仮想通貨市況
週明け22日の米ニューヨーク株式市場では売り注文が膨らみ、ダウが前営業日比643ドル(1.91%)安、ナスダックが323ドル(2.55%)安と大幅な値下がりとなった。
10日に発表されたCPI(米消費者物価指数)のピークアウト示唆でリスクセンチメントの改善が見られたが、その後FRB(米連邦準備制度)当局者の釘を刺すような発言と金融引き締めに対する強い意思表明が相次いだことで、期待先行分が剥落したか。
26日23時頃(日本時間)に開催される年次経済政策シンポジウム「ジャクソンホール会議」で、FRB(米連邦準備制度)による中・長期期視点のタカ派スタンスが想定される中、ポジションを縮小する動きが広がったことも背景にある。
米長期金利の上昇に伴い、NY外為市場ではドル・インデックスが7月上旬の高値109.294に迫る109.097を観測。数週間分の下落幅を打ち消し、7月中旬以来のドル高水準となった。
米モルガン・スタンレーのAndrew Sheets氏は、「連邦準備制度理事会(FRB)の量的引き締めが来月から本格化する。」と指摘。「金利収入が株式のリターンを上回り、(ドル建て)現金保有の魅力が増している。」との見解を示した。
暗号資産(仮想通貨)市場では先行して下落していたこともあり、今回の米株指数連動は限定的だった。ビットコイン(BTC)は前日比0.75%安の21,298ドルで推移。イーサリアム(ETH)は前日比0.96%高の1,620ドルとわずかに反発した。
イーサリアムのクライアントソフトGo Ethereum(Geth)の最新バージョンであるPromavess v1.10.22にて、TTD(期間中の合計難易度)に変更が見られず、9月15日頃にメインネットのThe Merge(ザ・マージ)を有効にし、予定通りアップグレードされる公算が高まった。
TTDに達すると、イーサリアムのコンセンサスアルゴリズムがPoW(プルーフ・オブ・ワーク)からPoS(プルーフ・オブ・ステーク)へと切り替わり、新規発行量が最大90%減少することなどが材料視される。
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kaikoのレポートによれば、イーサリアムの週間取引量の市場シェアは先週、21年5月のアルトバブル時の55%を超え、2018年以来の最高水準に達した。22年7月中旬時点の38%からわずか数週間で57%までシェアが急増するなどマージ思惑で強気の見通しに偏っていたことで、反落時の大量ロスカットにつながったと見る向きもある。
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ETH先物市場のOI(未決済建玉)は、21日の暴落時に一掃されるも、1ETH=1,600ドルを割り込んだ辺りで再び増加。
ETHのFunding Rate(資金調達率)は急落時にマイナス乖離が膨らむも、2021年の最安値を下回る価格帯である1,600ドル台では押し目買いが観測されている。
いずれにせよ、暗号資産(仮想通貨)も厳しい状況にあることは変わりはない。当面はマクロ経済動向に左右される可能性が高く、26日のジャクソンホール会議(パウエル議長講演)や9月米連邦公開市場委員会(FOMC)通過まで新規ポジションを取りにくい情勢が続きそうだ。
なお、CryptoQuantに投稿したBaro Virtual氏は、「MVRV トリプルリボン」が下落シグナルを発しているとの見方を示した。
実現価値(MVRV)は、投資家の平均利益/損失を評価するために用いられるオンチェーンデータ。
過去数か月間におけるMVRV移動平均線(10日、15日、20日)の傾向を示すグラフであり、過去の事例では短期線が他の2つの移動平均線を上回った場合、平均30%のドローダウンをもたらしたとされる。
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