FTX前CEOの寄付を返金
米テキサス州の知事選に出馬した民主党のベト・オルーク候補は、暗号資産(仮想通貨)取引所FTXのサム・バンクマン=フリード前CEOから受領した寄付を返金していたことがわかった。「The Texas Tribune」が29日に報じた。
寄付の金額は約1.3億円(100万ドル)。返金したのは今月4日で、FTXが破産申請したことを発表した1週間前だという。返金することを決めたのは4日よりも前だとしており、オルーク氏の選挙団体の担当者は寄付を返した理由について「求めていない多額の寄付だったから」と説明した。
FTXとは
サム氏が率いていた仮想通貨取引所。2019年の創設後、急速に頭角を表し、業界最大手バイナンスに次ぐ大手取引所へと成長していた。その後に経営破綻し、今月に破産申請を行なっている。
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サム氏の寄付は知事選の選挙活動で最大規模だったという。担当者は、今回の返金はFTXの破綻とは無関係であると主張。寄付を受け取ったのは10月11日で、他の多額の寄付と違って、オルーク氏はサム氏と話したこともなかったとした。
オルーク氏は他にも、FTXの幹部ニシャド・シング氏から約1,300万円(10万ドル)の寄付を受け取っていたというが、この分を返金したかについては回答が得られていない。
なお、8日の知事選でオルーク氏は、現職のアボット知事(共和党)に敗れた。アボット氏は、仮想通貨やブロックチェーンを高く評価している。
FTXによる議員への寄付
サム氏やFTXによる米国での寄付活動は、同社の破綻後に改めて関心を集めている。
先週には、米証券取引委員会(SEC)に対して、企業への過度な調査を批判する書簡を提出した議員らが、選挙のための寄付をFTXから受けていたことが報じられた。
書簡を提出した8名のうち5名が、約40万円(2,900ドル)から160万円(1万1,600ドル)の寄付金をFTXから受領。こうした背景のもとで、この書簡が、FTXへの調査を遅らせることになったのではないかと一部で問題視されている。
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