- 9月の仮想通貨月間取引高推移
- 9月の月間取引高を見ると、BTCは前月から微減する中で、各アルトコインで増加する傾向が見られた。特に、XRPは上位仮想通貨の中でもとりわけ大きく取引高を上昇させ、前月比で約3倍まで増加した。
- XRPの月間取引高の増加が顕著に
- XRPの取引高上昇の背景には、相次いだファンダメンタル情報の発表、およびそれに付随する価格上昇が関係していると思われる。SWELL、xRapidをはじめとしたプロジェクトの進展によって、投資家のXRPに対する関心が高まった。
取引高から見る仮想通貨市場の動向
仮想通貨の取引高は、相場を見る上で多くの投資家によって意識される重要な指標である。
取引高の推移は価格変動だけでなく市場の関心度が大きく影響することから、世界的な市場の取引高推移はトレンドを追う上で必要不可欠なベンチマークだ。
特に株式では「出来高先行」とも言われるように、株が上昇トレンドに入る直前に出来高が増加する傾向にあると考えられている。
本記事では、9月の主要仮想通貨取引高が前月比でどの程度変化したかをまとめ、考察を行なった。
BTCの取引高
9月の取引高は1297億ドルであり、8月の取引高1323億ドルからおよそ2%低下した。
もっとも、9月は8月に比べ日数が1日少ないため、1日あたりの平均取引高は8月とほぼ変わらないがじわじわと下落している結果となった。
9月はBTC価格の大きな変動やファンダメンタルズ要因といったビットコインに注目が集まる要素が少なかったことから、これまでの取引高水準を維持したものと考えられる。
今年の6月にはBTCの月間取引高が1302億ドルを記録しており、9月の月間取引高は6月に続き2018年で2番目に低い水準となった。
XRPの取引高
ビットコインの取引高が低迷している一方、9月はアルトコインの取引高がおおむね増加している傾向が見られた。
上位時価総額の仮想通貨の中でも、XRPの月間取引高は大きく増加した。
1月の取引高が多いことから、縦軸が長くチャートでは読み取りにくいが、8月の月間取引高は83.7億ドルであったが、9月には224.4億ドルまで膨らみ、およそ3倍ほど取引高が増加する結果となった。
9月にはRippleのファンダメンタル情報が相次いで発表され、9月中旬からXRPの価格が大きく跳ね上がったことから、取引高の大幅な増加が見られたものと思われる。
9月の取引高水準は今年4月の取引高222.3億ドルに匹敵し、1月、2月に次いで今年で3番目に高い水準である。
ETH、USDTの取引高
前述した通り、9月はアルトコイン全体で取引高の増加が見られ、ETHの月間取引高は552億ドルを記録した。
8月の取引高490.74億ドルから約12.5%の増加となり、5月から3ヶ月連続で続いていた取引高減少に歯止めをかけた。
また、USDTについても、僅かではあるが取引高上昇が見られている。
取引高推移のグラフを見ると、9月の取引高増加率は約1.2%に止まっており、ETHと比較するとそれほど大きく増加していないことが印象的である。
アルトコインにいい傾向
ビットコインが減少する中でUSDT取引高が上昇傾向にあることは、アルトコインにとって重要な役割になっていると考えることができる。
まだ、時価総額2位と3位に位置するETHとXRPの取引高に変化が現れたのはとくにいい傾向で、年初から辛い時期が長く続いたアルトコインに変化が現れつつある可能性もあるだろう。
ETH価格も、最安値から戻しつつある今、ビットコインの値動き意外にも、この二つの通貨がアルトコインの市場を引っ張り上げることには期待したい。