WebX完全ガイド
TOP 新着一覧 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

JPモルガン「仮想通貨取引所からDEXへの構造的な転換には懐疑的」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

CEXからDEXへの構造転換

米大手金融企業JPモルガンは24日、暗号資産(仮想通貨)エコシステムで予想される今後の変化に関して、新たなレポートを発表。同社のアナリストはFTXの破綻にもかかわらず、中央集権型取引所(CEX)から分散型取引所(DEX)への構造的な転換には懐疑的だと述べた。

執筆者のNikolaos Panigirtzoglou氏は、仮想通貨取引全体に占めるDEXの割合がここ数週間で増加したのは「仮想通貨価格の暴落とFTXの破綻に伴うレバレッジ解消/自動清算を反映している可能性が高い」と主張。市場参加者のCEXに対する信頼低下については言及しなかった。

同氏は、大規模な取引を行う機関投資家にとって、DEXは取引速度の遅さ、取引戦略および取引量がブロックチェーン上で追跡可能であるなどから十分な対応ができないと見ている。「分散型金融 (DeFi)が主流になるには様々な障害がある」と述べ、次のように指摘した。

  • 市場の価格発見機能 – DEXも主にCEXのデータを入手するオラクルに依存
  • スマートコントラクトのリスク(ハッキングやプロトコル攻撃への脆弱性)
  • 管理・監査・ガバナンスとセキュリティのバランス
  • 担保が一定水準を下回ると自動清算されることによるシステミックリスク
  • 伝統的な金融に対してDeFiの過剰な担保要件のデメリット
  • DEXにおけるフロントラン
  • 指値注文・ストップロス機能がないこと
  • DeFiではリスクとリターンのトレードオフを評価することが困難
  • 機関投資家が流動性プールへの資産のプール化を敬遠する可能性

以上のような理由から、「特に大規模な機関投資家にとって、当面CEXは仮想通貨エコシステムにおいて大きな役割を果たし続けるだろう」とレポートは結論づけた。

JPモルガン・チェースとは

JPモルガン・チェース(米ニューヨーク)は、総資産、収益力、時価総額で世界最大規模を誇る「総合金融グループ」。ブロックチェーンの開発も行っており、JPMコインという米ドルに価値が裏打ちされたステーブルコインも発行している。「Onyx」部門を中心として仮想通貨・ブロックチェーンにも注力していることで知られる。

▶️仮想通貨用語集

規制推進が加速

レポートはまた、FTXの破綻により、すでに進行中の規制イニシアチブが前倒しされる可能性を指摘した。

例えば、欧州連合による仮想通貨に関する包括的な法案「MiCA」は、年内に最終承認が行われる可能性が高いが、規制が発効するまでの移行期間(最大18ヶ月)が短縮されるような、圧力がかかる可能性があると述べた。

関連:欧州の大型仮想通貨法案MiCA、最終投票は2023年か=報道

また、仮想通貨規制の取り組みが欧州に遅れをとる米国だが、米国議会には複数の規制法案が提出されている。レポートは、テラの破綻に加え、今回のFTXの破綻により、監視と消費者保護の必要性に対する認識はさらに高まったとみられると指摘した。

米国では仮想通貨規制の管轄権をめぐって、証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)が争う局面も見られる。仮想通貨が証券と分類されるか、商品と分類されるかによって管轄権限が付与される機関が異なるためだ。

JPモルガンは、両機関の意見の相違は、FTXの破綻を受け「おそらくビットコインはコモディティに、その他の暗号通貨の大部分は証券に分類されることで埋められると思われる」としている。

関連:「イーサリアムは有価証券ではない」SIFMA年次総会でCFTC委員長が認識示す

新たな規制イニシアチブ

レポートでは、既存の規制の枠組みづくりに加えて、新たな規制イニシアチブが登場する可能性について言及している。

具体的には、カストディ(デジタル資産の保管と保護)、業務の分離(ブローカー/取引/融資/清算/カストディ業務)、準備金・資産・負債に対する定期監査などに対する規制をあげた。そして、このような規制は伝統的な金融システムから導入される可能性が高いので、「仮想通貨エコシステムの伝統的な金融システムへの収束」につながる可能性が高いと主張した。

仮想通貨デリバティブの規制

レポートは、「仮想通貨デリバティブ市場は、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が勝者となり、規制された市場へシフトする可能性が高い」と主張している。

その背景として、ヘッジファンドなどの機関投資家がFTXのデリバティブポジションで身動きが取れなくなったことを挙げ、先物・オプションともにCMEなど規制された市場へのシフトが進むと思われると説明した。

その結果、仮想通貨市場において、デリバティブ市場の監督権限を持つCFTCの役割が増大すると予想している。

関連:米CFTC委員「破産を免れたFTX子会社はCFTC監督下にある」

Google Newsでフォロー
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
09/01 火曜日
09:50
ザクラ、ジーキャッシュの秘匿送金を一部で3秒超から200ms未満に短縮
Zakuraが8月29日、ジーキャッシュ向け新ライブラリ「Zakura Common」を公開。証明生成は最大14倍、秘匿送金の作成時間は一部のケースで3秒超から200ミリ秒未満に短縮したと同社は説明する。改修不要で即時利用可能。
09:02
ビットマイン、先週5万3501ETHのイーサリアムを買い増し
仮想通貨イーサリアムの大手財務企業ビットマインは、先週5万3,501ETHを買い増ししたことを発表。イーサリアム保有量は計590万1,112ETHに増加した。
08/31 月曜日
21:20
ストラテジー、2カ月ぶりにビットコイン購入再開 590億円相当
仮想通貨ビットコインDAT大手ストラテジーが4603BTCを平均8万ドルで購入し、前回から約2カ月ぶりの買い増しとなった。保有量は845050BTCに達し、優先株STRCの買戻しも実施した。
15:19
金融庁、信託型ステーブルコインの調書提出免除を要望 2027年度税制改正
金融庁は8月31日、令和9(2027)年度税制改正要望を公表した。信託型ステーブルコインの受益者変更時に必要な税務書類の提出免除を求めており、転々流通する決済手段のため受託者が保有者の変更を把握できない点を課題としている。
14:50
金融庁27年度予算134億円増を要求、暗号資産監視で新室設置へ
金融庁が2027年度(令和9年度)予算・機構定員要求を公表した。総額403億円(前年度比134億円増)を要求し、暗号資産取引業者のモニタリング体制強化やフロンティアAIのリスク対応を担う新室の設置、定員14人の純増を求めた。
14:04
BIS総支配人、ステーブルコインは大規模決済に不適格と指摘
BISのデ・コス総支配人がジャクソンホール会議でステーブルコインに対する懸念を表明し、トークン化預金を推奨した。これに対しテザーのアルドイノCEOが銀行預金の「部分準備制度」への懸念を指摘し反論した。
13:35
enish、株主優待でBTC・SOLを抽選配布 SBI VCトレードと連携
enishは株主優待制度でSBI VCトレードとの連携を発表。2026年12月31日を基準日とする500株以上の株主を対象に、ビットコイン(BTC)およびソラナ(SOL)を総額1,000万円相当・計580名に抽選で進呈する。
13:08
トランプ大統領の元テレプロンプター、カルシでのインサイダー取引で約2750万円支払いへ
米商品先物取引委員会は、トランプ大統領の元テレプロンプター操作者が予測市場カルシにおけるインサイダー取引の件で制裁金支払いなどに同意したと発表した。
11:11
ビットコイン、8月に30%高でも出来高3年ぶり低水準=アナリスト
ビットコインは8月に30%を超える上昇を記録した一方、主要取引所の出来高は約3年ぶりの低水準にとどまっている。バイナンス・ゲート・バイビットの出来高推移データから、価格上昇と出来高の乖離が示す意味を読み解く。
10:49
IMF、ステーブルコイン規制へ国際協調を要請 新興国に警鐘
IMF専務理事クリスタリナ・ゲオルギエバ(Kristalina Georgieva)氏が8月28日、米ジャクソンホール経済政策シンポジウムで講演。ステーブルコインの国際協調規制の必要性を訴えるとともに、新興国の外貨準備強化や発行国の財政規律も不可欠と指摘した。
10:01
米地域銀行協会CEO、クラリティー法案でステーブルコイン利回りに「妥協なし」
ICBAのCEOが、クラリティー法案の論点としてステーブルコインへの利回り付与の問題があると指摘。銀行の預金流出リスクが存在しており採決の障壁になると述べた。
09:10
Tectonicで7500万ドル流出と推計、Cronosが緊急停止
CronosがレンディングプロトコルTectonicの不正流出を受けてチェーンを停止。研究者はTONICトークンの価格操作による被害を約7500万ドルと推定するが確定額・原因は未確認。Crypto.comは自社アプリへの影響を否定した。
08:23
バイビット、スペースXとエヌビディアの無期限先物オプション開始へ
仮想通貨デリバティブ取引所バイビットが、株式の無期限先物を原資産とするオプション取引「Perp Options」を導入。フェーズ1はSPCXとNVDAが対象で、9月17日午後8時(UTC)に開始する。USDT建て決済で24時間取引でき、対象銘柄は今後拡大予定だ。
07:23
ビットコイン実現時価総額、週間約7360億円増 資金流入の兆候=アナリスト
ビットコインの週間実現時価総額が7,360億円(1ドル=160円換算)増加したとオンチェーンアナリストが分析。弱気相場入り後で最大の増加幅だが、30日平均の変化率は0.4%にとどまり、方向性の確認にはなお時間を要するとの見方を示した。
08/30 日曜日
11:30
ビットコイン1300万円手前で上げ渋り、ジャクソンホール後のイールドカーブが焦点|bitbankアナリスト寄稿
ビットコイン(BTC)は米財務省の国債買い戻しを受け1300万円に肉薄するも上げ渋り、1270万円周辺で推移。目先の焦点はジャクソンホール後の金利動向で、長短どの年限で上昇するかがBTCの方向性を左右する。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
重要指標
一覧
新着指標
一覧