はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

「負の連鎖」に警戒感、NFT担保融資で清算のリスク高まる

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

NFTの清算連鎖の危機

高級NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」のフロアプライス(最低価格)が下落する中、NFTを担保に暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)を融資するBendDAOで「清算の連鎖(デススパイラル)」が生じるリスクが高まった。

19日頃にその融資残高は一時30,300 ETH (約75億円) に膨張していたが、10,500ETH(約17億円)を返済したFranklinを初めとするクジラ(大口投資家)の対応により、執筆時点に15,823 ETH(約26億円)に縮小している。

BendDAOは、NFT(非代替性トークン)を担保にイーサリアムを融資する「NFTfi(NFT+金融)」プロジェクト。Bored Ape Yacht Club、CryptoPunks、Azukiなど、価値の高いブルーチップ(優良)NFTのみを扱っており、フロアプライスの最大40%をローンとして提供する。

しかし、フロアプライスが下がり、債務と担保を用いた数式((フロア価格 * 清算しきい値)/ 負債+利息)で算出されるヘルスファクターが1を下回ると、清算人がNFTオークションに入札可能になり、最初の入札から48時間の返済猶予期間を経て、清算が実行される。

関連:Ape Foundation、BAYCのニュースメディアに資金提供へ 

BAYCの下落

担保融資が急増した4月のBAYCのフロアプライスは100 ETH〜150 ETHに高騰したが、8月には69 ETHに下落している。

BendDAOによると、BAYCを担保にしたローンの内1.1を下回るものは少なくとも30件あり、さらにフロアプライスが下がれば清算のリスクに瀕することになる。

また、ヘルスファクターが1を下回り進行形のオークションで1つ以上入札のあるBAYCは4つに留まっているが、Mutant Ape Yacht ClubやDoodlesなど他のNFTコレクションでは20点ほど競売中である(執筆時点)。

Web3ローンチパッドDoubleStudioの創設者doubleQは、こうしたBendDAOを含む複数のプラットフォーム上の担保の清算がフロアプライスをさらに引き下げ、「NFTエコシステム全体のデススパイラル」につながる可能性があると指摘。

裁定取引を目的にオークションで買い取って市場で売ろうにも、「OpenSeaのボリュームは過去12ヶ月で最低水準にあり、これらの清算を受け止める十分なボリュームがない」と懸念した。

BendDAOの設計

doubleQのように皆が静観し、オークションに出品されたNFTに入札がない場合どうなるのか?という問いについて、BendDAOは以下のように規定している。

この場合、プラットフォームに一時的な未確定損失が生じるだけで、確定損失は発生しない。借り手が将来のある時点で返済するか、市場価格が回復した後に、一部の清算人が現れて債務の競売に参加するかである。

市場の回復に賭けるBendDAOは、プロトコルレベルで担保を売りに出す仕組みは組み込んでない。つまり、未確定損失が実際には拡大するリスクがある。そうなれば、ETHを融資する流動性提供者がリスクを負う可能性がある、とニュースマガジンCoin CrunchのNaimish Sanghvi氏は指摘する。

最初の入札が行われるまでオークションは始まらないので、価格が不利になればいずれは複数のNFTがほったらかしになってしまうだろう。そうなると、流動性提供者を脅かすことになる。

22年の弱気相場に、過剰なレバレッジをかけた大口ポジションが清算の危機に瀕し、市場全体に下落圧力をかけるケースは度々報じられてきた。

6月には、分散型融資プロトコルSolendに担保に出された約27億円(2,100万ドル)相当のソラナ(SOL)が清算の危機に瀕した。分散型取引所の流動性を上回る規模の売却がSOL価格のさらなる急落につながり、グローバルマーケットであらゆるポジションが連鎖的に清算されるリスクが高まった。その後、クジラ(大口投資家)がポジションを分散させ、SOLの市場価格も回復したため難を逃れていた。

関連:分散型融資プロトコルSolendで大口ポジションの清算懸念、SOL市場への影響は?

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11:05
ウォルマート傘下のワンペイ、仮想通貨取引機能を年内追加へ
ウォルマートが過半数を所有するフィンテック企業ワンペイが年内にモバイルアプリで仮想通貨取引とカストディサービスを開始すると報じられた。
10:15
ビットコイン現物ETFへの週間流入が3300億円到達、「アップトーバー」の兆しか
米国の仮想通貨ビットコイン現物ETFへの週間流入額が3,300億円に到達した。過去データから10月の上昇傾向「アップトーバー」が注目されている。
09:50
テザーなど、金トークントレジャリー設立で2億ドル調達へ=報道
テザーとアンタルファがトークン化ゴールドを蓄積するトレジャリー会社設立のため2億ドル以上の資金調達を協議中とブルームバーグが報じた。
08:30
ビットコイン円建て史上最高値更新、米政府閉鎖で逃避資金が集中|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは4日、円建てで史上最高値を記録。米政府の閉鎖によって「無国籍資産」としてのビットコインの存在感が強まり、投資家心理は極めて強気である。
07:50
コインベースが連邦信託認可を申請、決済サービス拡大の狙いで
仮想通貨取引所大手コインベースが3日に通貨監督庁に国家信託会社認可を申請したと発表した。カストディ事業を拡大し決済関連サービスを提供する計画で、銀行になる意図はないと明言。
07:42
コインベースとSamsung、Galaxyスマホユーザーに仮想通貨体験を提供へ
コインベースとSamsungがパートナーシップを締結。まずは米国のGalaxyスマホユーザーがCoinbase Oneを試験利用できるようにして、仮想通貨の利用機会を提供する。
06:40
24銘柄以上の仮想通貨関連ETFが新規申請、米政府閉鎖で承認手続きに遅延
様々な投資運用会社が3日に24銘柄以上の仮想通貨ETFを新規申請したと報じられた。しかし米国政府閉鎖によりSECの審査プロセスが停止し、承認時期が不透明になっている。
06:10
BNBが1100ドル突破でBNBチェーン銘柄大幅高、CAKEが40%高騰
仮想通貨BNBが3日に1,100ドルを突破したことでBNBチェーンのネイティブプロトコルへの投資家関心が再び高まった。パンケーキスワップのCAKEトークンは24時間で約30%上昇。
05:45
イーサリアム財団、6.6億円相当ETHをステーブルコインに換金予定
イーサリアム財団が4日に1000ETH(6.6億円相当)を売却すると発表した。CoWSwapのTWAP機能を使用し、研究開発や助成金、寄付の資金調達を目的としている。
10/03 金曜日
18:27
野村HD傘下Laser Digital、暗号資産交換業登録を目指す
野村HD子会社Laser Digitalが、日本で暗号資産交換業者登録を目指し金融庁と協議中。スイス発の同社は国内金融機関向け事業展開を計画。
17:37
積立NISAの次は?35歳会社員のイーサリアム投資入門
積立NISA実践中の35歳会社員が、次の投資先として注目するイーサリアムステーキング。月5,000円から始められる暗号資産投資の基礎知識、積立NISAとの違い、リスクと対策を専門家がわかりやすく解説。家族への説明方法も紹介
17:36
月2万円で始めるイーサリアム 35歳会社員の積立シミュレーション
月2万円のイーサリアム積立投資で5年後の資産はどうなる?35歳会社員が実際の数字でシミュレーション。頭金50万円のケースや価格変動パターン別の詳細な試算結果、始め方の3ステップまで具体的に解説します。
13:55
「ミームコインは仮想通貨への入り口として重要」=ギャラクシーデジタル考察
米仮想通貨金融大手ギャラクシーデジタルは最新レポートで、ミームコインはもはや単なるブームではなく、仮想通貨市場への新規参入者誘致に重要な役割を果たしていると指摘した。一方、ごく少数のトークンのみが生き残り、大半は衰退するなど、ギャンブル性が高いことには注意を促した。
13:30
アーサー・ヘイズ、「フランス債務によるユーロ増刷はビットコインを上昇させる」
著名アナリストのアーサー・ヘイズ氏が、フランスの債務問題によるユーロ増刷が仮想通貨ビットコイン価格を押し上げると予想した。ドイツ・日本の資本還流の可能性も指摘する。
10:40
ビットコインに10月の季節的追い風、「アップトーバー」で高騰の可能性=アナリスト分析
ビットコインの10月高騰傾向「アップトーバー」に注目が集まっている。ブルームバーグ、ヤフーファイナンス、JPモルガンなどの分析をもとに、その背景にある季節要因や市場材料を解説。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧