はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米銀シンジケートローンにステーブルコインDAIを融資、ガバナンス投票へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

MakerDAOが米銀のローンに参加

大手DeFiレンディングプラットフォームMakerDAOで、米国ペンシルバニア州の商業銀行Huntingdon Valley Bankが組成する「シンジケートローン」への参加を問う、コミュニティ投票が開始された。

130億円(1億ドル)分の米ドル・ステーブルコインDAIの融資枠を求めており、執筆時点に57.55%の賛成票を集めている。

提案が承認されれば、DeFiプロトコルと米国の商業銀行間のシンジケートローンが実現する最初の事例となる。シンジケート・ローンは顧客の資金調達ニーズに対して複数の金融機関が同条件の融資を行うプロセス。銀行にとっては信用リスクと負担を分散しながら、収益を拡大できる利点がある。

HVBankの幹部と共同で作成された提案書は、HVBankが組成・参加するローンに限定しつつ、初期の債務上限として1億ドルを確保することを要求している。12か月後までに目標金額を10億ドルまでの規模拡大を目指している。

資産規模5億ドルの商業銀行HVBankは、創業以来150年に渡り商業用および住宅用モーゲージ(不動産担保融資の債権を裏付けとして発行された証券)を組成してきた。同行はMakerDAOとの連携により、自社が組成したローンの参加権を売却する代わりにDAIの深い流動性にアクセスするねらいがある。

Makerにとっては、DAIの新しい担保資産として新たな「実世界の資産(RWA)」を追加し、収益拡大を図る試みとなる。

DAIとは

仮想通貨(暗号資産)担保型のステーブルコインで、イーサリアムチェーン上で発行されているERC-20トークン規格。米ドルの価値と連動しており、1DAI≒1ドルを維持するよう設計される。DAIの時価総額は67億ドル(約9,000億円)に上り、ステーブルコイン分野で時価総額4位を誇る(執筆時点)。

▶️仮想通貨用語集

DeFiのオフチェーン展開

具体的に、HVBankはMakerDAOのためにデラウェア州で設立される法定信託「MBPTrust」とメイン契約を締結する。HVBankがローンへの参加機会を提示し、MBPTrustが参加に同意すると個別の契約書が締結される。

HVBankとMBPTrustがリスクを当分する性質上、互いにローン全体の50%ずつを出資する。初期のベンチマーク金利は3.00%、HVBankは毎月、返済と金利を信託の口座に送金する。DAIに接触するのは規制されたブローカーディーラーの単一アドレスのみ、そこで米ドルとDAIのスワップが実行される。

Makerのスマートコントラクトが仮想通貨の担保を管理するのと同様に、MBPTrustはHVBankが組成するローンの貸出参加契約を保有することになる。なお、MakerDAOと伝統的金融機関との架け橋となるために設立されたRWA Company LLCが、このスキームに関するオフチェーンデータを集計し、MakerDAOコミュニティに提供する作業から、0.50%の手数料を取得する。

DeFi(分散型金融)エコシステムにRWA(実世界資産)を持ち込む動きは、市場拡大に向けたネクストステップとして盛んに検証されている。21年には、フランスのメガバンク「Societe Generale(ソシエテ・ジェネラル)」が発行した債券トークンをステーブルコインDAIの担保資産とすることで、最大22億円に相当するDAIのローン(融資)を発行する提案書が提出された。

関連:仏メガバンク「Societe Generale」、MakerDAOで22億円のローンを申請

6月末には、MakerDAOのバランスシート上のステーブルコインから低リスクの利回りを得るため、約650億円(5億DAI)を米国債や社債に投資するプランが投票にかけられ、5日に可決している。

関連:MakerDAO、ステーブルコイン5億ドル相当の裏付け資産で米国債などに投資か

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
15:04
大和証券、暗号資産担保ローンの紹介を開始
大和証券は全国の本支店で、Fintertechの暗号資産担保ローン紹介を開始。ビットコインやイーサリアムを担保に円資金を調達可能に。
14:24
自称「IQ276」の投資家、ビットコイン100倍を予測し全財産転換へ
自称世界最高のIQ記録「276」を保持するキム・ヨンフン氏が、ビットコインは10年で100倍に上昇すると予測し、自身の全資産を投入したと発表した。同氏の経歴とその主張の実現可能性を検証する。
13:28
米SEC、株式トークン化規制実現で協議中 証券取引所グループから懸念の中=報道
米証券取引委員会が株式をブロックチェーン上で取引可能にする規制変更を協議中と伝えられる。ナスダックがトークン化証券を申請する一方、証券業界は監督強化を要請している。
11:40
リップル社のデビッド・シュワルツ最高技術責任者が年末退任へ
リップル社のデビッド・シュワルツCTOが2025年末に退任することを発表した。仮想通貨XRP台帳のコーディングに貢献した同氏は、取締役として引き続き関与していく。
11:20
SBI Ripple Asia、東武トップツアーズとの提携を発表
SBI Ripple Asiaは、新たな決済プラットフォームの構築に向け、東武トップツアーズと基本合意書を締結。独自トークンの発行に仮想通貨XRPのブロックチェーンXRPLを使う。
11:17
bitFlyer、後藤真希さん起用の新TV CMを全国放映開始
暗号資産取引所大手のbitFlyerが、歌手・タレントの後藤真希さんを起用した新CM「暗号資産知らなかった篇」を10月1日から全国で放映開始。記念キャンペーンも実施中。
11:10
「テザー社は過去最大の利益企業になる可能性」Bitwise幹部
Bitwiseの最高投資責任者は、テザー社が過去最大の利益企業になる可能性があると試算。定期公開するメモで今回は仮想通貨が目指す市場規模の大きさについて論じている。
09/30 火曜日
19:30
ビットコインで利回りを狙う|Lombard(ロンバード)・LBTCの始め方
Lombardを通じてビットコインを利回り資産として活用する方法を解説。LBTCの仕組みや始め方に加え、注意点やリスクも整理しました。
19:11
USDHがハイパーリキッドの成長を加速させる理由
USDHはなぜハイパーリキッドを強化するのか?仕組みから収益循環、HYPEへの影響までわかりやすく解説します。
17:14
ハイパーリキッド「Hypurr NFT」エアドロに高い関心、初動のフロアプライス1000万円弱に
暗号資産(仮想通貨)HYPEを発行する分散型取引所ハイパーリキッドのNFTコレクション「Hypurr」が配布され、フロア価格800万円、24時間取引高105億円を記録した。特に希少NFTは最高7000万円で落札するなど反響を呼んだ
16:34
マーチャント・バンカーズ、ビットコイン購入 不動産の暗号資産決済に本格参入
マーチャント・バンカーズが3億円分のビットコインを購入し、FINX JCryptoと協業。不動産決済サービスや暗号資産事業強化へ動き出す。
16:25
ネイルサロン運営コンヴァノ、ビットコイン取得額が累計104億円に
東証グロース上場のコンヴァノが約15億円相当のビットコインを追加購入し、累計取得額が104億円に到達。同社は2027年3月末までに21,000BTC保有を目指している。
15:08
金融審議会が「第3回暗号資産WG会合」開催、上場審査プロセスにも言及
金融審議会が暗号資産の金商法一本化を検討。インサイダー取引規制と情報開示義務を導入し、投資家保護を強化する方針。JVCEAの審査実績や委員からの懸念も明らかに。
13:40
NYDIG、仮想通貨トレジャリー企業の評価指標「mNAV」を批判 ”不正確で誤解招く”
NYDIGは最新レポートで、仮想通貨トレジャリー企業の評価に使われるmNAV指標を強く批判した。不正確で投資家を誤解させる可能性があると指摘し、「業界から削除すべき」と主張した。
13:15
仮想通貨ファンドから1200億円流出 FRB利下げ観測後退受け=CoinShares
CoinSharesが先週、仮想通貨投資商品から約8億ドルが流出したと報告した。ビットコインとイーサリアムから流出し、ソラナとXRPでは流入が続いた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧