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アルゼンチン当局、違法な仮想通貨マイニング事業を摘発

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

電力を盗む違法マイニング事業者を捜査

アルゼンチンの公共歳入連邦管理庁(AFIP)は20日、違法に運営されていた暗号資産(仮想通貨)マイニング事業を摘発したと発表した。70件の家宅捜索を行い、40人を逮捕している。

AFIPは、容疑者らが電力を盗んでマイニングを行い、約4,900万円(約5,000万アルゼンチンペソ)の経済的損害を発生させていたと説明した。AFIPは、国税、関税、社会保障などを管理するアルゼンチンの政府機関で、デジタル資産分野の管理・監督業務も行っている。

捜査当局は、今回の作戦でマイニング機器の他、電気を盗むためのケーブルやさまざまな種類のコネクターも発見した。また、電力メーターを改ざんするための装置や、書類、携帯電話、電子機器などを押収した。

なお、ケンブリッジ大学の最新データによれば、アルゼンチンが世界のビットコイン(BTC)ハッシュレートに占める割合は、0.06%のみだ(2022年1月時点)。

ハッシュレートとは

マイニングの採掘速度のこと。日本語では「採掘速度」と表現される。マイニング機器の処理能力を表す際や仮想通貨のマイニングがどれくらいのスピードで行われるかを示す指標として用いる。

▶️仮想通貨用語集

アルゼンチンの仮想通貨マイニング動向

違法マイニングを取り締まる一方、アルゼンチンでは国営企業の仮想通貨マイニング関連プロジェクトも動き出している。

アルゼンチンの国有石油会社YPFは2日、試験的な仮想通貨マイニングプロジェクトについて発表。子会社を通じて、油田採掘現場で、通常は焼却処分されてしまうフレアガスを活用して、ビットコイン(BTC)マイニングに1メガワットの電力を供給する取り組みだ。

同社のマルティン・マンダラーノCEOは、アルゼンチン南部の大規模な油田Vaca Muertaで、すでに3か月間実施されていると説明した。

油田の隣に、モーター発電機を設置して発電することで、環境に悪影響を与えるフレアガスの量を削減し、付加価値に変えることができる仕組みだ。

発電機は移動可能なものとして設計されているため、ある油井の掘削が終わった後には、新たな油井の隣に移動させることが可能。通常は、電力の供給先まで遠距離の送電設備を整える必要があるが、オンサイトで発電することで、それも不要になる。

マンダラーノ氏は、年内に2つ目の試験プラント(8メガワット規模)も開設する予定だと話した。

通常ならばフレアガスを再利用する取り組みはこれまで米テキサス州の石油企業でも行われた事例がある。

関連:米石油大手企業、ビットコイン採掘業者にフレアガスを提供

採掘拠点としての有望性

ナスダック上場のビットコインマイニング企業Bitfarmsは9月、アルゼンチンでマイニングファームの運営を開始している。2021年10月に着工した施設について、マイニング可能な段階まで建設が進んだ格好だ。

現在の段階では10メガワットを生成しており、将来的には50メガワットの電力容量で、2.5エクサハッシュ/秒(EH/s)の計算能力を持つようになる見込みだ。2023年半ばには完全稼働する予定。完成すれば同社における最大規模のマイニング施設になる。

なお、エクサハッシュとは1秒間に100京回のハッシュ計算ができる能力を指す。

過去には安価なコスト故にマイニング拠点だった中国より低い電力コストもアルゼンチンが新たな採掘拠点の一つとして着目される大きな要因だ。

出典:GlobalPetrolPrices

2000年以降、アルゼンチンは度々新興国の平均を超えるインフレに悩まされてきたほか、元来電力コストが低かった上に政府が助成金を支援している。

関連:インフレに苦しむアルゼンチン、仮想通貨マイニングに活路

貯蓄手段として注目

ハイパーインフレに苦しむアルゼンチンでは、外貨購入も制限されるなどの状況で仮想通貨が注目を集めてきた。法定通貨ペソの価値が下落する中、代替貯蓄手段とみなされている形だ。

米国のデータ会社モーニング・コンサルトが6月に発表した調査結果によると、地元の銀行にペソで預けている貯蓄について、2年以上価値を保つと信じるアルゼンチン人は約3分の1に過ぎなかった。

さらに、調査対象となったアルゼンチン人の60%近くが、ビットコイン(BTC)については2年以上、貯蓄の価値を維持すると考えていることも示された。

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