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利回りトークン化プロトコルNapier Labs、Curve創設者らから1.5億円調達 プレシードラウンド

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

利回りトークン化でCurve拡張

分散型金融(DeFi)の利回りトークン化プロトコル「Napier Finance」の主要開発元であるスタートアップNapier Labsは13日、プレシードラウンドで1.5億円の資金調達完了を発表した。

Napier(ネイピア)は、Curve Financeのエコシステムを強化する拡張レイヤーとして機能する。核となる機能は、Curveの流動性プールと連携し、預け入れされた資産の利回りをトークン化することにより、元本と分離したデリバティブ資産の発行を可能にすることである。

具体的には、Curve Financeの未来の利回りを取り出し、満期付きトークンとして債券を発行し、金利の変動リスクをヘッジする「クーポン/金利スワップ」、金利を担保に借りた資金を運用する「レバレッジファーミング」などの戦略を可能にする。加えて、Curvepoolで発生するスワップ手数料の還元やCRVリワードの利用も可能だ。

Curve Financeとは

ステーブルコインや、イーサリアム(ETHJ)のリキッドステーキングトークン(stETH)など、同質資産同氏の交換に特化した分散型取引所。2000億円以上の預かり資産(TVL)を誇るトッププロジェクトの一つ。流動性提供者にはネイティブトークンCRVをリワードとして提供、CRVの獲得に特化したConvexや、独自のステーブルコインなどエコシステムが拡大している。

Napier Labsはそのアイデアとプロトタイプをイーサリアムコミュニティの主要なイベントであるETHOnline 2022で披露し、融資プロトコルAaveや利付金庫プロトコルYearnなど、著名なDeFiプロジェクトから評価を集め、複数の賞を受賞した。

今回の資金調達ラウンドでも、多くのDeFiプロジェクトの創設者が投資家およびアドバイザーとして支援している。

Curve Financeの創設者であるMichael EgorovやConvex Financeの共同創設者C2tP、LiquityのEdward Mulraney、日本の機関投資家B Dash Ventures、Flickshot Ventures、Fracton Ventures、起業初期からサポートしている日本の個人投資家らが参加している。

関連:バイナンス、Curve DAO Tokenに7億円投資

Curve、Convexらと連携

CoinPostの独自取材に応じたNapier Labsの小副川 祐輔CEOは、Curve(CRV)やConvex(CVX)とは、2023年7月のEthCC(Ethereum Community Conference)で接触して以来、関係を構築してきたと語る。

Napier Labsにはエンジェル投資家としてCurveチームから4名が出資しており、そのうち1人(Mr. Block)はアドバイザーとして同社に参加しているという。

小副川氏はまた、今回の資金調達ラウンドでCurveガバナンスで議決権を有すチーム(Curve、Convex)とインセンティブを共有できたことを強調し、今後の連携強化に向けて意欲を示した。

現在、Napier Labsは、年始に控えるメインネットのローンチに向けて、コード監査等を詰めている。また、11月13日から19日にかけてトルコのイスタンブールで開催されるDevconnectイベントで、Curveチームとワークショップを行う予定だ。

関連:SBIがトークン化やDeFiの投資会社をUAEに設立へ スタンダードチャータード銀の投資部門と合同で

既存のDeFiユーザーの意見を募る

利回りのトークン化というDeFiの領域では、Pendle Financeが業界をリードしている。

Pendleは、イーサリアムメインネット(L1)やL2のArbitrumなどで独立して展開し、トレーダーが元本トークンと利回りトークンを別々に購入・販売できるような自動マーケットメイカー(AMM)を提供している。

2023年には米国債の利回りトークンなどを取り入れたことで、その合計TVL(Total Value Locked)は2億ドルを超えた。この成長は、利回りトークン化のニーズの高まりを示している。

Napier Labsの小副川氏は、既存のDeFiユーザーからのフィードバックを求めている。「既存のユーザーベースを超え、今後のより優れたプロダクトを創り上げるために、プロダクトを使って、いろんな意見をいただけると嬉しいです。待ってます」。現在、プロダクトはプライベートテストネットで展開しているという。

関連:BinanceLabsが出資、Pendle Financeが実現する米国債金利のトークン化

「デリバティブ資産のような今まで扱いが困難だった資産をユーザーに取引提供したい」という意向の詳細ついて尋ねたところ、下記のように回答をいただいた。

AMM(自動マーケットメーカー)に関して、満期付きの資産全般です。

またNapierとして、利回りをトークン化するコントラクトも開発しました。なので、Napierのコントラクトを通じて発行される資産は、既存の利回り資産から分裂させる形で発行される、PT(元本部分を表すトークン)やYT(利回り部分を表すトークン)のような金利デリバティブ資産です。Pendle Financeがとても近いです。

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