はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

「WELL3」とは|1時間で4500万ドルを調達したWeb3ウェルネスプロジェクト

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

近年のヘルスケア意識向上や少子高齢化の影響もあり、世界的に長期的な拡大が期待されるウェルネス市場。ウェルネス市場が今後数年間で8.5兆ドルに達すると予測されています。

そんなウェルネス市場において、2024年3月に実施されたパブリックセールでは、開始1分で目標額1,000万米ドルの資金調達を達成したプロジェクト「WELL3」が注目を集めています。

WELL3は、分散型物理インフラネットワークのDePIN(Decentralized Physical Infrastructure Networks)技術を駆使して、健康状態の改善を促進するプラットフォーム。独自の「DePINおよびDID」モデルにより、ユーザーはヨガや瞑想、運動などを通じて$WELLトークンを獲得できます。

本記事では、強い関心を集める新時代のウェルネスプロジェクト・WELL3の基本情報や、WELL3が提供するエコシステムやサービスの特徴などを解説します。

目次
  1. マルチチェーンおよびテクノロジーリーダーとの戦略的提携を進める「WELL3」
  2. WELL3の基本システム
  3. WELL3エコシステムの詳細
  4. WELL3のパブリックセール実績
  5. 「WELL3」が描くデジタル時代のウェルビーイング

1. ウェルネス市場をWeb3化する「WELL3」

初めに、先進的なウェアラブルとDePIN技術でウェルネス市場を開拓する、WELL3の特徴を解説します。

1-1. ウェルネス市場の課題を解決

そもそもウェルネスとは、生活習慣の改善などを通して、総合的な健康状態を維持する活動のことです。日本を含めて世界的にウェルネスの需要は上がり続けており、ウェルネス市場の規模は年々拡大しています。例えば2022年の世界市場の規模は約5.6兆ドルでしたが、2027年までに8.5兆ドルまで市場規模が広がるという予測もあるほどです。

今後のウェルネス市場では、各ユーザー用にパーソナライズされたサービスの需要が高まっていくと予測されていますが、そこで課題となるのが健康データの管理です。ウェアラブルデバイスを通じて記録される心拍や睡眠に関するデータが漏洩すれば、深刻なプライバシー侵害につながる可能性があります。

そこでWELL3は、高度なウェアラブル技術とDePIN(Decentralized Physical Infrastructure Network:分散型物理インフラネットワーク)技術を用いて、個人の健康データを安全に管理できる基盤を実現。さらに、情報セキュリティとユーザーの意識改革を重視することで、自主的に自身の生体データを使用したウェルネスサービス・製品の使用を促すことを目指しています。

1-2. アドバイザーや投資家

そんなWELL3を支えるのは、多数の名だたるWeb3企業からアドバイザーや投資家です。

アドバイザー Yat Siu (Animoca Brands)

Adrian Lai (Newman Capital)

Billy So (Soul Capital)

投資家 Animoca Brands

Blocore

Fenbushi Capital

Newman Group

Soul Capital

Spartan Group

また、WELL3は彼らパートナーの支援を受けて積極的にイベントを実施しています。例えば2024年4月18日〜19日には、「Token2049 Dubai」内で初めての没入型ウェルネスイベント「AQUAWELL」が開催されました。

AQUAWELLでは、ウェルネス業界のリーダーやイノベイターなどが集まり、ウェルネス業界におけるWeb3イノベーションについて意見交換を実施。さらに、水族館内での瞑想やヨガを通して、心身のリフレッシュを図る体験イベントも行なわれました。

1-3. 前向きな戦略的提携:マルチチェーンと技術リーダーとの協力

今回のローンチは、ロードマップの序章に過ぎません。

WELLトークンの生成イベント(TGE)やDePINフレームワークを通じたパートナーシップ拡大などの今後のマイルストーンを計画しているWELL3は、健康データをトークン報酬に変える準備が整っています。

マルチチェーン間での相互運用性とシームレスなユーザー体験を追求するために、WELL3はPolygon、Base、Ton、Avalanche、Arbitrum、BNB Chain、Sei、Algorand、Blast、およびTelosなどの主要なチェーンと戦略的提携を結びました。

このコラボレーションにより、ユーザーはマルチチェーンおよびスケーラブルなエコシステムの恩恵を受け、WELL3の提供する機能とリーチが向上します。

さらに市場での地位を強化するために、WELL3はAWS、Samsung、XY Finance、Magic Eden、Lumozなどの著名な技術プロバイダーおよびプラットフォームとの提携を発表しました。これらのコラボレーションは、ブロックチェーン技術によって強化されたパーソナライズされた健康ソリューションを提供することを目的としています。

1-4. 関連プロジェクト「YogaPetz(ヨガペッツ)」とは

YogaPetzは、WELL3の関連プロジェクトです。NFTとウェルネスをかけ合わせ、インセンティブを通じてヨガや瞑想などウェルネスの習慣構築を促進します。ウェルネス市場の高まりを受けて世界中から注目されており、BNB ChainのX(旧Twitter)では有望なWeb3ゲームの一つとして紹介されています。

WELL3はYogaPetzの中核を担うプラットフォームとして位置づけられ、そのエコシステムではWELL3と同様に$WELLトークンを活用しています。

2. WELL3の基本システム

WELL3リングは、指輪型のウェアラブルデバイスです。

心拍数、睡眠パターン、運動データなどの日常生活における健康データを収集し、それをブロックチェーン技術を活用して管理します。オンチェーン資産に変換することにより、Web2とWeb3の市場を統合します。

このプラットフォームは、分散型物理インフラストラクチャネットワーク(DePIN)と分散型ID(DID)を利用し、ユーザーに健康データを匿名で共有させ、その見返りとして暗号資産(仮想通貨)WELLトークンを報酬として提供します。

戦略的パートナーシップを締結したTicker Capitalは、資金提供と技術支援を通じてWELL3の成長を支援しています。

続いて、WELL3の基本機能や仕組みについてご紹介します。

2-1. WELL3 DePIN

「WELL3 DePIN」は、ブロックチェーンベースの管理システムを用いて、個人の正確な健康データを収集・保護するシステムです。DePINを通じて効率的に収集された健康データは、パーソナルな健康問題へのアプローチに活用されます。

また、DePINはユーザーデータを匿名化する役割も担っており、ユーザーはデータのセキュリティを保ったままサードパーティ製のサービス・製品との連携が可能です。

2-2. WELL ID(DID)

ブロックチェーン技術を活用した「WELL ID (DID:分散型ID)」は、健康データなどに関する完全なコントロール権をユーザーに提供します。運営企業が健康データを含む個人情報を管理しないことで情報漏洩などのリスクを抑え、本人以外によるデータ改変を防ぎます。

さらに、WELL IDを用いることでユーザーは定期的にWELL3からインセンティブを受けることが可能です。日々の健康維持に取り組むことで受け取れる特典が増え、よりアクティブにウェルネスに向けた活動ができる仕組みを整えています。

3. WELL3エコシステムの詳細

次に、WELL3エコシステムの概要やデータフローなど、より詳細な部分について解説します。

3-1. WELL3エコシステムの基本

WELL3エコシステムでは、まずユーザーからウェアラブルデバイスなどを通じて取得した健康状態に関するデータが、WELL IDを通してWELL3システムに共有されます。ユーザーは匿名化された健康データを提供した報酬として、$WELLトークンを獲得可能です。

WELL IDは、さまざまなプラットフォームやサービス間でシームレスに統合するように設計されており、複数のパスワードや重複した認証プロセスの煩わしさを解消します。 健康サービスへのアクセス、ウェルネスプログラムへの参加、またはパートナーエコシステムとの連携において、WELL IDはデジタルインタラクションを簡素化しながらセキュリティを向上させる統一されたアイデンティティソリューションを提供します。

WELL3エコシステムは、主にユーザーから取得したデータを管理する「DePINプロトコル」、エコシステムの中心となる「WELL3 DePINシステム」、大規模言語モデル(LLM)を利用して健康データの分析・パーソナライズを行う「WELL3 フィーチャーズ」で構成されています。

データの分散化:

健康データはDePINシステム内で安全に処理されます。

Amazon Web Services(AWS)によって提供されるTrusted Executive Environments(TEE)内でこのプロセスが行われるため、ユーザーデータは常にプライベートかつ安全に保たれます。

リワード付きウェアラブル:

WELL3は、先進的なセンサーとアルゴリズムを搭載したスマートリングから始まる革新的なウェアラブル製品ラインを導入します。

ユーザーは積極的な参加と匿名化された健康データの共有に同意することで、$WELLトークンを獲得できます。このトークンベースのエコシステムは、健康的な行動やデータ共有を報奨することでユーザーのエンゲージメントを高めるだけでなく、プラットフォームのガバナンスと継続的な開発に対するユーザーの関与を確保します。

個人データの所有権:

WELL3のDePINおよびDID技術を活用することで、ユーザーは個人情報およびデータに対する完全な所有権を持つだけでなく、不正アクセス、データ漏洩、詐欺からも保護されます。

WELL3ではWeb3技術のみではなくAIも重要な役割を担っており、健康データのモニタリングと分析にとどまらず、ユーザーのニーズや好み、気分に基づいてパーソナライズされた健康サポートやガイダンスを提供する予定。AIはユーザーとの継続的な対話を通じて情報を蓄積し、各ユーザーに最適な計画の提供や効果的なアドバイスを実現します。

また、健康データの分析結果をもとに、外部のサービスや製品提供者とのコラボレーションも積極的に実施。ヘルスケア市場とオープンに連携し、理想的なウェルビーイングの実現に役立つサービスや製品の提供を行います。

WELL3のマルチチェーンフレームワークは、ビットコイン、イーサリアム、ポリゴン、ソラナ、ブラスト、TONを含む複数のブロックチェーンプラットフォームにまたがっています。

この幅広い網羅性により、WELL3はさまざまなネットワークの強みを活用し、ユーザーが複数のプラットフォームを跨いでWELL3エコシステムと障害なくやり取りできるようにし、シームレスで統合されたユーザー体験を提供します。

さらに、このアプローチにより、特定のアクションに対して最も効率的なブロックチェーンを選択することで、取引コストを大幅に削減することができます。

3-2. $WELLトークンとインセンティブ

すでに触れた通り、WELL3ではユーザーがエコシステムへの参加と健康改善への取り組みを通じて$WELLトークンやNFTなどのインセンティブを獲得可能です。

$WELLトークンは、WELL3上でユーティリティトークン・ガバナンスのトークンとして機能しウェルネスと健康の改善を促進する役割を持ちます。報酬として獲得したトークン・NFTはWELL3やパートナー企業のプラットフォームで使用可能です。例えば、報酬を利用して各種イベントに参加し、同じ目的を持つWELL3ユーザーたちと交流しながら健康のために活動することで、高いモチベーションを維持できるでしょう。

$WELLの用途例:

  1. DePINエコシステムのリワード、健康データの共有、および活動ベースのインセンティブとして
  2. DIDを通じたアイデンティティの作成、管理、およびKYC-as-a-service(KYCサービス)として
  3. WELL3エコシステム内でデジタルおよび物理的な購入のための通貨として

3-3. 拡大を続けるコミュニティ基盤

WELL3は、 Discordで20万以上、Xで70万以上、DAppユーザー85万以上、オンチェーンウォレット50万以上を保有する2023年8月には1万のNFTコレクションがわずか44分で完売し、1,700ETH以上を達成するなど、驚異的な実績を実現しました。

また、2023年12月28日時点では85万人だったユーザー数は、2024年5月2日時点では88万人を超えており、着実にコミュニティの規模を拡大していることがわかります。さらに、ウォレットオーナーは52万人、NFTオーナーは32万4,000人を超え、WELL3の人気が堅調であることを示しています。

4. WELL3のパブリックセール実績

WELL3が2024年3月28日に実施したパブリックセールでは、次のように記録的な実績を残しています。

  • 1分間で3,000 ETH(1,000万ドル相当)
  • 26分間で10,000 ETH(約3,500万ドル相当)
  • 1時間で12,000 ETH(約4,500万ドル相当)
  • 24時間で15,236 ETH(約5,400万ドル相当)

当初の目標としていた1,000万米ドルを開始からわずか1分で達成したことから、Web3を活用したウェルネスプラットフォームへの高い関心が浮き彫りとなりました。なお、$WELLの総発行枚数は420億枚を予定しています。

5. 「WELL3」が描くデジタル時代のウェルビーイング

WELL3は、今後も大きく成長が予測されているウェルネス市場を対象としたサービスを提供するシステム。健康データの収集、データのAI分析などを通して、その人だけの健康行動を提案、サービスのクオリティ向上などを実施し、ユーザーの健康管理を徹底的にサポートします。

また、ユーザーは健康データを提供することで、$WELLトークンやNFTを獲得できます。健康を維持しながら利益を得られる独自のサービスは世界中から注目を集め、パブリックセールでは驚異的な実績を残しました。ユーザー数も堅調に上昇し、今後ますます利用者が増えていくことが予測できるため、この機会にWELL3の利用を検討してはいかがでしょうか。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
08/02 土曜日
13:30
OpenAI、1.2兆円を資金調達完了 汎用人工知能に関する協議も
OpenAIが新たに1.2兆円の資金調達を完了。経常収益が急成長する中、汎用人工知能(AGI)達成後のマイクロソフトとの技術利用権について協議を進めていると伝えられる。
12:00
ジーニアス法成立、サークル株に対する影響と今後の展望は
ステーブルコインUSDCの発行元サークルが米国で上場し、株価は急騰後に一時300ドル近くまで上昇。GENIUS法案の追い風もあり注目を集めたが、その後は調整局面へ。本記事では株価動向、成長の可能性、リスク、そしてUSDCの仕組みやDeFiでの活用方法を総合的に解説する。
11:15
米シャープリンク、約1.5万イーサリアム追加購入
イーサリアムトレジャリー企業シャープリンクが7時間で14933ETH購入。6月以降46万4000ETH蓄積し未実現利益2億ドル以上を記録。
10:30
DeFi教育基金が米上院に提案、クラリティ法案の4つの原則とは?
仮想通貨業界団体DeFi教育基金が、米上院の「責任ある金融イノベーション法」に4つの重要原則を提案した。分散型金融と従来型仲介業者の区別などを求めている。
09:50
メタプラネット、最大5550億円相当の優先株発行を検討へ
メタプラネットは仮想通貨ビットコインの追加取得のために、発行可能株式総数の増加や永久優先株式の発行を臨時株主総会に付議することを決議。永久優先株式の発行額は最大5550億円である。
08:43
ビットコイン一時11万3000ドル割れ、トランプ新関税発表などで仮想通貨市場に売り圧力=CNBC
トランプ大統領の関税発表などを受けビットコインが3%下落し一時11万3000ドルを下回った。イーサリアムやXRP、ソラナなども下落。専門家は健全な調整と分析。
07:15
ベッセント財務長官、「仮想通貨黄金時代」宣言 
ベッセント財務長官が仮想通貨黄金時代の到来を宣言。トランプ政権が168ページの包括的報告書を公開し、ビットコイン戦略的準備金やDeFi規制緩和を明記。
06:45
英金融当局、10月から仮想通貨ETNの個人投資家向け販売を解禁
英金融行為監督機構が2021年から禁止していた仮想通貨ETNの個人投資家向け販売を10月8日に解禁。FCA承認取引所での取引が条件、デリバティブ禁止は継続。
06:25
米SECの仮想通貨タスクフォース、全米10都市で巡回ラウンドテーブル開催へ
米SECのヘスター・パース委員率いる仮想通貨タスクフォースが8月から12月にかけて全米10都市を巡回。従業員10人以下の小規模仮想通貨プロジェクトとの対話を重視。
06:00
ストラテジーの「iPhoneモーメント」か、アナリストが目標株価を大幅引き上げ
世界最大のビットコイン保有企業ストラテジーの第2四半期決算を受け、ベンチマークとキャンター・フィッツジェラルドが目標株価を上方修正。新優先株STRCを「iPhoneモーメント」と評価し長期成長を予想。
08/01 金曜日
17:45
予測市場が示す2025年後半の仮想通貨相場展望
仮想通貨市場の未来について、現在もポリマーケットなどで予測が活発に行われている。本記事では、2024年に精度で注目を集めた予測市場が示す2025年後半の仮想通貨相場展望をまとめた。
16:30
韓国Four Pillars、Circle・a16z・S&P参加のTACにアジア初のリサーチ企業として加盟
韓国のFour Pillarsがアジアのリサーチ企業として初めてTACに参加。Circle、a16z、S&P Globalなど大手機関と共にトークン化資産の発展に貢献。仮想通貨市場の国際協力体制が強化。
13:45
9割の北米大企業CFOが仮想通貨利用を想定=デロイトQ2調査
デロイトの最新調査により、北米大企業の最高財務責任者の99%が、長期的に仮想通貨の業務活用を想定していることが明らかになった。投資や決済での利用をはじめ、サプライチェーン管理での利用が高く評価され、2年以内の導入に意欲を見せる企業も多い。
13:00
新構想「リーン・イーサリアム」とは? 今後10年の開発目標=ETH財団
イーサリアム財団リサーチャーが、今後10年の開発構想「リーン・イーサリアム」を発表した。特にトランザクション処理能力について野心的な目標を掲げている。
12:15
初心者・女性・大口が選ぶ|仮想通貨取引所のクチコミ人気ランキング
ユーザー基盤の大きい、ビットバンク・ビットフライヤー・GMOコイン・コインチェックのクチコミ500件を分析。初心者や上級者別に、おすすめの暗号資産(仮想通貨)取引所を比較しました。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧