AnifieのXRPL採用
米メタバース企業Anifie, Inc.は24日、開発するNFT(非代替性トークン)マーケットプレイス及びメタバースの基盤として、XRPレジャー(XRPL)の実装を完了したことを発表した。
同社のNFTメタバース「Anifie」は、アーティストとファンをつなぐオンラインバーチャルコンサートルームの使用やNFT電子市場の利用が可能なサービス。
これまでAnifieは、イーサリアム(ETH)をバックボーンとするメタバースを提供。決済対応もしてきたが、新たにXRPレジャー(XRPL)への対応を開始。イーサリアムウォレットMetamaskだけでなく、XRPウォレットXummを接続して利用できるようになった。
Anifie社は、低コストで安全にNFTを発行できるXRPレジャーにより、様々な価格帯のコンテンツの提供が可能になり、ROI最大化や一般消費者向けのサービス拡大につながると指摘。XRPレジャーについて、以下のように評価している。
XRPレジャーは2012年の稼働以降、10年間一度も障害がなく7,000万以上のレジャー(ブロック)を処理した実績があり、他の多くのブロックチェーンに対して圧倒的に高い安定性と信頼性があります。また、取引手数料が高額な「イーサリアム」に対して、安価に取引が実行できるというメリットもあります。
XRPレジャーでは10月末に、NFT作成をより効率化するための規格(XLS20)が実装されたばかり。スマートコントラクトを使わずに簡単にNFTを発行でき、開発者としてはセキュリティリスクや複雑さを回避して、NFTを運用できる利点がある。
Anifie社は、米リップル社が21年に設立した2億5000万ドル(約380億円*執筆時点のレート)のクリエイター・ファンドから支援先企業として選ばれた経緯がある。XRPレジャーのNFTエコシステム育成を目的とした同ファンドにて、日本人が代表取締役をつとめる企業としては初めて。
Anifie社はクリエイター・ファンドから得た資金で、日本の強みであるコンテンツ・IPをメタバース事業に活かしていく方針を表明。アイドルのファンなど、熱狂性のあるコミュニティを、メタバース上で展開する意向を示している。
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Anifie社とは
カリフォルニア州に本社を置くAnifie社は、メタバース・Web3関連の開発力が高く評価されている。スタンフォード大学のアクセラレータ「StartX」、カリフォルニア大学バークレー校のWeb3特化型アクセラレータ「Berkeley Blockchain Accelerator」の支援を受けており、シリコンバレーで著名な投資家「Sandhill Angels」から投資を受けている。
Anifie社の岩崎洋平代表取締役は、司法のバックグラウンドを有し、クリーンテック企業の経営や福島第一原発事故後の後処理への関与など、社会貢献事業に貢献してきた人物。
Facebookなどソーシャルネットワークによる若者への悪影響が認識される中、新たなインターネット体験を模索しているとリリースで述べた。
今後、日本の強力なコンテンツIPを、一般の消費者やファンに届けることで、「皆が、自分自身でいられて、熱狂でき、帰属感を感じられる」インターネットというビジョンに向けて近づきたいと考えています。
米リップル社戦略及びオペレーション担当バイスプレジデントである吉川絵美氏によると、XRPレジャーでは金融機関による国際送金からWeb3の多様なユースケースへと利用が拡大しており、世界中でコミュニティ主導のプロジェクトが立ち上がっている。
AnifieのXRPL採用について、吉川氏はリリースで以下のように述べている。
国際送金のユースケースで長年に渡って金融機関に使われてきた実績があり、パブリックブロックチェーンの中でも、特にエンタープライズグレードの信頼性の高いチェーンです。
元弁護士の連続起業家が経営するAnifieが、XRPレジャーを活用するメタバース事業を日本の企業や個人に対して展開して、メタバースを浸透させていくことを大変期待しています。
Web3とは現状の中央集権体制のウェブに対して、ブロックチェーンを活用して非中央集権型のネットワーク上で実現するサービスやコンテンツ、エコシステム全体を指す。主に暗号資産やDeFi(分散型金融)、NFT、DAO(分散型自律組織)、メタバースといったユースケースが発展している。
11月にはNTTドコモがWeb3領域に6000億円規模の投資をすることが明らかになった。Web3専門の新会社を設立し、2023年度以降に事業を開始する。5〜6年間で5000億〜6000億円を投資する方針を示していた。
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