仮想通貨市況
米ニューヨーク株式市場では、ダウが前日比69ドル高と反発した。
6月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表されたが、織り込み済みだったことで米主要3指数がそろって上昇した。
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比+1.54%の276万円(20,377ドル)と反発。
21,800ドル〜18,600ドルのレンジ内で揉み合いが続いている。
昨今の相場において、ビットコインのアクティブアドレスの減少は、ペーパーハンドと呼ばれる”握力”の弱い投機筋を一掃したことを示している。Glassnodeのレポートによると、昨年11月時点で100万水準に達していたビットコインのアクティブアドレスの週移動平均数は、今年7月時点で13%減少した。
ARK InvestmentのアナリストであるElmandjra氏は、マクロ経済について「依然としてBTC相場の見通しに大きく影響している」と指摘。
昨今の地合い急悪化を受け、企業のデフォルト(債務不履行)関連リスクを対象にした金融派生商品であるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)需要は9月以降2倍以上に急増し、米国債の「イールドカーブ(利回り曲線)はフラット化している」と指摘した。
Elmandjra氏は「リセッション(景気後退)の兆候があるにもかかわらず、FRB(米連邦準備制度)はインフレ抑制を重視する姿勢を崩さず、金融引き締めを続ける意思を示している。ビットコインのようなリスクオン資産は、引き続き厳しい状況に置かれる可能性がある。」としている。
業界再編フェーズへ
大手ヘッジファンドThree Arrows Capital(3AC)の破産という結末を迎えた暗号資産市場では、3ACに対して巨額の融資を行っていた企業の資金が焦付き、連鎖破綻する事例も確認された。
関連:3ACへの巨額融資の影響で連鎖破綻か、仮想通貨企業Voyagerが破産申請
引き続き延焼を警戒する声がある一方、最大手取引所FTXやバイナンスが救済措置に動き始めたことによって、当面の”悲観のピーク”は乗り越えたとの見方も強い。ロイターのインタビューでFTXのサム・バンクマン・フリードCEOは、「救済のため数十億ドル規模の準備金がある。流動性危機のピークは過ぎ去った」と言及した。
アルトコイン相場
7月第1週の騰落率では、スモールキャップ(低時価総額)インデックスが+4.9%、ミドルキャップが+5.0%の上昇を見せた。これは主要アルトを示すラージキャップの3.1%、基軸通貨ビットコインの0.5%を大きく上回る水準だ。
ビットコイン価格が心理的節目の2万ドル水準を割り込む暴落を経て一旦下げ止まったことで、年初来下落率の大きな低・中位アルトコインの押し目買いも散見される。
時価総額2位のイーサリアム(ETH)での進展も見られた。2番目のテストネットSepoliaにて、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)へと移行する大型アップグレード「The Merge」の実装を完了した。
メインネットでの「The Merge」実装は、2022年以内を見込んでいる。
一方、データ分析企業のSantimentは5日5時頃、オンチェーンメトリクス上でETHの売却リスクが上昇していると警鐘を鳴らした。取引所への送金量が年初来高値に近付きつつあるという。
📈🇺🇸 #Ethereum's price has rebounded mildly to ~$1,120 on America's birthday. This said, $ETH continues to move rapidly back on to exchanges and is close to breaking 2022 highs. There is higher risk of a selloff while coins are rising on exchange wallets. https://t.co/kJFZNCXV54 pic.twitter.com/JcmrHp80VK
— Santiment (@santimentfeed) July 4, 2022
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