はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

バイナンス・リサーチ、イーサリアム上海アップグレード後の売り圧を分析

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

バイナンスによるイーサリアム売り圧分析

大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスのリサーチ部門は16日、イーサリアム(ETH)の「Shanghai(上海)」アップグレードに関するレポートを発表。主にShaghaiリリース後の売り圧について分析している。

すでにステイカーの多くは流動性を得ているため、売り圧は限定的だとする見方を示した。

バイナンスはまず、現在イーサリアム(ETH)のステーキングを行っている者(ステイカー)の大半は、含み損を抱えている状況であるため、現在のETH価格で売却する金銭的なインセンティブはほとんどないと指摘した。

その上でバイナンスは、Shanghaiアップグレードにより、ステーキングコントラクトに預けられているイーサリアムとステーキング報酬が出金可能になるが、出金方法には二種類あると述べる。すなわち「部分的な出金」と「完全な出金」だ。

「部分的な出金」は、ステイカーが最初にビーコンチェーンに預けた32ETH以外(ステーキング報酬分)を指しており、この場合ユーザーは引き続きバリデータとして機能する。

バイナンスは、イーサリアムのステーキング報酬の合計は、103万ETH(時価2,300億円相当)であり、もしこれらがすべて出金されて売り圧になったとしても、数日、あるいは数週間に分散されるだろうと説明。

現在、イーサリアムの1日の取引高が約1,1兆円~1.3兆円(80~100億ドル)に近いことを考えると、こうした部分的な引き出しがイーサリアム価格に大きな影響を与えることはないと分析している。

バリデータとは

承認者の意で、取引履歴を検証する役割などを持ち、その役割を果たすと仮想通貨で報酬が与えられる。ブロックチェーンに記録されるデータの妥当性を検証するノードのこと。

▶️仮想通貨用語集

また、「完全な出金」として、32ETHの元本とステーキング報酬のいずれも引き出す場合も検討。1日に最大1,575人のバリデータが退出可能と見積もっており、その際には最大で一日に32ETH×1,575人=50,400ETH(時価約110億円相当)の売り圧が発生するとした。

リキッドステーキングサービスが市場シェア上位

ただ、バイナンスは、イーサリアムのステイカーの57%は、すでに流動性にアクセスできている状況であるため売却する理由に乏しく、売り圧についてはあまり心配する必要はないとの見解を示している。

また、ステーキングがどこで行われているかに注目した。最大のETHステーキングサービスは、リキッドステーキングプロバイダーのLidoで、約50億ETHをステーキングしており、ETHステーキング市場シェアの約29%を占めている。

出典:Binance Research

その次に、大手取引所米コインベースやバイナンス、クラーケンが合わせて26%の市場シェア、さらに個人でステーキングを行っている者が25%と続く。

バイナンスは、このうちLido、コインベース、バイナンスはETHのステーキングを行うユーザーに対して、それに応じたトークンを発行しており、ユーザーは流動性を得られていると指摘する形だ。

例えばLidoは、ステーキングされたETHを表すstETHトークンをユーザーに提供。ユーザーはstETHをレンディングの担保としたり、DEX(分散型取引所)等で運用することができる。

関連ETHステーキング大手Lido、V2で出金機能など実装へ

Shanghaiが買い圧につながる可能性も

バイナンスは、Shanghaiによって買い圧が生まれる可能性についても言及した。出金できるようになることで、ロックアップ(預け入れ)期間の流動性リスクなどが取り除かれるため、これまで様子を見ていた投資家がステーキングに参加しようとする可能性があるとする。

特に、機関投資家を惹きつけることができれば、イーサリアムの買い圧力となりえると述べた。

米コインベースも14日、Shanghaiアップグレード後の売り圧力は「限定的」という分析を発表している。

関連米コインベース「上海アップグレード後のイーサリアム売り圧力は限定的」

関連:ETH「上海」アップグレードとは? ステーキング解除とETH売り圧に関する各社見解まとめ

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/31 水曜日
14:00
ブラックロックの2026年投資展望 AI投資が米株式市場を牽引、ステーブルコインは金融の架け橋に
ブラックロックの2026年投資展望レポートでは、AI関連投資が米国株式市場を牽引し、生産性向上で171兆円の経済効果が見込まれると分析した。また、38兆円規模に成長したステーブルコイン市場について決済システムへの統合が進み、トークン化された金融システムへの第一歩となると見ている。
12:00
2026年末のビットコイン価格はどうなる?有識者7人に予想を聞いた
ビットコイン2026年末価格予想を暗号資産(仮想通貨)業界の著名人7人が回答した。平均は12.3万ドルで約40%の上昇見込み。FRB政策、機関投資家参入、半減期アノマリー崩壊など注目ポイントを分析。強気派と慎重派の見解を比較し、相場の行方を占う。
11:00
仮想通貨TOP20と国内発トークン、25年の騰落率は
ドナルド・トランプ氏の米大統領就任やビットコインの最高値更新があった2025年。本記事では同年の時価総額上位銘柄と国内発プロジェクトのトークンの年間騰落率をまとめている。
10:00
激動の2025年 仮想通貨の時価総額トップ20、過去8年間における順位変動は
2025年はビットコインが12万ドルを突破した。仮想通貨に肯定的な米トランプ政権が始動した1年を終えるにあたり過去8年間において仮想通貨の時価総額の順位がどのように変動してきたかを振り返る。
12/30 火曜日
14:00
米カリフォルニア州の超富裕層への「5%資産税」に業界猛反発 仮想通貨起業家流出の懸念も
米カリフォルニア州で純資産10億ドル超の富裕層に5%課税する提案が行われ、Kraken創業者やBitwise CEOをはじめとする仮想通貨・テック業界リーダーが強く反発し、警告を発した。株式、不動産、仮想通貨などを対象とし、未実現の含み益にも課税される点が問題視されている。
14:00
コインベース・ベンチャーズが注目する2026年の仮想通貨4大トレンドとは
米最大手コインベースの投資部門コインベース・ベンチャーズが2026年に積極投資する4分野を発表した。RWA永久先物、専門取引所、次世代DeFi、AIとロボット技術など、次のブレイクアウトが期待される仮想通貨領域について紹介。
12:32
ビットマイン、イーサリアム買い増し 独自のステーキング・インフラも準備中 
ビットマインの仮想通貨イーサリアム保有量が411万枚に到達した。年末の価格下落を好機と捉え買い増しを行っている。2026年には独自ステーキング基盤も公開予定だ。
10:00
2025年の仮想通貨市場を重要ニュースから振り返る
2025年は仮想通貨を支持するドナルド・トランプ氏が米大統領に就任し、相場は米国の動向から大きな影響を受けた。本記事では、ビットコインの最高値更新など1年間の重要ニュースを振り返る。
09:50
仮想通貨投資商品、先週700億円超の純流出 XRP・ソラナは好調維持=CoinShares
仮想通貨投資商品から先週700億円超が流出した。CoinSharesは投資家心理がまだ完全に回復していないと分析した。一方で資産別ではXRPとソラナへの流入は好調だった。
12/29 月曜日
14:23
ビットコインは持続的上昇局面に?4年サイクル論争と機関投資家の影響力
Bitwise CIOマット・ホーガン氏が「ビットコインの4年サイクルは終焉し、持続的上昇局面に入った」と主張した。ハーバード大学など大手機関がBTCを保有し、個人投資家から機関への資産移転が進行。ボラティリティ低下の理由と、「階段を上りエレベーターで降りる」値動きパターンを専門家2人が詳しく解説。
13:35
AIや仮想通貨のショッピング活用進む Z世代が牽引か=Visaレポート
決済大手ビザの調査で、ショッピングにAIツールや仮想通貨を利用する消費者が増加していることが判明。特にZ世代が牽引していた。ステーブルコイン送金への関心も高まっている。
09:44
スベルバンク銀、ロシア初の仮想通貨担保ローン発行
ロシア最大の銀行スベルバンクが同国初の仮想通貨担保ローンを発行した。ビットコインマイニング企業に融資し、デジタル資産担保の仕組みを検証している。
12/28 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、MTGOXハッキング容疑者関連のBTC送金やearnXRPローンチなど
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン年末相場、値頃感から買い戻し期待も|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコインは方向感に欠け1400万円周辺で推移。26日のオプションカット通過後の動向が注目される。底入れには12月高値9.4万ドルの回復が条件だが、割安感から買い戻されやすいとbitbankアナリストが分析。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|Bybitの日本居住者向けサービス終了発表に高い関心
今週は、大手仮想通貨取引所Bybitの日本居住者向けサービス終了の発表、仮想通貨市場の調整局面、日銀の植田和男総裁の講演に関する記事が関心を集めた。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧