はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

「国民の信頼を損ないかねない」米上院議員らがゲンスラーSEC委員長宛の書籍で強い懸念

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

SEC委員長に書簡

暗号資産(仮想通貨)支持派として知られるシンシア・ルミス議員を含む4人の米国上院議員は7日、米証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー委員長に書簡を送り、仮想通貨企業DEBT Box訴訟における同委員会の不適切な行為に強い懸念を表明した。

議員らは、この事件への対処により「投資家を保護し、公正で秩序ある効率的な市場を維持するというSECの使命」が損なわれたと指摘。さらに、SECの執行活動に対する国民の信頼を裏切るものであると批判した。

SECは昨年12月、同訴訟で不正確な発言があったと自らの非を認め、謝罪。今年1月末には、訴訟の棄却申立てを行うと連邦地方裁判所に通知している。

関連:米SEC、仮想通貨企業DEBT Box訴訟の棄却申し立て「事実に基づかず不当」

しかし、SECはDEBT Boxに対する訴訟を「他の権利に影響を及ぼすことなく」却下するように求めているため(”dismiss without prejudice”)、SECの要望が受け入れられた場合、後日被告を再度起訴する可能性も残されることになる。

議員らは書簡で、SECの倫理性に疑問を呈し、強く非難している。

どのような連邦政府機関であれ、特に極めて重大な結果をもたらす法的手続きに定期的に関与し、あなたのリーダーシップの下、規則制定ではなく、強制措置を通じて規制の使命を追求することが多い政府機関が、このように非倫理的でプロフェッショナリズムに欠けた態度で活動することは、到底受け入れられるものではない。

裁判の経緯

SECは昨年7月、DEBT Boxが「ノードライセンス」と称する未登録証券を販売し、数千人の投資家から4,900万ドル(約72億円)超を詐取したとして提訴。同社に対し暫定的差し止め命令(TRO)の発動を求める申請書をユタ州連邦地方裁判所提出した。

裁判所はSECの主張を認め、DEBT Boxの資産を凍結するTROを発したが、9月に被告側がTRO取り消しの申し立てを提出。SECがTROが発行されないことにより「取り返しのつかない損害が生じる」事実を示さなかったため、裁判所は「TROは不注意に発行された」と結論づけ、10月にTROを取り消した。

その後、同地裁判事は12月の裁判所命令の中で、TRO申請に関してSECが「著しく虚偽で誤解を招く表現を行い、訴訟手続きの健全性を損なった」として、SECに説明を求めるとともに、制裁を科す可能性があると警告した。

この裁判所命令を受けてSECは過ちを認めて謝罪するも、裁判所による制裁については「適切ではなく必要ない」と主張している。

憂慮すべき事態

裁判所に昨年12月に提出した書類でSECは、7月に行われた審議で同委員会の弁護士が「当時は知らなかったが、不正確な陳述を行った」こと、また「その発言内容が不正確であることが判明した後も、訂正を怠った」と過失を認めている。

一方、議員らは上記のSECの説明について、この間違いは「悪意ではなく過失であると示唆しているが、このような”寛大な説明”さえも、受け入れることはできない」と叱責した。

委員会の弁護団が、本件の関連事実に精通していない上、法廷に提出された証拠の信憑性を軽視していたことは、極めて問題である。

議員らは、この件でSEC職員が故意に証拠をごまかして伝えたか、知らずに虚偽の情報を提示したかにかかわらず、このケースは、SECによって提起された他の強制執行の実例について、精査が必要となる可能性を示唆していると強調した。

米国証券協会も批判

地域金融サービス会社のための業界団体である米国証券協会(ASA)も、DEBT Box訴訟におけるSECの対応を批判している。

ASAのクリス・アイアコヴェラ最高経営責任者は、SEC委員長は国民の信頼と信用を預かる立場にあり、米国民から最上位の倫理観と道徳観を持って行動するよう、期待されていると指摘。しかし、本件では期待を裏切る行動が見られたと次のように非難した。

彼の機関は、その基準を守るのではなく、SECが好まない業界に対する政治的アジェンダを追求するため、連邦裁判所を意図的に欺いた。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
17:41
分散型AIトークンのFET、 Binance Japanで取扱い開始【国内初】
Binance Japanが国内初となるFET(Artificial Superintelligence Alliance)の取扱いを開始。本記事ではASIアライアンスの概要、FETの用途、将来性、想定されるリスクを解説する。
16:45
なぜSBI新生銀行は投資家に選ばれる? 圧倒的優位性を持つ「SBI証券」との連携メリットを解説
SBI新生銀行が投資家に選ばれる理由は、SBI証券との圧倒的な連携メリットにあります。預り金自動スィープサービスで入金操作不要、年4.2%の高金利預金で待機資金を運用。IPO投資、NISA口座、資産一元管理まで、他の銀行では実現できない理想的な投資環境を徹底解説。
14:36
リップル決済、欧州初の銀行採用 スイスのAMINA銀行と提携
リップルがスイスのAMINA銀行と提携し、欧州初のリップル決済導入を実現。ブロックチェーンと従来の銀行システムを統合し、ほぼ即時の国際送金サービスを提供。両社の協力関係はステーブルコイン保管から決済へと拡大。
13:44
イーサリアム「フサカ」実装直後にPrysm障害、1.8億円の報酬損失が判明
イーサリアムの大型アップグレード「フサカ」実装直後、Prysmクライアントでバグが発生し382ETH(約1.8億円)の報酬機会が失われたことが判明し、ネットワークの堅牢性においてクライアント多様性の重要性が再確認された。
13:22
英国、2027年に仮想通貨規制を本格導入へ 政治献金も禁止方針
英国財務省が2027年施行予定の仮想通貨規制案を策定中。英国金融行動監視機構の監督下で取引所やウォレット企業に透明性基準を義務付け、消費者保護を強化。仮想通貨による政治献金も禁止へ。
10:50
ストラテジー、ナスダック100指数への残留決定 ビットコイン買い増しの意欲示す
世界最大のビットコイン保有企業ストラテジーのナスダック100指数への残留が決定した。セイラー会長はビットコイン追加購入への意欲を示唆している。
10:41
日銀30年ぶりの0.75%利上げ見込み 仮想通貨市場への影響は?
日本銀行が12月19日の金融政策決定会合で政策金利を0.75%に引き上げる方針。30年ぶりの高水準となる利上げが、円キャリートレード巻き戻しを通じてビットコインなど仮想通貨市場に与える影響を分析。米FRBのQT終了による影響緩和の可能性も解説。
10:10
2025年末までに済ませておきたい仮想通貨に関する税金と確定申告への準備|Gtax寄稿
仮想通貨の税金の仕組みと、年末までにできる節税対策を解説。損益圧縮やふるさと納税・iDeCoの活用法、確定申告に向けた取引履歴・経費の整理ポイントをまとめています。
08:50
米SEC、個人投資家向けの仮想通貨保管ガイドラインを提示 姿勢転換示すか
米証券取引委員会が個人投資家向けにビットコインなど仮想通貨を保管する方法に関して推奨事項を提示した。ウォレットの選び方やカストディアン選定の注意点を解説している。
12/14 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、トム・リーのイーサリアム相場分析やXRP現物ETFの連続純流入など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
来週の米雇用統計に注目、労働市場減速ならビットコイン相場に追い風か|bitbankアナリスト寄稿
BTC相場は1450万円周辺で推移。FOMCで利下げ決定、流動性供給再開で中期的な下支え期待。来週の米雇用統計で労働市場減速が示されれば、追加利下げ観測強まりBTCの追い風となるか。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|仮想通貨税制に関する国会質疑に高い関心
今週は、ストラテジーによるビットコイン押し目買い、仮想通貨税制に関する国会質疑、仮想通貨マーケットメーカー大手Wintermuteの市場分析レポートに関する記事が関心を集めた。
12/13 土曜日
14:05
米インタラクティブ・ブローカーズ、ステーブルコインでの口座入金を開始
ステーブルコイン入金を導入 ブルームバーグが報じたところによると、オンライン証券大手インタラクティブ・ブローカーズ・グループが、個人証券口座へのステーブルコインによる入金を可能…
13:35
仮想通貨業界団体ら、シタデルに反論 「DeFiは仲介事業者ではない」
DeFi教育基金など仮想通貨業界団体らが米SECに書簡を提出した。シタデル・セキュリティーズによるDeFi規制要求に反論し、自律的ソフトウェアは仲介者に該当しないと主張している。
11:55
ブラジル金融大手イタウ、3%のビットコイン配分を推奨
ブラジルの金融機関イタウがポートフォリオの1%から3%をビットコインに配分するよう推奨した。米国のバンク・オブ・アメリカやモルガン・スタンレーも最大4%の配分を提案している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧