はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

Web3関連企業の資金調達額、前四半期比で減少も過去最高更新の背景は VC投資動向から紐解く業界トレンド

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

VCファンドの資金調達動向を分析

米暗号資産(仮想通貨)投資企業Galaxy Digital社は27日、2022年第3四半期のVCファンドによるブロックチェーン業界への資金調達動向を分析したレポートを発表した。

長引く下落トレンドの影響で前四半期からペースは落としはしたものの、3Q時点ですでに2021年の年間調達額を上回り、過去最高を更新している。

仮想通貨・ブロックチェーン業界におけるVC(ベンチャ・キャピタル)ファンドからの資金調達額は、2017年以降5年連続で上昇を続ける格好となった。この成長率は、AIや機械学習、半導体など他の成長分野と比較しても類を見ない規模と言える。

出典:Galaxy Digital

2022年度末まで残り3ヶ月を残す中、Galaxy Digital社の調査によれば、2022年の資金調達総額はすでに324.9億ドル(4.8兆円)に上り、2021年の資金調達を約45%も上回っている。

出典:Galaxy Digital

VCの出資する他業界と比較しても、平均を大きく上回る評価額と資金調達規模を記録している。

Q2からの変化

年間資金調達額を参照すると、テラ(LUNA)ショックや大手VCThree Arrows Capital(3AC)の破綻で仮想通貨市場の暴落した今年5月(Q2)以降は陰りも見える。

2022年Q3の資金調達額は、過去最多の資金調達額となった2022年Q2から80%近くも減少。年間成績が好調だった要因は、上半期に歴史的なファンドレイジング(非営利活動の資金集め)が完了した結果との見方もある。

出典:Galaxy Digital

米大手仮想通貨投資企業のGalaxy Digitalは、「22年Q3において、518件もの案件が総額55億ドル(8,100億円)の資金調達に成功した」と説明。この数値は前四半期比で大幅減少しているものの、過去7年間の平均額(31億ドル)を大幅に上回っている。

また、Q3とQ2では以下の点で変化が確認されたと分析した。

  • 設立年度
  • 投資ラウンド
  • 注目カテゴリー

Galaxyは、「Q3の資金調達では、設立年度2018年と2021年の新興企業が特に人気を集めた」と分析。前四半期と比較すると、2021年のプロジェクトの調達額が増加したと指摘。前四半期までは2015年や2017年、2018年に設立された企業の資金調達も目立っていたが、新たなニーズに応える企業への注目が高まったと考察した。

特に2021年に設立された企業は、Web3やNFT(非代替性トークン)やDAO(自立分散型組織)、メタバース(仮想現実)、ブロックチェーンゲーミングなど、最近注目を集めている領域に特化・専門とする傾向が見受けられたという。

22年Q2まで主導していたセクターである「トレード/取引所/投資/レンディング」に対し、今四半期からは「Web3/NFT/DAO/Metaverse/Gaming」のセクターが資金調達額面で追い付き始めており、Q3においては資金調達規模で後者が逆転1位となっている。

出典:Galaxy Digital

Web3領域以外では、ブロックチェーン企業も3位にランクインした。

Q3においては、過去9ヶ月間(21年Q4〜22年Q2)のトレンドを覆す形で、起業直後の段階を示すアーリーステージのスタートアップ企業が人気を集めた。Q3における資金調達総額の内、64%相当の36億ドル(5,300億円)はこのような企業に出資された格好だ。調達件数ベースでもレイターステージの企業では減少が確認された。

出典:Galaxy Digital

この点についてGalaxy Digital社は、「2021年のような強気相場が幕を閉じ、過去のサイクル中に投資した企業が成長した現在、VCファンドは成長領域のWeb3やメタバース、NFTやゲーミングなど”次の波を予測する動き”として初期プロジェクトに投資している」と分析。

出資額の中央値も継続増加している点などを踏まえ、VC投資家からは高い確信度が伺えると評した。

Web3とは

ウェブ3.0(Web3.0)は、Web1.0およびWeb2.0に続く、ウェブサイトおよびインターネットの潮流、特徴および構造を表している概念。代表的な特徴は、仮想通貨ウォレットを利用したdAppsへのアクセスなど、ブロックチェーンをはじめとする分散型ネットワークのユースケースがある。

▶️仮想通貨用語集

関連:NFT(非代替性トークン)とは|主な特徴と将来性を解説

関連:次世代の仮想空間サービス「メタバース」とは|ブロックチェーンとの関係も解説

なお、金融市場全体の弱気トレンドを受け、大手VC「a16z(アンドリーセン・ホロウィッツ)」が提供する主要仮想通貨ファンドの価値は、今年の上半期で約40%減少している模様だ。

関連: a16zの主要仮想通貨ファンド、今年の上半期で40%価値減

活発な拠点ランキング

一方で、資金調達額の大半は依然として米国が対象となった。資金調達を完了した事例では英国が2位にランクインした。企業の拠点とその国にある企業の調達シェアは以下の通りだ。

  • 米国:45%
  • バハマ:18%
  • EU圏:14%
  • シンガポール:11%

業界企業Coincubが10月上旬に発表したレポートでは、米国やシンガポール、英国は仮想通貨関連企業の活発さランキングで上位を占めていた。特に、米国では22年Q3において100社以上の仮想通貨関連企業が設立された。

関連:世界の仮想通貨ランキング|ドイツが総合1位をキープ、日本は27位へ転落

業界他社のVC資金調達レポートは

一方、業界メディアCointelegraphの調査部門がVCレポートによれば、Q3の資金調達総額は前四半期に比べ66%減少。こちらは最も多くの資金流入を記録したのはWeb3分野だったと分析している。

出典:Cointelegraph Research

関連:仮想通貨業界へのVC投資額が6割減 Web3分野への投資が集中|2022年Q3

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/05 金曜日
19:26
テザー投資家が英政党に史上最高額寄付 改革党に18億円相当
ステーブルコイン発行会社テザーの投資家クリストファー・ハーボーン氏が英国改革党に900万ポンド(約18億円)を寄付し、存命個人からの政党寄付として史上最高額を記録。米国でもトランプ大統領が選挙期間中に仮想通貨業界から2600万ドル超を集めるなど、仮想通貨資金が英米両国の政治に影響力を持ち始めている。
18:40
Cloudflare障害でコインベースなど取引所が一時アクセス不能 11月に続き再発
12月5日夕方、Cloudflareの障害により、コインベースやクラーケンなど複数の仮想通貨取引所とDeFiプロトコルのユーザーインターフェースが一時的にアクセス不能に。11月18日に続く障害で、インフラ依存のリスクが再び浮き彫りとなった。
17:24
米上場AlphaTON Capital、約630億円調達へ TONトークン取得とAI投資
ナスダック上場のデジタル資産運用企業AlphaTON Capitalが、米SECに4億2069万ドル(約630億円)の資金調達枠を申請。TONトークンの追加取得とテレグラムのCocoon AIネットワークへの投資を計画。TONエコシステムへの機関投資加速が見込まれる。
14:30
チェーンリンク現物ETF、初日に64億円の流入で好調 ソラナETFからは最大流出
仮想通貨チェーンリンク現物ETFの取引初日に64億円が流入し好調な滑り出しとなった。一方ソラナ現物ETFからは過去最大の資金流出があった。
14:00
国際通貨基金(IMF)、ステーブルコインの規制断片化に警鐘 
国際通貨基金が今週、ステーブルコイン市場の評価報告書を公開し、各国の規制枠組みの断片化が金融安定性を脅かし監視を弱体化させ、国境を越えた決済の発展を遅らせていると警告した。
13:30
CZとピーター・シフが激論交わす、ビットコインvs金「どちらが真の価値保存手段か」
バイナンス創設者CZ氏と金支持派エコノミストのシフ氏が4日、ドバイでビットコイン対トークン化金の討論を実施。金塊の真贋確認場面が話題となり、検証可能性や価値保存機能をめぐり対照的な見解を示した。
12:00
アジア最大級のWeb3カンファレンス「WebX2026」、チケット販売開始
アジア最大級のWeb3カンファレンス「WebX2026」が2026年7月13日・14日にザ・プリンスパークタワー東京で開催。本日よりVIP Pass、Business Pass、Booth Passのチケット販売を開始。開幕セール価格は2月28日まで。
11:52
ビットコイン、政府系ファンドは8万ドル台で買い増し 日銀政策と円キャリートレードにも注目
ブラックロックのフィンクCEOは、複数の政府系ファンドがビットコインの大幅下落局面で買い増していたことを明らかにした。一方、CryptoQuant CEOは2022年のような大暴落は起きにくいと分析。市場は12月の日銀政策決定に注目、円キャリートレードの動向がビットコイン含むリスク資産に影響を与える可能性を考察する。
11:20
「ストラテジー社は株価指数から除外されてもBTCを売却しないだろう」Bitwise
Bitwiseのマット・ホーガン最高投資責任者は、ストラテジー社は株価指数から除外されてもビットコインは売却しないだろうとの見方を示した。その根拠を説明している。
10:15
XRPレジャーの流通速度が年間最高値を記録 オンチェーン活動が急増=CryptoQuant分析
XRPレジャーの流通速度流通速度が12月2日に年間最高値0.0324を記録。大口保有者による2100億円規模の買い増しや取引所準備金の減少など、オンチェーン活動の活発化が確認された。CryptoQuant分析。
10:05
年末にかけての下落リスクを軽減する価格帯は? ビットコイン最新市場分析=Glassnode
Glassnodeが仮想通貨ビットコイン市場の最新週間レポートを発表。需要低迷と含み損拡大の中、年末の下落リスクを抑える価格帯などを分析している。
08:55
JPモルガンがストラテジーのビットコイン売却回避能力を評価、「マイナーの動きより重要」
JPモルガンのアナリストが、ストラテジーのビットコイン売却回避能力がBTC価格の短期見通しにおいてマイナー活動より重要だと分析した。
08:20
21シェアーズ、米国初のスイ(SUI)連動2倍レバレッジETFを上場
21シェアーズが米国証券取引委員会の承認を得て、スイ(SUI)の価格に連動する初のレバレッジETFをナスダックに上場した。日次リターンの2倍を提供する商品で、スイエコシステムに関連する初のETFとなる。
08:10
「政府系ファンドは相場下落時にBTCを買い増し」ブラックロックのCEO
ブラックロックのラリー・フィンクCEOは、複数の政府系ファンドが仮想通貨ビットコインを購入していると明かした。相場下落時に買い増ししている様子も伝えている。
07:25
ソラナとベース間ブリッジが稼働開始、チェーンリンクとコインベースが安全性確保
レイヤー2ベースチェーンがソラナとのブリッジをメインネットで正式稼働。チェーンリンクCCIPを採用し、両チェーン間でのトークン移動と取引が可能になった。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧