イーサリアムの経済圏と接続
ブロックチェーン開発企業Peersystは17日、イーサリアム(ETH)の仮想マシン(EVM)と互換性のある、分散型台帳「XRP Ledger(XRPL)」のサイドチェーンのテスト版をリリースしたことを発表した。
このサイドチェーンの開発目的は、XRPLでイーサリアムのスマートコントラクトを活用できるようにすること。サイドチェーンを導入することで、ネットワークの相互運用性を持ったアプリを作りたい開発者の参入障壁を下げることを目指している。また、導入が完了すれば、サイドチェーン上のイーサリアム経済圏で、暗号資産(仮想通貨)XRPを利用できるようにもなるという。
📢Thrilled to announce the launch of the first #XRPL #Sidechain compatible with #EVM!🔗
— Peersyst Technology (@Peersyst) October 17, 2022
This #Devnet version with its #Explorer and #Bridge is the first step to open a world of gigantic possibilities to all developers and businesses that put their trust in @Ripple @RippleXDev 🔐 pic.twitter.com/9BumdUbBp7
EVMと互換性のあるサイドチェーンがXRPL向けに開発されていることは、昨年に明らかにされていた。今回のリリースはあくまで第一段階で、まだ開発者向けのネットワーク「Devnet」上でしか利用できない。しかし、XRPLの開発者にインフラやツールの提供などを行うRippleXは、今回のリリースは重要な到達点だとした。
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これで、より多くの開発者がXRPLの機能に容易にアクセスできるようになり、「Solidity」で書かれたイーサリアムのスマートコントラクトをXRPL上に持ち込むことも可能になる。また第一段階では、Devnet上のXRPを、ネットワーク間で交換できるようにもなるとRippleXは説明。さらに、EVMと互換性のあるブロックチェーンとXRPLをつなぐブリッジも導入する計画だとした。
Solidityとは
スマートコントラクトを実装するために利用されるプログラミング言語。C++、 Python、JavaScriptといった言語を参考にして、EVM向けに作られている。
▶️仮想通貨用語集
今後の予定は、2023年初頭に第二段階を開始。ここではパーミッションレス(自由参加型)のサイドチェーンやブリッジをテストする計画で、制限された環境で参加者を増やしてスケーラビリティ(拡張性)を実験する。
その後は、時期は明記されていないものの、最後となる第三段階へ移行。ここでパーミッションレスなEVM互換のサイドチェーンとブリッジをXRPLのメインネットで展開できるようにする。
この三段階を通して、EVM互換のサイドチェーンがXRPLのメインネットと同等にブロック生成やファイナリティを行えるようにしたり、メタマスクなどのアプリをサポートできるようにしたりしていくとした。
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開発の背景
今回の目的は、EVM互換のサイドチェーンを開発し、ブリッジを介してXRPLと接続すること。以下のような仕組みで、XRPLとイーサリアムの経済圏をつなぎ、Solidityの開発者を呼び込むことが目的である。
多くの開発者やプロジェクトと同様にXRPLも、活発なイーサリアムの経済圏との接続を目指したが、XRPLには処理速度が速いことや手数料が安いことなどの独自のメリットがある。XRPLをEVM互換にするとこれらのメリットが損なわれる可能性があるため、米リップル社とPeersystが組み、サイドチェーンを導入することになったとRippleXは説明した。