CoinPostで今最も読まれています

Free to Own(F2O)を提唱する米BCG開発会社「LimitBreak」、270億円を資金調達 エアドロップしたNFTが高騰

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

新しい時代のゲーム開発を目指す

米ユタ州に本拠を置くブロックチェーン・ゲーム開発会社「LimitBreak」(リミットブレイク)は29日、Buckley Ventures(Mino Games創業者のVC)、Standard Crypto、Paradigm Ventures(Web3投資企業)などから、約273億円(2億ドル)の投資資金を調達したと発表。大手暗号資産(仮想通貨)取引所FTXをはじめコインベースの投資部門、コインベースベンチャーズも投資ラウンドに参加した。

リミットブレイクは無料モバイルゲーム「ゲーム・オブ・ウォー」「モバイルストライク」「ファイナルファンタジーXV」などの人気ゲームを開発した米Machine Zone社の共同設立者 Gabriel Leydon氏とHalbert Nakagawa氏により、2021年8月に設立された。Leydon氏は今回の発表にあたり、「ゲーム業界に新しい時代をもたらすために、完璧なパートナー、完璧な投資家、そして完璧なチームが揃った」とコメントしている。

Leydon氏は無料プレイを導入口に課金を促すモバイルゲーム(Free-to-Play)のパイオニアとして知られているが、その時代は終わりつつあると同氏は指摘。リミットブレイクでは、Free-to-Playに代わる新しいビジネスモデル「Free-to-Own」(無料で所有、以下F2Oと表記)の導入にフォーカスするという。

NFTの無料配布から開始

F2Oモデルで重要な役割を果たすのがNFT(非代替性トークン)だ。

NFT とは

「Non-Fungible Token」の略称、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。ブロックチェーン上で管理・取引を行うことで、デジタルコンテンツの作成者、保有者、取引履歴などの情報が保存される。固有のIDが付与されることにより、唯一無二のものであることが証明される

▶️仮想通貨用語集

リミットブレイクは今月初め、NFTマーケットプレイスのOpenSeaで「DigiDaigaku」という2,022個のNFTコレクションのうち、最初のバッチを無料でリリース。運営チームの素性や規模、構想が明らかになるにつれ、同コレクション(DIDA)には投機的な買いも集まり、フロアプライス(市場最安値)は15.97ETH(約300万円)まで高騰している。

OpenSea

Leydon氏が「フリーミント・ゲーム」と呼ぶこのアプローチは、ゲームの発売前にNFTを販売する従来のモデルとは対照的だ。無料のNFTを共有することで、興味を持ったプレイヤーがゲーム発売前からゲームの支持者になり、ゲームの成功を願う伝道者になるとLeydon氏は考えているという。

デジタル資産の一部は、リミットブレイク側が保有する。このシンプルなビジネスモデルが、リミットブレイクが巨額の資金調達に成功した理由であるとLeydon氏は述べている。

P2Eゲームと一線を画す

一方、同じくNFTを利用した最近のトレンドである「P2E(Play-to-Earn=遊んで稼ぐ)」モデルについて、同氏は批判的だ。

少数のP2Eゲームは一定の成功を納めたが、継続的な新規参加者の資本流入が必要な仕組み上、プレイヤーである投資家が結果的に市場価値とNFTの価値下落を招いてしまうため、必然的にP2EからPlay-to-Sell(売るために遊ぶ)へと変化していくと主張する。

このような状況から、同氏はF2Oモデルを思い付いたという。原資ゼロからの出発であるため、プレイヤーは「一刻も早く原資を取り戻す」ためではなく、気長にゲームを楽しむことができるという考えだ。

リミットブレイクに投資したベンチャーキャピタル「Standard Crypto」の共同創設者Alok Vasudev氏は、リミットブレイクのチームは、長年仮想通貨を研究した結果、ゲームの未来はF2Oにあると確信していると指摘している。

このチームは、これまで「型破りなアプローチをとっても、最終的には正しいやり方として採用される」能力を発揮してきたと高く評価。チームの成功は、心理学や社会学に基づき、ゲームが生活の一部となるには何が必要なのかについて、「一段上の見解」を有していることが大きいと述べた。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
10/11 金曜日
08:55
マウントゴックス、弁済期限を25年10月末まで1年延長
マウントゴックスは弁済期限を25年10月末まで1年延長すると公表。仮想通貨ビットコインの売り圧軽減につながる可能性があるとの声が上がっている。
08:15
ドバイ仮想通貨規制当局、7つの無許可事業体に罰金と停止命令
ドバイの仮想資産規制当局(VARA)は、必要なライセンスを取得せずに営業し、マーケティング規制に違反した7つの事業体に対して罰金を科し、業務停止命令を出したと発表した。
08:00
トランプ氏の仮想通貨プロジェクト「WLF」、2200億円の評価額で445億円調達へ
米国のドナルド・トランプ前大統領と息子たちが関与する仮想通貨DeFiプロジェクト「ワールド・リバティ・ファイナンシャル(WLF)」が、来週からトークンの初期販売を開始する計画が明らかになった。
07:30
リップル社、米SECを交差上訴へ
リップル社が仮想通貨XRPを巡る裁判で米SECを交差上訴へ。もう争点は残されていないことを明確にすると同社の最高法務責任者が述べている。
06:35
リップル、Ripple Custody拡充
米リップルは10月10日、銀行やフィンテック企業向けの仮想通貨カストディサービス「Ripple Custody」の機能を大幅に拡充したと発表した。
06:15
米SEC、カンバーランドを仮想通貨取引の「無登録ディーラー」として告発
米証券取引委員会は10月10日、仮想通貨取引会社カンバーランドDRWに対し、無登録のディーラーとして3,000億円以上の仮想通貨産取引を行ったとして訴訟を提起した。
10/10 木曜日
15:00
ステーブルコイン需要、ラテンアメリカで急増=Chainalysis
チェイナリシスの最新レポートによると、ラテンアメリカでステーブルコインの需要が急増している。同地域においてステーブルコインは、自国通貨の価値下落への対策として、重要な金融ツールとなっている。
14:05
イーサリアム創設者ヴィタリック氏、ノーベル経済学賞候補に値する? 著名経済学者が評価
著名経済学者コーエン氏とタバロック氏が対談。イーサリアム共同創設者ヴィタリック氏がノーベル経済学賞に値すると評価。ビットコイン創設者サトシ・ナカモトについても言及。
13:15
Bitlayer Labs、13億円追加調達 ビットコイン基盤のレイヤー2ネットワーク開発を加速
ビットコインのレイヤー2ネットワークを開発するBitlayer LabsがシリーズAの延長ラウンドで900万ドルの資金調達に成功した。
10:45
ポリマーケット、8割以上のウォレットが利益を得られず
分散型予測市場ポリマーケットで約87%のウォレットが利益を得られなかったことが、LayerHubのデータで示されている。また、多くの利益を獲得できることが珍しいこともわかった。
10:10
ビットコイン下落幅緩和、需要の影響で市場は安定か=Glassnode
Glassnodeの最新レポートによるビットコイン市場分析。需要層により下落幅が緩和される一方、先物建玉の影響で価格変動のリスクも。
07:40
BTCが8万ドルに到達するための条件、Bitwiseが分析
仮想通貨ビットコインが2024年に8万ドルに到達するための条件をBitwise幹部が分析。今回、合計4つの条件を挙げている。
06:58
米VanEck新設の44億円ファンド、仮想通貨やAIセクター投資へ
ビットコインETFの発行企業である米投資企業VanEck傘下のVanEck Venturesは、フィンテック、デジタル資産、AI(人工知能)分野の革新的なスタートアップ企業に投資する3,000万ドル(44億円)の初期段階ファンドとして新たに立ち上げられた。
06:30
米当局、仮想通貨相場操縦で14人と企業を告発 ミームコイン市場にも関係か
米国ボストンの連邦検察は9日、仮想通貨における市場操作と見せかけの取引で金融サービス会社を刑事告発した初の事例として、4社と個人14人を起訴した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア