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米大手資産運用会社VanEck「決済分野におけるソラナの躍進に注目」

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VISAのソラナUSDC決済対応

米資産管理大手VanEck社は7日、9月の暗号資産(仮想通貨)市場を総括する月次レポートを発表。同月の最も重要な企業としての動きとして、米決済大手Visaによる、ソラナ基盤のステーブルコイン「USDC」決済機能の拡張を取り上げた。

VISAはステーブルコイン決済拡大の一環として、加盟店契約会社(アクワイアラ)のワールドペイ(Worldpay)とヌヴェイ(Nuvei)と提携し、共同で試験運用を行なっている。レポートによると、ソラナ上のUSDCは、0.00025 ドルの手数料で 0.5 秒以内に米ドルへの決済が完了するという。

ワールドペイとヌヴェイは、アクワイアラとして世界各国の企業向けにデビットカードやクレジットカードによる支払いを処理している。今回のVISAによる決済機能拡大により、両社のクライアント企業には、USDCによる決済オプションが提供されることになる。

Visaは2021年に仮想通貨企業Crypto.comと提携し、イーサリアム基盤のUSDCによる決済の試験運用を開始し、成功している。ソラナの起用はこの事例に続くものであり、ソラナに以下のような「多大な利益をもたらす可能性がある」とレポートは指摘する。

  • 新たなトランザクション、ユーザー、アプリ開発者の流入
  • ソラナネットワークを使用するために、ネイティブトークンSOLの需要が高まる

USDCとは

USDCは時価総額2位(3.8兆円)のステーブルコイン。米フィンテック企業サークル社によって発行されており、米大手取引所コインベースが出資してサポートしている。イーサリアム(ETH)ブロックチェーンのERC20規格として作成され、イーサリアム、アバランチ、ソラナ、ステラ、アルゴランドなどのエコシステムに対応。その後もアービトラム、コスモス、ニア、オプティミズム、ポルカドットへの追加対応を発表するなど、積極的にマルチチェーン機能を拡張している。

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ソラナの収益可能性

VanEckは、全ての媒体によるソラナの年間決済数を、米連邦準備制度理事会(FRB)のデータを使って推計。 世界の決済総数は1兆トランザクションで、中国を除くと6,290億件となるという。

レポートでは、平均取引手数料を $0.005ドル〜 $0.001ドルに設定。最大の市場規模(TAM)に基づいたソラナの収益の可能性を、6.66億ドルから33億ドル(993億円〜4,921億円)と見積もった。

しかし、この数字はソラナにもたらされる潜在的な恩恵を「大幅に過小評価」したものだとVanEckは主張する。企業が、銀行取引や資産管理、マーケティング、ソーシャルメディアなどの付加価値サービスを決済市場に展開することが可能になるため、ソラナエコシステム全体への決済導入による影響はより大きくなると見ている。

イーサリアムの決済と関連サービスからの収益配分をソラナが再現したと仮定すると、上記の決済からの収益は5%程度にしかならないという。2023年までのイーサリアムの収益が500億ドルという基本事例に基づくと、ソラナの総収益の機会は、30億ドルから660億ドル(4,474億円から9兆8,426億円)になる可能性があるとVanEckは推定している。

USDCによる直接決済

VanEckは、クレジットカード会社のバックエンドの機能として組み入れられたUSDC導入ではなく、ソラナUSDCによる支払いシステムの普及がもたらす恩恵に注目している。

現在、クレジットカードの利用は消費者にとっては便利なものだが、支払いを受け取る加盟店にとっては、売上総額の約2〜3%をカード会社に支払うという高額なコストがかかっている。また、消費者はポイントや特典として流通取引総額(GMV)の約1%を受け取っているという。

クレジットカード決済の代わりにソラナUSDC決済が使用される新たなシステムの場合、加盟店はUSDC発行企業である米サークル社と協力し、節約できた手数料をUSDCの直接決済やポイントプログラムなどを通して、消費者に還元することが可能になると説明している。

さらに、レポートでは、これらの決済はソラナ上で完結するため、消費者は、商品やサービス購入後、即座にリベートや特典を受け取ることが可能だと強調した。

VanEckは、ステーブルコインが決済分野において、販売業者、ブロックチェーンエコシステムそして消費者にもたらす恩恵について今後、さらに掘り下げていく予定だという。

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