仮想通貨取引所の参入を歓迎
香港のJohnny Ng議員は10日、米コインベースを含む暗号資産(仮想通貨)取引所の市場参入を歓迎するとコメントした。
I hereby offer an invitation to welcome all global virtual asset trading operators including @coinbase to come to HK for application of official trading platforms and further development plans. Please feel free to approach me and I am happy to provide any assistance. pic.twitter.com/bcIi1IjMlc
— Johnny Ng 吴杰庄 (@Johnny_nkc) June 10, 2023
正式に香港で事業ライセンスを申請するよう促し、Ng氏に連絡すればサポートするとも説明。この呼びかけは、米証券取引委員会(SEC)が先週バイナンスとコインベースを続けて提訴したことが背景にあるとみられる。
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このツイートを受けて、コインベースの担当者は「CoinDesk」に対し、「コインベースは米国と米国以外の、厳格な規制当局と連携することに注力している」とだけコメントした。
コインベースが拠点にする米国で仮想通貨事業に対する締め付けが強まる一方、香港は仮想通貨の中心地になることに尽力している。今月から取引所に対する新しいルールを施行し、要件を満たせば個人投資家に取引サービスを提供することも許可した。例えばOKXは今年3月の時点で、香港でライセンス申請を行う意向を示している。
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コインベースのグローバル展開
コインベースはSECの提訴に対し、争う姿勢を鮮明に示した。裁判で争い、米国の仮想通貨規制の明確化を目指す意向だが、最近は米国外の事業に関する動きが多く伝えられている。3月には「ブルームバーグ」が情報筋の話として、コインベースが米国外に取引拠点を創設することを検討していると報じた。
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先月には同社のBrian Armstrong CEOらの幹部がアラブ首長国連邦(UAE)を訪問。Armstrong氏は、UAEの仮想通貨規制は前向きであると評価した。
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また、この時にコインベースの幹部Nana Murugesan氏は、仮想通貨やWeb3は、UAEにおける経済や技術の多様化に大きく貢献しうるとコメント。そして、「この地域は、コインベースの戦略的な中心地になる可能性を秘めている」と述べた。
同社は4月、シンガポール、ブラジル、カナダ、アブダビ、バミューダなどの市場で積極的な取り組みを進めていると説明している。
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コインベースとは
米拠点の大手仮想通貨取引所。2012年に創設され、2021年4月にはナスダックに株式を上場した。日本市場にも参入したが2023年1月に、日本の既存顧客との取引を停止し、日本事業の全面的な見直しを行うと発表している。
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