機関投資家の需要の高まり
米国のコインベースデリバティブエクスチェンジは1日、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の先物取引を機関投資家向けに提供する計画を発表した。
コインベースデリバティブエクスチェンジは、2022年設立の米国商品先物取引委員会(CFTC)規制下の取引所で、米国の先物取引所で取引するために登録を受けた「先物取次業者(FCM)」や金融ブローカーを通じて取引が行える。
これまで同社はナノ・ビットコイン(BIT)とナノ・イーサ(ETI)契約を提供してきたが、機関投資家の需要の増加を受けて新たな商品がラインアップに加わる。
新たに提供される先物契約は、コインベースビットコイン(BTI)とコインベースイーサリアム(ETI)。それぞれ1契約あたり1 BTCと10 ETHの取引サイズで設定され、米ドルで毎月決済される。現在の価格を基にすれば、BTIとETIの想定元本はそれぞれ420万円(3万ドル)と280万円(2万ドル)となるだろう。
コインベースは「他の米国の規制下デリバティブ取引所と比較しより低い手数料で、魅力的なリターンを目指しリスクを正確に管理することが可能になる」と述べている。
また、新たな商品の早期利用者向けにインセンティブプログラムを提供する予定。しかしながら具体的な手数料設定についてはまだ公開されていない。
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ビットコイン先物市場
ビットコインの機関投資家向け先物取引市場では、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)がトップシェアを誇っている。CME Bitcoin Futuresの契約サイズは5 BTCで、現在価格に基づけば約1900万円(135,000ドル)に相当する。
Binance、OKX、かつてはFTXなどのオフショア取引所では、オプションや先物などの仮想通貨デリバティブ取引が頻繁に行われていた。しかし、昨年11月のFTX破綻以降規制当局による取り締まり・調査の強化を受け、その需要は米国内に移行しつつある。
CMEのデータによれば、22年は仮想通貨の先物・オプション取引の約33%が米国外で行われていたが、2023年にはそれが35%に上昇する傾向にある。
2023年1月にはオフショアでの先物建玉の合計が18.6%減少。それに対し、CMEのビットコイン先物の1日平均出来高は12月から32%増加した。BTC先物の建玉全体におけるCMEのシェアは過去最高水準の約21%まで上昇したが、それでも取引量の前年比では41%減となっている。
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