CoinPostで今最も読まれています

パウエル議会証言を受けビットコイン下落、米株指数との「正の相関」は減少傾向に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マクロ経済と金融市場

8日の米NY株式市場では、ダウは前日比574ドル(1.72%)安、ナスダックは145ドル(1.25%)安で取引を終えた。

パウエル議長は公聴会証言で「最近の経済指標(インフレ圧力)は想定よりも強かった」と言及。政策金利のターミナルレート(最終到達点)引き上げや利上げペースの再拡大を示唆した。

これを受け、米金利先物市場では次回FOMCでの50bpsの利上げ予想が69.8%まで急伸した。前日時点では31.4%、前月は9.2%であったことから、急激に織り込まれ始めたことが窺える。

CME FedWatch Tool

関連:ナスダックなど米株全面安 パウエル議長の議会証言を嫌気、ドル円137円台に|8日金融短観

関連:仮想通貨投資家にもオススメの株式投資、日米の代表的な仮想通貨銘柄「10選」

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比1.58%安の22,107ドル。

BTC/USD日足

市場参加者のリスク回避姿勢が強まり、米株指数の下落に連れ安となった。

21,500ドルのサポートライン(下値支持線)を割り込むと一段安が想定される状況にある中、10日に雇用統計、14日にCPI(米消費者物価指数)、22日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えており、ボラティリティ(価格変動性)拡大に備えるための手仕舞い売りが想定される。

CoinMetricsのデータによれば、米国株式市場(S&P 500)とビットコイン(BTC)価格の“正の相関”は薄れつつある。相関係数は22年4月以来の低水準となる「0.30」まで落ち込んだ。過去最高値は22年9月に記録した「0.66」。

Coinmetrics

相関係数は、類似性の度合いを示す統計学的指標。1.0は完全相関、マイナスの値は逆相関を示すものだ。

過去の歴史では、ビットコインとS&P 500の相関係数(60日間)が「0.3」に達したことは少なく、マイナスで推移していた(負の相関だった)時期もある。仮想通貨バブルが崩壊した2018年には、一時-0.22まで低下した。

一方、20年3月のコロナ・ショック発生時は株やビットコインなどリスク資産全般が暴落し、相関係数0.4まで急上昇した。

調査企業ArcaneResearchによれば、ビットコインと伝統金融市場の相関が大幅に強まったのは、コロナ・ショック後の大規模金融緩和の影響でリスク資産が高騰し始めた20年7月頃から。機関投資家の流入が影響しているものとみられる。

市場の不確実性は

昨年11月に破綻した大手暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの影響による、クリプト市場の不確実性も依然強い。

今月2日には、米銀行持ち株会社シルバーゲート・キャピタルが、「財務諸表等における会計年度の年次報告書(Form 10-K)を期限内に提出できない」と発表。

米大手取引所コインベースやステーブルコイン発行企業パクソス、クリプト・ドット・コムなどといった主要取引先の暗号資産関連企業が、送金取引および資金決済の提携を相次いで打ち切ったことが判明した。

3日には、「過度なリスクが生じた」として、ビットコインを担保に米ドルを調達可能な自社決済ネットワーク「SEN(Silvergate Exchange Network)」の廃止を決定。その上で米国連邦住宅ローン銀行から36億ドルを借り入れたとされる。

これにより、大手ディバティブ取引所Bybitが「(SWIFTを含む)銀行振込による米ドル決済停止」を発表するなどの影響が出た。

ブルームバーグが報じたところによれば、米国の独立政府機関「連邦預金保険公社(FDIC)」の関係者は、シルバーゲート銀行本社への立ち入り検査で帳簿などを調査した上、救済策について協議したとみられる。

今年1月には、仮想通貨融資企業ジェネシス・グローバル・キャピタルが、米連邦破産法11条(チャプターイレブン)に基づき“破産申請”したことを発表。負債は推定10億ドル〜100億ドルにおよび、ジェネシスの親会社であるデジタルカレンシーグループ(DCG)にも懸念が波及した。DCGはビットコイン投資信託(GBTC)を発行するグレースケールを擁する。

2月8日には、債権者への返済のため、グレースケールの保有資産の内、イーサリアム投資信託(ETHE)などの持ち分を一部売却して約2200万ドルを得たことがFinancial Timesの報道で伝わった。

関連:DCG、グレースケール提供の仮想通貨投資信託の持ち分を一部売却=報道

一方、今月7日には、グレースケールが「ビットコイン投資信託(GBTC)」のETF(上場投資信託)転換を認めないことについて米証券取引委員会(SEC)を提訴した問題を巡り口頭弁論が行われた。裁判所側は、SECの判断について疑問を呈している。

グレースケール側は、ビットコインの現物ETF承認でCME(米シカゴ・マーカンタイル取引所)の監督下に入ることで、投資家保護を強化できると申し立てている。SECはビットコインの先物ETFはすでに承認しているが、現物ETFの承認は繰り返し却下してきた経緯がある。

関連:米裁判所、SECの主張に疑問を呈示 グレースケールGBTCめぐる訴訟で

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/25 木曜日
10:25
ビットコインの供給インフレ率、金を下回る=レポート
Glassnodeは4回目の半減期についてレポートを発表。ビットコインの供給インフレ率がゴールドよりも低くなり、希少性が増したと述べた。
08:15
zkSync基盤のWeb3ゲーム企業Tevaera、野村などから7.7億円調達
TevaeraはzkSync上でレイヤー3のゲームチェーンを立ち上げる予定で、年内に200万人のプレイヤーと12人のゲーム開発企業をTevaeraエコシステムに参加させようとしている。
07:00
ジャック・ドーシー率いるBlock、店舗売上をビットコインに変換へ
新たに導入する予定の機能は「Bitcoin Conversions」というもので、Cash Appのアカウントを持つSquareのユーザーは、店舗収益の最大10%を仮想通貨ビットコインで受け取ることができるようになる。
06:10
米司法省、バイナンス創業者CZ氏に懲役36ヶ月求刑
仮想通貨取引所バイナンスの元CEOのCZ氏は自分の「不適切な決断」を謝罪し、自分の行動の全責任を受け入れる内容の手紙を2月に提出した判事へ提出したことが明らかになった。
04/24 水曜日
17:00
「BTCは上昇トレンドに入る可能性」SCB銀
仮想通貨ビットコインは再び上昇トレンドに入る可能性があるとスタンダードチャータード銀行が分析。今回もビットコインとイーサリアムの価格予想をしている。
16:23
Block社(Square)、ビットコイン採掘産業の分散化に向けて高性能チップを開発完了
デジタル決済企業ブロック(旧Square)が、3ナノメートル技術を採用した最新のビットコインマイニングチップ開発を完了。このプロジェクトはオープンソース化され、ビットコインマイニング業界の分散化を推進することを目指している。
15:09
WebX2024、最大73%割引の「開幕セール」終了まで残り1週間
株式会社CoinPostが主催する日本最大のWeb3カンファレンス「WebX2024」にて、チケット販売を開始しております。2024年4月30日まで、最大73%割引のお得な開幕セールを実施中です。
14:35
米ブロックチェーン協会ら、仮想通貨業界の声をまとめSECを提訴
米ブロックチェーン協会とテキサス州暗号資産自由同盟は、米証券取引委員会が新たに制定したディーラー規則の阻止を求めて、SECを提訴した。
13:00
香港の現物ビットコインETF 4月30日にも発売かー報道
香港でボセラとハッシュキーキャピタルが提供するビットコインETFが取引を開始すると報じられた。2社の現物ビットコインETFは、価格安定性が高く、投資家に直接的な市場価格連動のメリットを提供する。
12:09
半値戻しのビットコイン、投資家心理改善で買い先行
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが66000ドル台まで反発し、50MA手前で一服した。イランとイスラエルを巡る中東リスク後退で米国株式市場でも買い戻しが先行しており、投資家心理が改善した。
12:00
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」、70日連続流入を記録
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」が70日連続で資金流入を記録した。運用資産は約2.8兆円に達している。
11:00
リップル社、SECによる20億ドルの罰金提案を過大と反論
リップル社は、XRPをめぐるSECとの裁判で新たな書類を提出。リップル社に対して約3,100億円の罰金支払いを求めるSECの主張に反論した。
09:40
「BTC価格上昇は半減期から50〜100日後」QCP Capital
仮想通貨ビットコインの今後の価格が急上昇するのは半減期から50〜100日後であるとQCP Capitalが分析。また、Bitfinexも半減期後の相場レポートを公開した。
08:45
ソラナJupiter、DEXモバイルアプリ5月公開予定
既存のUltimateウォレットは5月22日から利用できなくなるため、その前に仮想通貨の一時的移転(PhantomやMagic Edenウォレット)を推奨した。
08:10
米国のイーサリアムETF上場申請、5月承認は見込み薄か
申請中の仮想通貨イーサリアム現物ETFの多くは5月に最終判断を迎える予定だが、多くのアナリストは承認の確率が低いと予測。背景には、イーサリアム財団への任意捜査で米SECがETHを有価証券に分類しようとしている点や、ビットコイン現物ETFが承認されてからまだそれほど時間が経っていない状況などがある。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
重要指標
一覧
新着指標
一覧