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Cosmosエコシステムに再ステーキングを導入、「Mesh Security」を共同開発へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Mesh Securityの開発へ

ブロックチェーン間の相互運用性を推進するCosmos(ATOM)で、「再ステーキング」の導入に向けた取り組みがスタートしたことが18日にわかった。

新たなソリューション「Mesh Security」は、CosmosSDKで構築された各ブロックチェーン間での相互保護を可能にすることで各チェーンのセキュリティを強化するねらい。

この具体例として、Osmosisでステーキングして得られたデリバティブトークンをJunoで再ステーキングする方法が挙げられる。これにより、各チェーンが単独で動作するよりも高い経済的安全性が期待されている。Osmosis Labsの共同創業者であるサニー・アッガーワル氏は次のように述べた。

Mesh Securityを導入することで、セキュリティに対して双方向的なアプローチが可能となり、OsmosisとJunoのような2つのチェーンが互いに保護を提供し合うことができるようになる。

この提案は、イーサリアム上でステーキングされたETHからデリバティブトークンを生成し、それを他のプロトコルで再ステーキング可能にする「EigenLayer」の方針に似ている。EigenLayerは、ETHのステーキングセキュリティを活用し、サイドチェーン、ロールアップ、dApps、オラクル、ブリッジなどの検証作業を可能にする。

関連:イーサ「再ステーキング」、EigenLayerがテストネットローンチ

Mesh Securityの開発は、Cosmosエコシステム内の主要プロジェクトであるOsmosis Grants Program (OGP)、Axelar、Akash Network、ATOM Accelerator、そしてOsmosis Foundationによって資金調達されている。2024年の第1四半期にメインネット公開の目途が立てられている。

Mesh Securityの設計は、Cosmosエコシステム全体のブロックチェーンに適応可能であるとされている。最初の実装段階では、CosmWasm(WebAssemblyで記述されたスマートコントラクト)を利用したチェーンに対応し、最終的にはすべてのCosmos SDKチェーンをサポートする計画だ。

Cosmosのエコシステムを強化

Cosmosのエコシステムは、相互に運用可能な独立したブロックチェーンで構成されている。CosmWasm対応ネットワークには、プライバシーを重視したSecret Network(SCRT)、コミュニティ主導のL1チェーンJuno(JUNO)、分散型取引に最適化されたネットワークOsmosisなどが含まれている。

Mesh Securityは、独自トークンのステーキングを要する「バリデーター(検証者)」が保護する、アプリケーション固有のブロックチェーン向けに設計されている。公式サイトによると、現在のところ、Cosmosプラットフォーム上には72のアプリケーション及びサービスが存在し、その総時価総額は約8兆円(599億ドル)にのぼる。

「既にステークホルダーセットを持ち、自身を保護するために十分な市場規模を持つアプリケーションチェーンをターゲットとし、追加のセキュリティを提供する」とアッガーワル氏は解説している。

先月には、CosmosSDKで開発されたチェーンがCosmos Hubのセキュリティを活用できるセキュリティ・アズ・ア・サービス「Replicated Security」が稼働した。Cosmos Hubは、Cosmos(ATOM)をステークするバリデーターによって維持されるエコシステム最大のブロックチェーンだ。

Replicated Securityは、新たに独自チェーンを構築するプロジェクトにとって、初日からCosmos Hubの強固なセキュリティを確保できるという利点がある。この仕組みを利用して、スマートコントラクトプラットフォームのNeutronがローンチしている。

バリデータとは

バリデータとは、コンセンサスアルゴリズムに参加してブロックチェーンに記録されるデータの妥当性を検証するノードのこと。ネットワークのネイティブトークンをロックして「ステーキング」という形で資本を担保する。取引履歴を検証し、その役割を果たすと仮想通貨で報酬が与えられる。

▶️仮想通貨用語集

関連:ATOMトークンの実用性拡大へ コスモス、セキュリティ共有を開始

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