「複数要因で6万3,000ドルも可能」
暗号資産(仮想通貨)サービス企業Matrixportは新たなレポートで、2024年3月までにビットコイン(BTC)が6万3,000ドル(約950万円)に達する可能性が依然としてあるとの強気予測を行った。
要因としては、ビットコイン現物ETFの承認、ビットコイン半減期、連邦準備制度理事会(FRB)のFOMC会議後の利下げ期待、米大統領選挙を挙げている。
CoinSharesによると、現物ETF承認後のビットコインの勢いに牽引され、仮想通貨投資商品への16日までの1週間の資金流入額は急増した。そのうちビットコインへの流入が99%以上を占めており、総額24億ドル(約3,600億円)相当となった。
対象ファンドの運用資産額は2021年12月以来の高水準に戻っている。
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ビットコインETFとは
ビットコインを投資対象に含んだ上場投資信託(Exchange Traded Fund)のこと。投資信託とは、投資家から集めたお金を1つの資金としてまとめ、株式や債券などに投資して運用される金融商品。運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みになっている。投資信託の中でもETFは証券取引所に上場しているため、株式と同様に売買ができる。
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利下げや大統領選がプラスに働くか
Matrixportは、FRBの連邦公開市場委員会(FOMC)後の利下げ予想についても言及した。
金利が低下した場合には、利回りを生み出す米国債への投資の魅力が薄れ、投資家はビットコインのような、リスクが高く成長傾向の資産へと移動する可能性があるとしている。
一方、直近の経済指標(CPI等)は堅調な米経済とディスインフレの鈍化を示していることから、早期利下げへの期待は大幅に後退させた。それでも、米ダウ平均・日経平均は高値を更新し続けた。
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また、今年行われる米国大統領選挙の結果により、経済政策が変化する可能性もある。こうした不確実性がある時、投資家がビットコインのような代替資産に目を向けることが考えられると指摘した。
共和党の最有力候補であるドナルド・トランプ前大統領は、ビットコインに対して懐疑的な姿勢を取ってきたが、ここへ来て考えが変化していることが示されているところだ。
米FOXニュースが21日に報じたタウンホール(討論会の一種)で、トランプ氏はビットコインについて「何らかの規制を行う必要があるだろうが、多くの人がビットコインを受け入れている。」「ビットコインと共存していくことはできるだろう」と話した。以前より肯定的な見方になっていることが窺われる。
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また、半減期については、米仮想通貨運用会社グレースケールが9日にレポートを発表。ビットコイン価格は半減期だけでなく、より大きな経済情勢などの影響も大きいと意見しつつ、半減期後はマイナーへの報酬が減るため、マイナーの売り圧が緩和されると推測した。
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