WIFやMEWが話題に
1月の暗号資産(仮想通貨)ビットコイン現物ETFへの承認で、仮想通貨相場全体の時価総額は第1四半期に60%上昇したが、CoinGeckoのデータによると、ミームコインのパフォーマンスはBTCと他のアルトコインの上昇率を大きく上回った。
ミームコインは2024年第1四半期に最も利益を上げた仮想通貨のカテゴリー(サブセクター)であり、上位トークン全体で平均1,312.6%という最高のリターンを記録。当四半期末時点の時価総額上位10トークンのうち、Brett(BRETT)、BOOK OF MEME(BOME)、cat in a dogs world(MEW)の3銘柄は3月頃にローンチされたばかりの新しいトークンだった。
強気相場の復帰に伴い、さまざまな仮想通貨ナラティブ(特定の投資機会や市場の動向について語られる将来性や成長のこと)がトレンド入りしたが、ミームコインは、RWA(現実世界資産)の4.6倍の利益を上げ、今年第1四半期に最もリターンの低かったレイヤー2のナラティブよりは33.3倍の利益を上げたという。
ミームコインのナラティブについては、Web3以外のユーザーや投資家がソラナやアバランチなど手数料の低いブロックチェーンを利用するきっかけになりやすくするための「トロイの木馬」になったとみられている。
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RWAやDePin、セクター別比較
CoinGeckoのデータによると、レポート発表時点のミームコインセクターの時価総額は609.3億ドルで、仮想通貨時価総額全体の約2.32%を占めている。
この数字は前四半期比で176.9%増の結果となった。また、299.8億ドルのDePin(分散型物理インフラネットワーク系)や、323.9億ドルのレイヤー2、180億ドルのzk(ゼロ知識証明系)、85億ドルのRWA(現実世界資産系)など、資本や機関の関与が大きい多くの主流セクターの時価総額を上回っている。ミームコインは基本、コミュニティメンバーやクジラを含む個人投資家の主導によって市場が形成されている。
一方、ミームコインはこれまでの第一四半期に最も高い収益性を見せてきたが、2番目に収益性の高いのは、RWA系銘柄で、同四半期において285.6%のリターンを記録した。
RWA銘柄(OMやONDO、CHINTAIなど)は、ビットコインETF発行企業であるブラックロックやフランクリン・テンプルトンといった米金融大手がオンチェーンファンドへ参入を好材料に値上がりしていた。
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また、1年前からすでに話題になっていた人工知能(AI)セクターはRWAに続き、同四半期に222.0%と3桁のリターンを記録。3桁のリターンを上げたナラティブは、ミームコイン、RWA、AIの3つだけだった。
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