はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

Web3企業の給与実態、トークン報酬など= 大手VC調査報告

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Web3スタートアップの給与実態

暗号資産(仮想通貨)の分野の大手ベンチャーキャピタル企業Framework Venturesは1日、Web3(分散型ウェブ)のスタートアップ18社への匿名調査に基づいて、給料やトークンインセンティブの実態を報告した。

調査は、Frameworkのポートフォリオ企業18社を対象に22年5月~6月に実施された。回答者は中央管理型企業、分散型プロトコル、DAO(分散型自律組織)といった多様な組織が含まれ、従業員規模も2~80人と多岐に渡る。

レポートによると、アーリーステージのWeb3プロジェクトの創業者の基本給のレンジは年間約1,400万円(10万ドル)~2,450万円(17万5,000ドル)。より後期段階の企業では約2,450万円~3,150万円(17万5,000ドル〜22万5,000ドル)に上る。

非創業者役員の場合、給与レンジは年間12万ドル~16万ドルと創業者より高く、後期段階では年間22万5,000ドルを超える水準になる。C職の中でも、特に技術責任者とセールス責任者、収益責任者の報酬が高いそうだ。

人材が不足しているエンジニアは全体的に高水準にあるが、給与レンジは10万ドル~17万5,000ドルと幅広い。しかし、15%強のエンジニアはこの水準を上回り、最高で年間4,200万円(30万ドル)近くに及ぶケースもあり、生活水準の低い国のエンジニアでは10万ドル未満という事例もある。なお、全体として給与は米国企業が高水準にある。

出典:Framework Ventures

非技術職では事業開発が最も高給で6万ドル~12万ドルのレンジとなる。マーケティングは8万ドル~10万ドルで、ファイナンスも同水準であるが、より後期のステージから雇用される。

オペレーション、デザイン、人事/採用、およびコミュニティ管理などは比較的低い水準にあり、非幹部の給与最高額でも年間12万ドルだった。

なお、多くのプロジェクトがステーブルコインで報酬を受け取っている。国際的なチームの50%以上が、米ドル連動型ステーブルコイン「USDCoin(USDC)」を給与の支払い方法として用意している。一方、米国に本社を置くチームの回答者の大多数(>80%)は米ドルを使用しているが、請負業者への支払い方法としてUSDCを一般的に用意する。

関連:「新しい資本主義はWeb3.0」 Astar Network 渡辺CEOが自民党の河野太郎氏、平将明氏と対談

トークン報酬と持ち株比率

Web3プロジェクトのトークン報酬に関して、総発行量に占める分配率は株式会社のストックオプションと比較して低い水準にある。

Framework Venturesによると、往々にしてアーリーステージの企業創業者は全体の約80%の株式を所有し、資金調達を経て30~50%に希薄化していく。一方、分散型プロジェクトの創業チームのトークンシェアは総発行量の8~12%に留まる。その他、非創業者役員のトークン報酬は発行量全体の1〜4%、エンジニアが0.1~ 0.4%となっている。

仮想通貨人材紹介会社Up Topの創設者Dan Eskow氏によると、従来のインターネット産業と比較して、Web3スタートアップの給与水準は同等。そのため、「トークンのアップサイドがどれだけ見込めるかが鍵になる」と米Coindeskに述べている。

Framework Venturesのオペレーティング・パートナーで調査を主導したDaniel Mason氏は、「求職者にとって、弱気市場は業界に参入する最良のタイミング」と主張する。プロジェクトやトークンの評価額が下落している時に条件を決める方が有利と考えているようだ。

Framework Venturesは業界の透明性を高め、スタートアップと求職者にとってより良い環境にするためにレポートを発行したという。

Web3.0とは

現状の中央集権体制のウェブをWeb2.0と定義し、ブロックチェーン等を用いて非中央集権型のネットワークを実現する試みを指す。ウェブ3.0(Web3.0)は、Web1.0およびWeb2.0に続く、ウェブサイトおよびインターネットの潮流、特徴および構造を表している概念。代表的な特徴は、仮想通貨ウォレットを利用したdAppsへのアクセスなど、ブロックチェーンをはじめとする分散型ネットワークのユースケースがある。

▶️仮想通貨用語集

関連:「NFTを国の成長戦略に」自民党デジタル社会推進本部・平将明議員インタビュー

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/24 水曜日
17:57
2025年の調整局面 過去サイクルの「仮想通貨の冬」との違いは?
2025年後半、仮想通貨市場は調整局面を迎えている。しかし過去2度の「冬」とは決定的に異なることがある。トランプ政権の支援、ETF普及、規制整備が同時進行。従来の4年サイクルが崩れる可能性も。2026年の市場展望を専門家の見解とともに解説する。
16:51
ガーナで仮想通貨取引が合法化、2024年取引高は4700億円規模
アフリカのガーナ議会が仮想資産サービスプロバイダー法案を可決し、約300万人が利用する仮想通貨取引を正式に合法化。中央銀行がライセンス発行・監督を担当し、2024年の取引高は4,700億円規模。個人の取引を保護しつつ、事業者には厳格な規制を適用する新たな枠組みを解説。
14:17
ビットコインとイーサリアムに資金集中 仮想通貨市場は年末調整局面へ=Wintermute分析
大手マーケットメーカーWintermuteの分析によると、仮想通貨市場ではビットコインとイーサリアムへの資金集中が加速。機関投資家は夏以降一貫して買い圧力を維持し、個人投資家もアルトコインから主要通貨へローテーションを開始している。
13:25
取引所クリプトドットコム、スポーツ予測市場でトレーダー募集 利益相反の懸念も
仮想通貨取引所クリプトドットコムがスポーツ予測市場のトレーダーを募集している。流動性提供を担当する職務内容だが、利益相反に当たるとの議論も浮上している。
10:20
ブラックロック、ビットコインETFを「今年の3つの投資テーマ」に選出
最大手資産運用会社ブラックロックが、仮想通貨ビットコイン現物ETF「IBIT」を2025年の上位3つの投資テーマに選出した。米国債などと並ぶ投資先として位置づけている。
09:46
コインベースがベース経由でSOL入出金に対応
コインベース取引所が23日、ベースネットワーク経由でのSOL入出金機能を開始。チェーンリンクとの協力により、外部ブリッジを使わずソラナとベース間の直接送金が可能に。ただし日本を含む一部地域では利用制限あり。
09:45
IMF「エルサルバドルのBTCプロジェクトに関する議論は継続中」
IMFは、エルサルバドルに関する職員の報告を公開。報告は40カ月間の中期融資制度のレビューに関する内容で、同国の仮想通貨ビットコインのプロジェクトにも言及している。
08:30
米Amplify ETFs、ステーブルコインとトークン化特化の新ETFを上場
米Amplify ETFsがステーブルコイン技術とトークン化技術に投資する2つの新ETFを発表した。ステーブルコイン市場は2030年に3兆7000億ドル、トークン化資産は3兆6000億ドルへの成長が見込まれている。
07:20
ロシア中銀、適格投資家以外の仮想通貨購入の認可を政府に提案
ロシア中銀は、仮想通貨規制のコンセプトを考案して政府に対して法改正の提案を行ったと発表。提案の内容や今後の計画を説明している。
06:55
ソラナ特化型ウペクシ社、シェルフ登録で柔軟な資金調達体制を構築
米上場のソラナ特化型企業ウペクシが米SECにシェルフ登録届出書を提出し、未使用のエクイティラインを解約する計画を発表した。資本調達の効率性向上とコスト削減を目指す動きとなる。
06:20
ビットコイン、金・銀と乖離し上昇に遅れ 大口売り圧力が要因に
仮想通貨ビットコインは金や銀と異なり最高値から30%下落したまま推移。8月以降ナスダックとの相関が乖離し、大口プレイヤーからの売り圧力が上昇を阻んでいると分析された。
05:35
米アリゾナ州、仮想通貨免税法案を提出
米国アリゾナ州で仮想通貨を州税から免除する法案が提出された。連邦レベルでは200ドル未満のステーブルコイン取引を非課税とする超党派法案の草案が発表された。
12/23 火曜日
18:30
CircleのStableFXとは?外国為替をステーブルコインで効率化する戦略を読み解く
1日1,400兆円超のFX市場に、Circle社がステーブルコインで挑む。StableFXの仕組み・強み・日本円ステーブルコインJPYC採択の背景まで、戦略を読み解きます。
18:16
ビットコイン、インフレ調整後の購買力ベースでは10万ドル突破せず=Galaxy分析
ギャラクシー・デジタルの研究者がインフレ調整後、ビットコインは「真の10万ドル」に未達と指摘。しかし日本の投資家は円安効果により米国投資家を大きく上回る実質リターンを獲得。円キャリートレードの典型例を分析。
18:00
edgeX(エッジエックス)とは?エアドロップ情報・使い方を解説
edgeX(エッジエックス)は累計取引高5,900億ドル超の永久先物DEX。独自トークンの発行やエアドロップも予定されています。本記事では特徴や使い方、流動性提供の方法、手数料・リスクまでわかりやすく解説します。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧