CoinPostで今最も読まれています

ビットコインETF承認後に高騰する相場をプロが解説|寄稿:仮想NISHI

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

*本レポートは、暗号資産取引所SBI VCトレードのクリプトアナリストである仮想NISHI(@Nishi8maru)氏が、CoinPostに寄稿した記事です。

ビットコインマーケットレポート(2月28日~3月5日)

ビットコイン市場は1月26日からETFからの流入超過が続き急騰している。1月11日のETF承認後は事実確定売りや破産ファンドの利確売りなどにより下落基調だったが、イーサリアムのデンクンアップデートの実施が決定されたことなどが好材料となり反転、2月14日には円建て史上最高値となる779.4万円(約5万2千ドル)を更新し大きく上昇した。執筆時点では5万7千ドル付近。

関連:初歩から学ぶビットコインETF特集:投資のメリット・デメリット、米国株の買い方まで解説

ビットコインETF特集

足もと

ビットコインの成行注文のアクティブOI(未決済建玉)はファンディングレートを見るとロング寄りのポジションに強く偏っていたが、直近では大幅な縮小傾向にありポジションの偏りの是正が見て取れる(下画像赤矢印)。また、イーサリアムのアクティブOIがかなり減少しており、デリバティブ市場を起点とする売りの連鎖は起こりにくい状態となっている(下画像青矢印)。

現物市場

成行売買動向を見ると、現物が継続的に大きく買われ続けていること(下画像赤枠)が見受けられる。

デリバティブ市場

直近のデリバティブ市場の無期限先物は、全体的に現物より高い価格で推移しており(下画像赤枠)若干買われすぎとなっているが、乖離は縮小傾向(下画像青枠)にありニュートラルな状態に近づきつつある。

オプション市場

現物渡しで取引されるオプション市場では、現在価格(5万7千ドル)より高い価格帯である6万ドルに建玉が集中(下画像赤枠)おり、さらに直近では6万5千ドルの価格帯の建玉も増加している(下画像黄枠)。PCRレシオも低下(下画像青枠内黄線)しており、市場参加者の態度はかなり強気に変化していると捉えることができる。

先物市場

先物市場(CME)の直近2月23日のデータを見てみると、「Asset Manager」は昨年10月下旬よりロング比率がほぼ100%で推移している(下画像赤枠)ことに比べ、価格差益を狙う「Leveraged Funds」はロング比率が2月から増加しているものの、約25%と絶対水準は低い状態にある(下画像青枠)。

外部環境

他アセットとの相関について、米株指数との相関はS&P500(+0.63)など一時+0.9近くあった先月と比べ相関は低くなっている(下画像青枠内緑線)。一方、ゴールドとの相関は▲0.22とやや逆相関となっている(下画像青枠内赤線)。

また、ドルのM2(市場全体に供給される通貨供給量の一種)をみると、2022年は減少基調であったものの(下画像赤線)、12月から減少が止まり増加に転じた(下画像青線)。

これはビットコインの価格が急騰した時期と被っている。4月中下旬にビットコインの新規発行量が減少する半減期を控える中、このままドルの供給量が増加した場合、ドルに対してビットコインの希少価値がより高まる可能性がある。

オンチェーン環境

ハッシュレートは若干低下しており、次回難易度予想は▲3.91%の易化予想。

直近のクリプト指標

◼️2月28日

米消費者信頼感指数

米GDP改定値

◼️2月29日

米PCE デフレータ

◼️3月1日

米PMI

◼️3月2日

米ISM製造業景気指数

総括

ビットコインはETF承認後の下落から反転し上昇を続けている。

今後、好材料であるイーサリアムのデンクンアップデートが3月13日、ビットコインの半減期が4月中下旬と控えている中で、金融政策の方針が緩和方向に動くとなれば、さらに市場参加者の心理が強気になると考えられる。

画像出典:Tainoko Lab

寄稿者:仮想NISHI仮想NISHI
「暗号資産もSBI」を掲げる、暗号資産取引所SBI VCトレードのクリプトアナリスト。BTC Status Alert制作協力者、DECOCHARTの企画・監修者としても、日本の業界に必要な投資関連情報の配信に携わっている。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
09:45
3兆円運用の米ミシガン州の退職年金、10億円以上のビットコイン現物ETF保有
仮想通貨ビットコインの現物ETFに対する米国の年金基金からの需要は増加傾向にある。運用資産総額3兆円に相当するミシガン州の退職年金はウィスコンシン州とニュージャージー州のジャージー市の年金基金に続き、ビットコインETFの株を保有していることを報告した。
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア