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グローバルハッカソン「ETHGlobal Tokyo」とは 賞を獲得したプロジェクトも紹介

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

グローバルハッカソン ETHGlobal Tokyoとは

これまでに世界各地で開催され、数多くのWeb3愛好家たちを魅了し続けてきた世界的クリプトイベント「ETHGlobal」。2023年4月に東京開催の「ETHGlobal Tokyo」が実施されました。

大盛況となった今回のイベントでは、延べ300以上のプロジェクトが誕生し、Web3市場の発展に大いに貢献。クリプト業界の未来が垣間見えるイベントとなりました。

そこで本記事ではETHGlobal Tokyoの概要や、数多くの賞を獲得したプロジェクトをご紹介します。イベント結果を通じて、イーサリアム界隈で注目されている最先端の技術に触れましょう。

目次
  1. ETHGlobal TokyoはEthereumの世界的ハッカソン
  2. 今回のETHGlobal Tokyoで賞を獲得したプロジェクト

1.ETHGlobal TokyoはEthereumハッカソンのひとつ

初めに、本イベントの基本情報について、改めて概要をまとめます。

1-1. ETHGlobalとは

運営元のETHGlobalはハッカソンを中心としたイベントを開催し、Web3市場の育成やエコシステムの成熟に力を入れている企業です。ハッカソンとは、プログラマーや開発者が集い、短時間で特定のテーマに基づくアプリなどを開発するイベントのことを指します。ETHGlobalの開催するイベントは、講演やカンファレンスに重きを置くのではなく、実務的な作業を通してプロジェクトの開発を推進している点が特徴。開発に行き詰まった際は、経験豊富なメンターに質問することで、アイディアを具現化させるヒントを得られます。

なお、プロジェクトを審査する審査員はWebデべロッパーや投資家、VC(ベンチャーキャピタル)、財団の関係者など20名以上で構成。開発をサポートするメンターや、講演会のスピーカーを含めると50名以上にも上るプロフェッショナルが参加し、イベントを成功に導きました。

ちなみに、ETHGlobalは過去イベントでも「CryptoKitties」や「1inch Exchange」など多数の有名プロジェクトを生み出してきた実績があります。そして今回のハッカソンでも、多くのユニークなアイディアのプロジェクトが誕生しました。

「ETHGlobal Tokyo」は、ETHGlobalが各地で開催するハッカソンのひとつ、という位置づけです。2023年4月14〜16日の3日間に渡り、東京都で開催されました。

ETHGlobal Tokyo、世界的ハッカソンイベントを東京で開催へ
ETHGlobal Tokyoという世界的ハッカソンイベントが、東京で開催されます。ハッカソンとは、エンジニアやプログラマーが集結し、短期間でプロダクトを開発するイベントのこと。ETHGlobal TokyoではWeb3市場の知識を持たない開発者でも楽しめるような取り組みも充実しています。

1-2.ETHGlobal Tokyoの結果概要

次に、ETHGlobal Tokyoの結果にも簡単に触れておきましょう。

今回のETHGlobal Tokyoには、延べ1500人を超えるプログラマーや開発者が参加。イベント参加者の約4割は日本人で、周辺のアジア諸国からも積極的な参加がありました。

また、参加者の約35%はWeb3初心者であり、これは「Web2市場からWeb3市場に開発者を送り込み、ブロックチェーン領域を活性化する」というETHGlobalの目標に貢献する結果と言えるでしょう。

本イベント内では合計311のプロジェクトが開発され、これらのプロジェクトは総額にして375,000米ドル(2023年5月上旬時点のレートで約5千万円)の賞金を獲得しました。

1-3.ハッカソン以外のイベントも反響

続いて、ETHGlobal Tokyoで開催された「ハッカソン以外」のイベント結果についても簡単にご紹介しましょう。

まず、ETHGlobal Tokyoの初日には参加者とスピーカーの対面式講演「Pragma」が開催されました。PragmaではEthereumとWeb3について実用的な知識の解説などが行われ、Web3未経験者のハッカソン参加ハードルを下げる目的があります。

また、ETHGlobalでは毎年開催されているトークセッション「Ethereum Enterprise Stage」には日本を代表する企業が集い、活発な討論が行われました。ディスカッションのテーマは、ブロックチェーンエコシステムの融合により既存産業に訪れる変化や、ゲーム・アート・音楽などのエンタメに与える影響など、どれも興味深い内容です。

他にも、イベント参加者向けコワーキングスペース「Hacker Cafe」も人気でした。Hacker Cafeは今回が初の試みとなりましたが、今回の評判を受け、次回以降のイベントでも開催される可能性があります。

2.今回のETHGlobal Tokyoで賞を獲得したプロジェクト

それでは、ETHGlobal Tokyoで賞を多く獲得したプロジェクト・ファイナリストとなったプロジェクトを具体的にご紹介します。

2-1.SuperPlay

SuperPlayは、ETHGlobal Tokyoのファイナリストとなったプロジェクト。SuperPlayが獲得したその他の賞は、以下の通りです。

  • Reazon:Best Mass Adoption
  • Polygon:Pool Prize
  • Superfluid:Best Gaming
  • Gnosis Chain:Best Use
  • Safe:Best Web2 Experience with AA

世界各国でWeb3サービスを展開する「Reazon Holdings」などから高い評価を受けました。

続いて、SuperPlayの概要を見ていきましょう。

SuperPlayは、ゲームを通じてWeb3を簡単に体験できるプロジェクトです。既存のWeb3ゲームの中には、複雑なウォレットの設定やゲーム内アセットの購入が必要となるものが多く、興味はあっても知識や経験が無い層の利用を遠ざけてきた点は否めません。

そういったWeb3ゲームや仮想通貨に馴染みのない層でも始められるWeb3ゲームが、SuperPlayです。

メールアドレスを用いて、手間をかけずにウォレットを作成できるだけでなく、試用期間中はNFTなどアセットの購入やガス代の負担なく、お試し感覚で気軽にWeb3ゲームを楽しめる設計が魅力。試用期間後は、サブスクリプションに登録することでゲームを継続できます。

本プロジェクトのこのような特徴は、ブロックチェーンをより一般に普及させたいと考えるReazon Holdingsから好評を得たポイントだと考えられます。

2-2.AbswapX

AbswapXもまた、ETHGlobal Tokyoのファイナリストとなったプロジェクトです。

獲得したその他の賞は、以下の通りです。

  • Scroll:Just Deploy
  • Uniswap Foundation:Developer Tooling Track
  • Polygon:Pool Prize

特筆すべきは、Uniswap Foundationから賞を授与されている点でしょう。同財団は、世界でも最も有名な分散型取引所(DEX)の一つである「Uniswap」のプロトコル管理やエコシステム拡大を支える組織です。

AbswapXは、異なるブロックチェーン間をまたいだ「指値注文(事前に指定した数値に価格が変動したら自動で売買を行う注文方法)」を可能にするプロジェクトです。具体的には、ユーザーが取引するトークンや取引量を設定すると、バックエンドで指値注文のシステムが作動して自動的に取引を実行。

さらに、AbswapXはEVM互換性を持ち、他のDeFiプロトコルと組み合わせて利用できる仕様であり、異なるプロトコルと統合することで複雑な自動取引を可能にすることが期待されています。

ハッカソンから世界へ

世界各国から開発者やブロックチェーン技術の有識者が集い、実施されたETHGlobal Tokyo。合計300以上のプロジェクトが生まれ、日本や周辺各国を中心に、Web3領域への関心を更に高める契機となりました。

東京以外の開催地でも活況を呈しています。ハッカソンで誕生したプロジェクトが、数年後のブロックチェーン市場に革新をもたらすかもしれません。

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