はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

メインネット公開から5周年のオントロジー、1年の進捗を総括

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

メインネットローンチから5年

Web3に特化した信頼・プライバシー・セキュリティに配慮した分散型IDソリューションおよびデータ特化型のオープンソースプラットフォーム開発に主眼を置くプロジェクト、Ontology(オントロジー)は6月30日、メインネットのローンチからちょうど5周年を迎えた。

メインネットとは、試験段階であるテストネットの次に、実際の運用環境として公開される独立したパブリックブロックチェーンのことだ。

オントロジーは、2018年6月30日にメインネットを正式にローンチ。それ以来、プライバシーと透明性、信頼性を高めた安全性の高いインフラ構築に注力してきた。

出典:オントロジー

オントロジーが開発した分散型ID「ONT ID」の利用者は、2022年の終わり時点で160万人を突破し、一般的に利用されているDIDソリューションの中で大きなシェアを占めている。世界規模でフリーランスのマーケットプレイスを提供するマイクロワーカーズは、このONT IDを採用。これにより、マイクロワーカーズはユーザーのアカウント履歴や信用スコアを、安全に保存し、共有することが可能になった。

オントロジーのメインネットは現在、合計で164のdApps(分散型アプリ)をホストしており、メインネット上で行われたdApp関連のトランザクションの総数は760万を超えている。これらの数字は、オントロジーのエコシステムとコミュニティが着実に成長を遂げていることを示している。

関連:オントロジー、プロジェクト近況を報告|正式ローンチから5周年

オントロジーは過去1年間で達成した開発の進捗とマイルストーンについて報告している。今回の記事では、その詳細を以下にまとめていく。

過去1年間での主な開発

オントロジーの技術実装、パートナーシップを含む開発の進展について、過去1年間で達成した内容を紹介する。

L2「Goshen Network」をローンチ

Goshen Networkはイーサリアム(ETH)と完全な互換性を持つレイヤー2ネットワーク。オントロジーとイーサリアムの開発者間の交流が一層強化されることが期待されている。このプロジェクトはオントロジーのインキュベーションプログラムを卒業。2023年4月にテストネットを立ち上げ、早期のユーザーに向けて報酬キャンペーンを開始した。

Goshen NetworkはOptimistic rollupsという技術を導入し、メインチェーンであるイーサリアムの分散性とセキュリティを保ちつつ、より低いガスコストで取引処理性能を高めている。Optimistic rollupsは、取引を一旦サイドチェーンで集約し、その後メインチェーンにまとめて反映することで、取引コストを削減し、スループットを向上させる技術だ。

関連:Ontologyのインキュベーションを経て誕生したL2、リワードキャンペーンを実施

パフォーマンスの最適化/ステーキング環境の強化

台帳メモリ使用量とスマートコントラクトデータ保存量の最適化を通して、パフォーマンス、スケーラビリティ、ネットワーク全体の効率性向上を果たした。

ステーキング・エコシステムを大幅拡充。明確さ、使いやすさ、アクセス性の改善を図った。ステーキングプロセスが簡略化され、ユーザーが参加しやすくなった。また、現在リキッドステーキング (stONT)の開発も進行中。実現すると、ONTトークンの流動性を取得して、ステーキングをしながら収益機会にアクセス可能になる。

ONTOウォレットの進化

ONTOウォレットは、分散型ID(DID)の司令塔として機能し、複数のプラットフォームに跨ってDIDを安全に管理できる。自己所有IDのビジョンを実現するための重要な要素であり、ユーザーが自分自身のデジタルプレゼンスを制御できるようにする。

分散型IDとは

分散型IDとは、中央集権的な身分証明証の発行機関や組織などに依存することなく、自分が誰であるか、また自分に関する情報や保有する資格などを証明・管理することのできる、新たなタイプのIDを指す。

▶️仮想通貨用語集

Ontology EVM開発基金の有効活用

Ontology EVM開発基金は、Ontology EVM上で作業を進める開発者たちに重要な支援とリソースを提供し、これによりEVMベースのプロジェクトの発展を促し、イノベーションを推進。これは、Web3の進化と相互運用性の拡大に直結している。

オントロジーは2022年3月に独自のイーサリアム仮想マシーン(EVM)を正式にローンチ。Ontology EVMにより、イーサリアム・ブロックチェーンとの互換性を獲得し、その結果、イーサリアム(ETH)を含む35種類以上のチェーンとの相互接続が可能になっている。

過去1年間での主なパートナーシップ

Alchemy Payとの提携

2023年5月には、仮想通貨決済ゲートウェイAlchemy Payとの提携が実現し、これによりユーザーのアクセスと利便性が一段と向上した。Alchemy Payの決済ゲートウェイは、主に仮想通貨の購入と売却を支援するものであり、VisaやMasterCardといった決済方法も扱う。この提携により、法定通貨を使用してオントロジー (ONT) とオントロジーガス (ONG)の購入がスムーズになった。

iZUMi Financeとの提携

オントロジーは、Ontology EVM向けの分散型取引所(DEX)を提供するDeFiプロトコル、iZUMi Financeと提携。この提携により、ONGからONTへのスムーズな交換が可能となり、DEX内でのユーザー体験が一層簡易化された。

Orange Protocolとの協業

レピュテーション管理を手掛けるOrange Protocolと協力し、クロスチェーンの信用管理機能を強化。この組み合わせにより、ONT IDが分散型IDの進化を遂げ、異なるブロックチェーンネットワーク間での信用の検証を可能にし、分散型エコシステムにおける信頼性と透明性を高めている。

関連:分散型ID開発のオントロジー、2023年のロードマップを発表

これらの成果は、オントロジーが開発者とユーザー間の障壁を取り除くための取り組みを具体化している証拠であり、Web3の体験をよりオープンでスムーズにする方向へと進化させている。パフォーマンスの最適化、ステーキング環境の改善、そして他のプロジェクトとの共同作業を通じて、オントロジーはWeb3の未来を形作り、分散型技術の採用を推進している。

オントロジーは2023年にかけて、分散型アイデンティティ(DID)と分散型データの、様々な分野での導入をさらに後押ししていく姿勢を示している。また、ONTステーキング機能やユーザーインターフェース(UI)がさらに進化する計画だ。

Web3とは

現状の中央集権体制のウェブをWeb2.0と定義し、ブロックチェーン等を用いて非中央集権型のネットワークを実現する試みを指す。代表的な特徴は、仮想通貨ウォレットを利用したdAppsへのアクセスなど、ブロックチェーンをはじめとする分散型ネットワークのユースケースがある。

▶️仮想通貨用語集

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/14 金曜日
11:49
大手銀BNYメロン、ステーブルコイン準備金のためのMMFを立ち上げ
大手銀BNYメロンがステーブルコイン発行者向けのマネー・マーケット・ファンド「BSRXX」立ち上げを発表。ジーニアス法対応の準備金ファンドとなる。
11:04
21シェアーズ、仮想通貨指数ETF2本を米国上場 投資会社法適用は米国初
21シェアーズが投資会社法(1940年法)準拠の仮想通貨インデックスETF2本を米国で上場。TTOPとTXBCは、ビットコイン、イーサリアム、ソラナなど主要デジタル資産への分散投資を提供。機関投資家向け「ゴールドスタンダード」のETF構造を採用。
10:33
ビットコインが今月3度目の10万ドル割れ、フラッシュクラッシュ後の資金戻り鈍化
ビットコインは今月3度目となる10万ドル割れを記録し、低調な値動きが続いた。背景には、FRBが利下げに慎重な姿勢を示していることに加え、東証などを運営する日本取引所グループ(JPX)が仮想通貨トレジャリー企業に対して規制を示唆する報道が流れ、市場心理を冷え込ませたことが挙げられる。
09:54
グレースケールのIPO登録書類が公開 トランプ政権下で上場申請続く
仮想通貨資産運用企業グレースケールは、IPO登録届出書を米SECに提出。市場が構築されれば株式のトークン化も検討していく意向を示した。
09:32
米国でXRP現物ETF上場、初日取引高は90億円を記録
カナリー・キャピタルの仮想通貨XRP現物ETFが米国で上場。初日取引高90億円を記録した。2025年に上場したETF中でトップの数字となった。政府機関再開でさらなる承認も期待される。
09:18
チェコの中銀、試験的にビットコインを購入
チェコの中央銀行は、歴史上初めてデジタル資産を購入したと発表。購入したのは仮想通貨ビットコインで、他にも米ドルステーブルコインとトークン化預金も保有すると説明している。
11/13 木曜日
18:07
台湾中銀、ビットコインの国家準備資産化の「研究」へ
台湾の立法委員がビットコインを国家準備資産に組み入れる提案を行い、中央銀行が研究姿勢を示した。米国やブータンなど各国で進むビットコイン戦略的保有の動向と、エルサルバドルの事例から見る課題を解説。
17:48
メタプラネット、第3四半期決算でビットコイン評価益206億円を計上
メタプラネットの2025年12月期第3四半期決算発表。BTC保有量30,823枚に到達し目標前倒し達成、インカム事業過去最高売上。純利益135億円計上、1億ドル借入で追加取得へ。優先株活用の新戦略で普通株希薄化回避、2027年21万BTC目標を掲げる。
17:31
ステーブルコインUSDCの運用法|Aaveで年4%前後を狙う始め方
USDCを預けるだけで利息が得られるAaveの仕組みと利回り、始め方を初心者向けに解説。利用率による金利変動やリスク、SBI VCトレードでのUSDC準備まで網羅します。
15:22
CMEグループとFanDuel、仮想通貨や株価指数などの予測市場アプリを12月に開始
FanDuelとCMEグループが12月に予測市場プラットフォーム「FanDuel Predicts」を開始。株価指数、仮想通貨、商品などのイベント契約取引が可能に。2035年に14兆円規模へ成長が予測される予測市場に、ロビンフッドやドラフトキングスなど大手企業も参入。
13:50
レンジ相場続くビットコイン、10万ドルが防衛線に=Glassnode分析
Glassnodeの最新分析によると、ビットコインは9.7万〜11.2万ドルのレンジ相場が継続している。10万ドルが重要な心理的防衛ラインとなっており、これを下回ると急落リスクが高まる可能性がある。
13:43
イーサリアム上のトークン化資産が30兆円突破 他のチェーン合計を上回る
イーサリアム上のトークン化資産が2010億ドル(約30兆円)を突破し、全ブロックチェーンの3分の2を占める。ステーブルコイン27兆円、機関投資家向けファンド、RWA1.8兆円と多様なエコシステムが拡大中。
13:35
Visa、ステーブルコイン決済の試験運用を開始 クリエイターやギグワーカー向け
Visaが米ドル連動型ステーブルコインUSDCを活用した決済サービスの試験運用を開始。クリエイターやギグワーカーに数分以内の即時入金を提供し、国境を越えた決済を迅速化。2026年後半に本格展開予定。
13:25
円建てJPYC、日本国債の新たな購入者に 日銀の穴埋め役として期待も=報道
JPYC株式会社の岡部代表が、JPYCの準備金が日本国債市場で新たな力になる可能性を話した。日銀の購入縮小も背景に、今後ステーブルコイン発行者の存在感が拡大することも考えられる。
13:15
トランプ大統領、米史上最長43日間の政府閉鎖を終了させる予算案に署名 仮想通貨市場への影響は
トランプ米大統領が連邦政府機関の閉鎖を終了させる予算法案に署名し、43日間続いた米史上最長の閉鎖が終結した。下院は222対209で法案を可決。再開により複数の仮想通貨ETFが承認される見通しだ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧