保有する10万BTC(当時のレートで470億円相当)、顧客からの預かる28億円に及び資金が不正流出し、その後、経営破綻。2015年には元CEOマルク・カルプレス氏が自身の口座残高を水増しした容疑で逮捕、さらに顧客からの預金を着服したとして業務上横領の疑いで再逮捕されたことも騒動に拍車をかけた。
当初は民事再生申請が却下されたことで破産手続きが進められていたが、ビットコインの価格が大きく上昇したことによって一部の債権者が民事再生法の適用を求め、現在は民事再生手続きが進められている。
破産手続きとなった場合、残っているビットコインは管財人によって2014年当時の価格で評価されることになる。弁済を受ける債権者にとっては極めて大きな差が生じることになるため、今回の再生計画の確定は債権者にとって大きな意義のある決定と言える。
なお、再生計画については、マウントゴックスが保有するビットコイン、また係争中にビットコインからハードフォークした仮想通貨を、債権者に現物で返還するかどうかが争点になっているが、現時点では明らかでない。
管財人の以前の報告によると、マウントゴックスは2019年9月時点で約14万1,686ビットコイン(現価格:9,700億円超)と、約14万2,846ビットコインキャッシュ(BCH)を保有している。