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ビットコイン29500ドルに下落、オンチェーンデータは過去の「相場転換点」に類似

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マクロ経済と金融市場

17日の米NY株式市場では、ダウ平均株価は前週末比100ドル(0.3%)高、ナスダック指数は34ポイント(0.28%)高で取引を終えた。

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仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比1.74%安の29,487ドルに。

BTC/USD日足

上昇が続いていたこともあり、30,000ドルの節目とレジスタンスライン(上値抵抗線)に達して利益確定売りが先行した。

米証券取引委員会(SEC)が、Bitrexおよび共同創業者を「証券法違反」で起訴したことも相場の重石となった。SECはFTX破綻を機に仮想通貨規制に対する強硬姿勢を強め、クラーケンのステーキングサービスを停止に追い込むなど、暗号資産(仮想通貨)取引所への圧力を強めている。

関連:米SEC、仮想通貨取引所Bittrexを提訴 6銘柄の証券性を主張

暗号資産アナリストのRekt Capital氏は、「週足はオレンジの水平線を超えてきた。ブレイクアウト後のリターンムーブで28,800ドルのサポートライン(下値支持線)のリテストを試みる動きはむしろ健全だ」と指摘。

高騰後には利益確定売りが入ることから、押し目はあって然るべきとの見解を示した。

先物金利市場によれば、5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の0.25%の利上げは9割近く織り込み済みであるが、「市場は5月以降の追加利上げの可能性を過小評価している」との指摘もある。景気の底堅さを示す経済指標の上振れは、さらなる利上げ余地を示唆する。

この数日間は、ダブルボトムを形成したドル指数(DXY)上昇に伴い、続伸していた金(ゴールド)やビットコインが上昇を一服し、弱含みで推移している。ビットコインと米ドルは逆相関傾向にある。

外為市場のドル指数上昇の背景には、景況感を示す「NY連銀製造業景気指数」が昨年11月以来の増加を示したことでドルが買われたほか、米国の一戸建て住宅建設業者の信頼感指数が4ヶ月連続で改善したことを示すレポートなどがあると見られる。

一方、レイ・ダリオ氏は、「米国によるロシア制裁(資産凍結)や国際貿易における中国の台頭が、米ドル建て債券に対する世界の需要を低下させた」と指摘。「ドルを大量保有する各国は、さらにドルを蓄積する意欲を失いつつある」との見解を示しており、長期的には買われにくいとの見立てを示した。

オンチェーンデータ分析

Glassnodeの最新レポートによれば、複数のオンチェーンデータ上のビットコイン指標は、“仮想通貨バブル”前年の2016年初頭と2019年初頭との類似性を示している。

ビットコインは翌20年5月に半減期を迎え、20年12月には過去最高値の1BTC=20,000ドルを3年ぶりに更新した。

Glassnodeは、+70%を超える今四半期のリターンについて、過去最高値の1BTC=60,000ドルを付けた21年10月以来と指摘。「2023年以降の好調な市場パフォーマンスは、悪材料が続いて相場が暴落した2022年とは対照的で、新たなレジーム・シフト(トレンド的な構造転換)が進行中であることを示唆する」と評した。

代替資産の代表格であるゴールドとビットコインの相関係数は、90日相関(赤線)にて一時0.85の正の相関を示すなど高い数値を記録した。

Glassnode

365日相関(青線)の推移では、昨年夏以降右肩上がりに上昇している。30日相関もシリコンバレー銀行(SVB)の破綻などで信用不安が欧米諸国を揺るがし、カウンターパーティーリスクが懸念された時も高い水準を維持している。

ビットコインの時価総額の内の“含み益比率”を示す「未実現損益(NUPL)」を確認すると現在の数値は0.36だった。

Glassnode

NUPLの歴史的な底値水準からニュートラルな水準まで上がってきた局面と言え、過去のサイクルを振り返ると、弱気相場と強気相場の重要な転換点とも一致する。(上図:赤四角の終息点)

アルト市場

Beaconcha.inのデータによると、イーサリアム(ETH)の大型アップグレード「上海(Shapella)」後の5日間で、103万ETH(21億ドル相当)が引き出された。

ブロックチェーン開発会社LabrysのLachlan Feeney CEOは、「大型アップグレードShapellaによって長期的な資金拘束がなくなりプロトコルへの信頼性が大幅に増した。バリデーターは出金したETHを再ステークする傾向にある」と指摘した。

関連:イーサリアム(ETH)ステーキング報酬の出金状況と今後の見通しは?

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