はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨VC大手パラダイム、対SEC裁判でバイナンスを援護

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

バイナンスを支持する法廷助言書を提出

暗号資産(仮想通貨)ベンチャーキャピタル大手Paradigm(パラダイム)は29日、バイナンスに対して米証券取引委員会(SEC)が起こした訴訟で、バイナンスを支持する法廷助言書を提出した。

「SECは越権行為に該当する可能性がある(通常権限の範囲を超えて行動している)」などと申し立てている。

パラダイムはバイナンスへ直接投資はしておらず、訴訟の結果に直接的な金銭的利害関係はないと強調した。その上で、被告が誰であるかに関係なく、政府の行き過ぎに対して立ち向かうことが重要だとする形だ。

パラダイムは、SECは、バイナンスやコインベースなどに対する裁判を利用することで、規則制定プロセスを行わずに法律を変更しようとしていると意見している。

法廷助言書(Amicus Brief)とは

米国の法廷における制度。裁判当事者以外の第三者が、公式に意見書を提出することを可能にするもの。その内容は裁判で考慮される。

▶️仮想通貨用語集

パラダイムの指摘

今回の法廷助言書では、特にSECによる「投資契約」をめぐる議論が不適切なものであると論じられている。パラダイムは、主に次の3つを論点とした。

  • SECは「投資契約」には「契約」は必要ないというような主張を行っている
  • SECの理論は、あらゆる種類の資産売却を証券法の適用範囲内に置くことになる
  • 仮想通貨規制の制定には議会による判断が必要である

まず1点目について、SECの主張に反して、法文とそれを解釈する判例からは、「投資契約」を構成するためには、将来の価値の提供を約束する契約が必要であることが明らかだと説明している。

これに対して、仮想通貨の販売、特に流通市場での販売の際には、トークンの引き渡し以外は何も約束されることはないと指摘する形だ。

次に2点目に関しては、過去の判例を見ると、裁判所は長年の間、市場原理により資産の価値が上昇する可能性があるということだけでは、その資産の売却を投資契約とするような「利益の合理的な期待」があることを意味しないとの判断をくだしてきたと述べた。

さらに、資産の価値が上がるという共通の希望は共通の利害感心を生む可能性もあるものの、そうした希望だけでは投資契約に伴う「共通の事業」を構成することはないとも続けている。

最後に3点目について、SECは「投資契約」の解釈を不適切に広げて仮想通貨を規制しようとしているが、これは議会を無視しているとの趣旨で論じた。

仮想通貨規制は、経済的・政治的に非常に重要なことであり、SECがその規制を制定する上では「議会の明確な承認」が必要だと述べる格好だ。 90年前に制定された証券法について、77年前に行われた解釈(ハウイーテストのこと)を参照することだけでは不十分だとしている。

ハウィーテストとは

ハウィーテストとは、米国で特定の取引が「投資契約」という証券取引の定義の一つに該当するかどうかを判定するテスト。1946年のHowey社訴訟事件の際に裁判所が「投資契約」の判断基準として定めた。

▶️仮想通貨用語集

背景

パラダイムは、2021年に総額2,800億円規模の仮想通貨投資ファンドを立ち上げるなど業界最大手のベンチャーキャピタルであり、そうしたエクスポージャーの観点からステークホルダーとの見方もできる。

SEC対コインベースの裁判でも、コインベースを支持する法廷助言書を提出しており、「SECによる規制整備が遅れていることで、仮想通貨市場に不確実性が発生している」とSECを批判していた。

SECは、未登録証券を販売していたなどとして、バイナンスを訴えているところだ。その中で価値の上昇が期待されないステーブルコインであるBUSDについても、「BUSDのエコシステム全体の魅力を投資家にアピールし、そこから利益が生み出される可能性を宣伝していた」として有価証券とみなしている。

関連米サークル社がステーブルコインの「非証券性」を主張、SEC対バイナンス訴訟めぐり

関連仮想通貨VC大手パラダイム、コインベース株式68億円を追加購入

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05:45
米メガバンクJPモルガン、顧客のビットコイン購入を許可
CNBCによると、JPモルガンのダイモンCEOが顧客によるビットコイン購入を許可すると発表。長年の仮想通貨批判にも関わらず顧客選択の自由を重視。
05:35
1100億円相当のビットコインを買い増し、セイラーのストラテジー社
米ストラテジー社は19日夜、2025年5月12日から18日の間に総額1,100億円を投じて、7,390 BTCを購入したことを報告した。
05/19 月曜日
18:00
Bitcoin革命、ZK技術で実現するBitcoinOSのアプローチ
ビットコインの可能性を広げるBitcoinOS(BOS)は、ZK技術を活用してビットコインのコードを変更せずにスマートコントラクト機能やスケーラビリティを実現。BitSNARK、Grailブリッジ、xBTCなどの革新的プロダクトで、ビットコイン中心の統合エコシステムを構築。
17:15
リミックスポイント、最大56億円を調達へ 44億円でビットコイン買い増し
リミックスポイントがEVO FUND向け新株予約権で約56億円を調達。44億円で仮想通貨ビットコイン買い増し、12億円をWeb3バリデーター事業に投資へ。
16:50
変わるWeb3業界の投資地図 今注目のVC3社が語る「実需とインフラ」重視の新戦略
TEAMZ WEB3 AIサミットで取材したC² Ventures、DFG、Jsquareの3社が語るWeb3投資の現在地。実需・収益性・規制対応を軸に見極めが進む中、インフラやAIへの関心、そしてアジア市場の可能性にも注目が集まる。
15:05
アーサーヘイズが今夏以降の「アルトシーズン」再来の見通し 年末までにビットコイン2.5倍予想も
アーサー・ヘイズ氏が仮想通貨の強気相場を予測、今夏を目処にBTC20万ドルへの上昇とアルトシーズン開始を見込む。自身のポートフォリオは20%を金(ゴールド)に配分し「最終的に1〜2万ドルまで上昇」と展望する。米国債務拡大がビットコイン高騰の追い風になると分析した。
14:15
中国系上場企業DDC、5000BTC保有目標のビットコイン準備金戦略を発表 
米国上場の中国系食品企業DayDayCook(DDC)が、ビットコインを戦略的準備金として3年間で5,000BTCの蓄積を目指す計画を発表した。同社は、すでに100BTCを購入済みで、2025年末までに500BTCの取得を目指す。一方、中国の仮想通貨規制をいかに回避するかにも注目が集まる。
13:22
メタプラネット、151億円でビットコイン追加購入 保有数7,800 BTCに
メタプラネットが約151億円で暗号資産ビットコイン1,004BTCを追加購入。保有総数は7,800枚に拡大。5月の資金調達・債務償還の経緯も紹介。
11:40
過去最高値目前のビットコイン、迫るゴールデンクロスが中・長期の買いシグナルを示唆
ビットコインは投資家が重視する50MAと200MAのゴールデンクロスによる買いシグナルが形成間近に。米国債格下げでドル安圧力も追い風にとなるか。トランプ米政権の貿易・関税政策とインフレ懸念がのヘッジ需要を高める可能性が指摘される中、さらなる上昇を示唆する。
11:11
CMEグループ、XRPの先物取引を本日より提供開始へ 
米CMEグループが本日より暗号資産(仮想通貨)XRPを先物取引サービスを開始する。機関投資家の参入機会の拡大とリップル社とSECの裁判の和解進展状況も含め、その背景を解説。
05/18 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、企業のETH大量購入やアーサー・ヘイズのBTC100万ドル到達予測など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
12:49
UPCXが2025 Tokyo E-Prixスポンサーに 次世代決済とFanlinkの可能性を解説
UPCXが「2025 Tokyo E-Prix」のスポンサー契約を発表。世界標準決済を目指すブロックチェーンプラットフォーム「UPCX」と、ファン支援サービス「Fanlink」の特徴をCEO中野誠氏が解説した。秒間10万件の処理能力やグローバル展開の展望とは?
11:00
週刊仮想通貨ニュース|メタプラネット株価1340円到達の可能性に高い関心
今週は、仮想通貨ビットコインの専門家アダム・バック氏によるメタプラネットの株価試算、資産運用会社によるイーサリアム価格急騰の要因分析、空売り投資家ジム・チェイノス氏の投資戦略に関するニュースが最も関心を集めた。
05/17 土曜日
14:00
アブダビ政府系ファンド、ビットコインETF買い増しで保有額750億円突破
アブダビのムバダラ・インベストメントが第1四半期にブラックロックのビットコインETFを49万株追加購入。ゴールドマン・サックスは最大保有者として3000万株を保有。
13:05
ビットコインETFフェイクニュース事件、犯人に懲役14か月の判決
米SEC公式Xアカウントを乗っ取り、ビットコインETFについてのフェイクニュースを流した26歳の被告に懲役14か月の判決が下りた。偽情報で仮想通貨市場を混乱させたことが重大視された。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧